Last-modified: 2018-01-31 (水) 23:42:48 (235d)

【ミラージュF1】(みらーじゅえふわん)

Dassult Mirage F1.
ミラージュ3の後継機として登場したフランス製戦闘機
1960年代に開発がスタートし、当初は「ミラージュ3F」と呼ばれていたが、徐々に簡略化され、最終的に「ミラージュF1」となる。
機内燃料搭載量・総重量・離着陸滑走距離他、すべての面で当時現役のミラージュ3を上回っており、後にフランス軍の主力戦闘機として採用された。

特に兵装面は大幅に強化されており、固定武装にはDEFA553 30mm機関砲を搭載する。
パイロンには各種空対空ミサイルR-550「マジック1/2」R-530)・空対地ロケット弾通常爆弾及びベルーガ収束爆弾等、最大6,300kgの兵装を搭載可能。
レーダー(初期のC型)は、トムソン-CSF製シラノIVモノパルスレーダーを搭載しているが悪天候では能力が低下する。
タイプによっては他にAM-39「エグソゼ」ASMAIM-9J「サイドワインダー」AAMマトラ・アルマ?対レーダーミサイルAS-30?空対地ミサイル・イスラエル製通常爆弾も搭載可能という事が確認されているが、輸出型については性能等いまだ不明な点が多い。

実戦では、アンゴラ紛争で南アフリカ軍がアンゴラ軍のMiG-21「フィッシュベット」を少なくとも1機撃墜し、イラン・イラク戦争でイラク軍が少なくともイラン軍のF-14A「トムキャット」1機およびF-4数機を撃墜している。
他にも、1980年代のチャド内戦への介入でフランス軍とリビア軍が同機種同士で交戦したほか、1995年のセネパ紛争ではエクアドル空軍機がペルーのSu-22Aと交戦し少なくとも1機を撃墜している。

スペックデータ

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長15.30m
全高4.50m
全幅8.40m/9.32m(主翼端AAM含む)
翼面積25.0
空虚重量7,400kg
離陸重量
(通常/最大)
10,900kg/16.200kg
最大兵装搭載量6,300kg
エンジンSNECMA アター9K-50ターボジェット×1基
推力49.03kN/70.21kN(A/B使用時)
最大速度マッハ2.2
機体内燃料搭載量4,600リットル
海面上昇率12,780m/min
実用上昇限度20,000m
フェリー航続距離1,245nm
戦闘行動半径749nm(Hi-Lo-Hi)
固定武装DEFA553 30mm機関砲×2門
兵装
兵装搭載量胴体中央部×1基、主翼下×4基、主翼端×2基のパイロンに
6,300kgまでの兵装を搭載可能
AAMAIM-9 or R.550「マジック」×2発
シュペル530F×1発
ASMAM39「エグゾゼ」(一部タイプのみ)
爆弾類通常爆弾
BAP-100貫徹爆弾
デュランダル貫徹爆弾
「ベルーガ」クラスター爆弾
ロケット弾マトラロケット弾ポッド×8基(SENB 68mmロケット弾×18発)
その他偵察ポッド増槽


バリエーション

  • ミラージュ3F2:
    原型機。

  • ミラージュF1A:
    対地攻撃用輸出型。
    レーダーを簡素なEMD「アイーダ2」測距レーダー?に換装して、機首下面のレーザー測距儀と機首上面の折り畳み式空中給油プローブを追加。
    電子機器の削減により、内部燃料の増加とペイロード強化を行った。
    南アフリカとリビアのみ採用。

    • ミラージュF1AD:
      リビア軍に輸出された型。
      レーダーを装備していない。

    • ミラージュF1AZ:
      南アフリカ軍に輸出された型。レーダーを装備していない。
      空対空ミサイルはマジック2の代わりに国産のV3B/C「ククリ・ダータ」を使用している。

  • ミラージュF1B:
    C型の複座練習機型。
    機関砲を撤去し後席を増設、全長が30cm延長されたが燃料搭載量は減らされている。
    訓練用にダミーの空中給油プローブを追加装備可能。

    • ミラージュF1BD:
      リビア向けミラージュF1Dの輸出型。

    • ミラージュF1BE:
      スペイン向け輸出型。CE.14Aとも呼ばれる。

    • ミラージュF1BJ:
      ヨルダン向け輸出型。

    • ミラージュF1BK:
      クウェート向け輸出型。

  • ミラージュF1BK-2:
    クウェート向け複座マルチロール型。
    性能はミラージュF1D1に準ずる。

    • ミラージュF1BQ:
      イラク向け複座練習機型。
      一部の機体はダミーの空中給油プローブを装備している。

  • ミラージュF1C:
    フランス軍で使用されている初期量産型。
    トムソンCFS社製「シラノ4」モノパルスレーダーを搭載。

    • ミラージュF1CE:
      スペイン向け輸出型。C.14Aとも呼ばれた。
      空対空ミサイルはマジック2の代わりにAIM-9J「サイドワインダー」を使用している。

    • ミラージュF1CG:
      ギリシャ軍に輸出された型。性能はC型とほぼ同じ。

    • ミラージュF1CH:
      モロッコ向け輸出型。

    • ミラージュF1CJ:
      ヨルダン向け輸出型。性能はC型とほぼ同じ。

    • ミラージュF1CK:
      クウェート向け輸出型。
      後にCK-2基準にアップグレードされた。

    • ミラージュF1CK-2:
      クウェート向けマルチロール型。性能はミラージュF1Eに準ずる。

    • ミラージュF1CZ:
      南アフリカ向け輸出型。
      レーダーが追加装備された。

    • ミラージュF1ED:
      リビア向け輸出型。

    • ミラージュF1C-200:
      C型に空中給油プローブを追加装備した型。
      配管を通すため機首が7cm延長されている。

    • ミラージュF1CT:
      余剰化したC型/C-200型の対地攻撃用改良型。
      コックピット周辺が完全に一新され、レーザー測距装置を追加、主翼構造を強化して外側にハードポイントが増設された。

    • ミラージュF1CR-200:
      C型の偵察機型。
      レーダーを航法精度を上げたシラノIV MRに換装し、機首部の機関砲を撤去してSATSCM2400「スーパーサイクロン」赤外線ラインスキャンユニット、75mmのトムソンTRT40パノラミックカメラか150mmのトムソンTRT垂直カメラが搭載された。
      また、胴体中心線下にはトムソンCSFラファエルTH側視レーダー、ハロルド長焦点斜めカメラ、ASTAC電子偵察ポッドなどを携行できる。

  • ミラージュF1D:
    E型の複座練習機型。
    F1Eをベースにしている点以外はF1Bと同様。

    • ミラージュF1JE:
      エクアドル向け輸出型。

    • ミラージュF1DE:
      スペイン向け輸出型。

    • ミラージュF1DDA:
      カタール向け輸出型。

  • ミラージュF1E:
    輸出用戦闘攻撃機型。
    レーダーを空対地能力も持つシラノIV Mに換装し、ヘッドアップディスプレイチャフフレアディスペンサーを搭載している。

    • ミラージュF1E/M53:
      NATO向けの推力強化・戦闘攻撃機型のプラン。
      エンジンをSNECMA M53?ターボファンに換装する予定だった。

    • ミラージュF1JA:
      エグアドル向け輸出型。
      イスラエル製の通常爆弾を搭載する事が出来る。

  • ミラージュF1JE:
    JA型の複座型。
  • ミラージュF1EE:
    スペイン向け輸出型。

  • ミラージュF1EH:
    モロッコ向け輸出型。

    • ミラージュF1EH-200:
      EH型の改良型。
      空中給油プローブが追加された。

  • ミラージュF1EJ:
    ヨルダン向け輸出型。
    対地攻撃能力が向上している。

  • ミラージュF1EQ:
    イラク向け輸出型。

    • ミラージュF1EQ-2:
      イラク向け単座の制空戦闘型。

    • ミラージュF1EQ-4:
      イラク向け単座のマルチロール/対地攻撃/偵察機型。

    • ミラージュF1EQ-5:
      イラク向け単座型。
      アゲヴレーダーを搭載し対艦攻撃が可能となった。

    • ミラージュF1EQ-6:
      イラク向け単座の対艦攻撃型。

  • ミラージュF1ED:
    AD型の改良型。
    レーダーを搭載し対空・対地攻撃能力が向上した。

  • ミラージュF1EDA:
    カタール向け輸出型。偵察ポッドを搭載する事が出来る。
    EDA・DDA両型は、1990年代に全機スペイン軍に売却されている。

  • ミラージュF1M:
    スペイン空軍のミラージュF1CE/BEの近代化改修機。
    対地攻撃能力を付加した他、コックピットが暗視ゴーグル対応型になり、HOTAS概念も導入された。

  • スーパーミラージュF1:
    南アフリカ空軍のF1AZを改修したもの。エンジンをクリーモフRD-33?に換装している。
    同空軍は試作のみで終了したが、ミラージュF1の近代化改修案として国際市場でのセールスは続けられている。


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