【ミル】(みる) †

Mil / angular mil / ‰

軍事に用いられる角度の単位。
ヤード・ポンド法の長さの単位"mil"(0.001inch)との混同を避けるため「角度のミル」と称する場合もある。
また、パーミル(1000分の1)と称する事もある。

元々の定義は1ミル=1ミリラジアン(milli-rad)。
ラジアンは360°/2πに等しいため、円周(360°)は約6283ミルで、1ミルは約0.0573°(360°/2000π)。
実用上では小数を省略するために近似値を用いる事が多い。

円周をちょうど6283ミルであると定義する事が多い。
また、NATO軍の定義では円周を6400ミルと定義している。
同様に、旧ソ連では円周を6000ミルとしていた。

厳密な数学的計算には甚だ不適格な単位だが、軍事分野では概算を素早く行うために多用される。
幅1ｍの物体を1000ｍ先から見た時の視角がちょうど1ミリラジアンになるため、砲兵が弾道計算に用いるのに都合が良い。

歩兵ミル †

ヤード・ポンド法で計算するため、幅1ヤードの物体を1000ヤード先から見た時の視角を1ミルとする場合もある。
この定義は特に「歩兵ミル」と呼び、この文脈ではメートル法に準拠したミル単位を「砲兵ミル」と呼んで区別する。