Last-modified: 2021-05-17 (月) 18:31:26 (156d)

【ミラージュF1】(みらーじゅえふわん)

Dassult Mirage F1.

ミラージュ3の後継機として登場したフランス製戦闘機
1960年代に開発がスタートし、当初は「ミラージュ3F」と呼ばれていたが、徐々に簡略化され、最終的に「ミラージュF1」となる。
機内燃料搭載量・総重量・離着陸滑走距離他、すべての面で当時現役のミラージュ3を上回っており、後にフランス軍の主力戦闘機として採用された。

特に兵装面は大幅に強化されており、固定武装にはDEFA553 30mm機関砲を搭載する。
パイロンには各種空対空ミサイルR-550「マジック1/2」R-530)・空対地ロケット弾通常爆弾及びベルーガ収束爆弾等、最大6,300kgの兵装を搭載可能。
レーダー(初期のC型)は、トムソン-CSF製シラノIVモノパルスレーダーを搭載しているが悪天候では能力が低下する。
タイプによっては他にAM-39「エグソゼ」ASMAIM-9J「サイドワインダー」AAMマトラ・アルマ?対レーダーミサイルAS-30?空対地ミサイル・イスラエル製通常爆弾も搭載可能という事が確認されているが、輸出型については性能等いまだ不明な点が多い。

実戦では、アンゴラ紛争で南アフリカ軍がアンゴラ軍のMiG-21「フィッシュベット」を少なくとも1機撃墜し、イラン・イラク戦争でイラク軍が少なくともイラン軍のF-14A「トムキャット」1機およびF-4数機を撃墜している。
他にも、1980年代のチャド内戦への介入でフランス軍とリビア軍が同機種同士で交戦したほか、1995年のセネパ紛争ではエクアドル空軍機がペルーのSu-22Aと交戦し少なくとも1機を撃墜している。

開発国のフランスでは2014年に運用が終了しているが、輸出された一部の国ではまだ現役である。

スペックデータ

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長15.30m
全高4.50m
全幅8.40m/9.32m(主翼端AAM含む)
翼面積25.0
空虚重量7,400kg
離陸重量
(通常/最大)
10,900kg/16.200kg
最大兵装搭載量6,300kg
エンジンSNECMA アター9K-50ターボジェット×1基
推力49.03kN/70.21kN(A/B使用時)
最大速度マッハ2.2
機体内燃料搭載量4,600リットル
海面上昇率12,780m/min
実用上昇限度20,000m
フェリー航続距離1,245nm
戦闘行動半径749nm(Hi-Lo-Hi)
固定武装DEFA553 30mm機関砲×2門(弾数150発)
兵装
兵装搭載量胴体中央部×1基、主翼下×4基、主翼端×2基のパイロン
6,300kgまでの兵装を搭載可能
AAMAIM-9またはR.550「マジック」×2発
シュペル530F×1発
ASMAM39「エグゾゼ」×1発(一部タイプのみ)
AGMAS-30L×2発
爆弾類通常爆弾
BAP-100貫徹爆弾
デュランダル貫徹爆弾
「ベルーガ」クラスター爆弾
ロケット弾マトラロケット弾ポッド×8基(SENB 68mmロケット弾×18発)
その他偵察ポッドまたは増槽

ミラージュF1CR:
トムソン Omera 33/TRT-33 垂直下方撮影カメラ
トムソン Omera 40/TRT-40 パノラミックカメラ
SAT SCM2400「スーパーサイクロン」赤外線ラインスキャナー
トムソンCSF ラファエルTH 側方監視レーダー
ASTAC 電子偵察ポッド
RP35P 写真偵察ポッド
Desire 電子光学ポッド


バリエーション

  • ミラージュ3F2:
    原型機。

  • ミラージュF1A:
    対地攻撃用輸出型。
    「シラノ検レーダーを簡素なEMD「アイーダ供測距レーダー?に換装して、航法用ドップラーレーダーの追加や機首下面へのレーザー測距儀および機首上面への折り畳み式空中給油プローブを追加が行われた。
    アビオニクスコックピット後部から機首へ移設した事より、内部燃料の増加とペイロード強化を行った。
    南アフリカとリビアのみ採用。

    • ミラージュF1AD:
      リビア軍に輸出された型。

    • ミラージュF1AZ:
      南アフリカ軍に輸出された型。
      空対空ミサイルはマジック2の代わりに国産のV3B/C「ククリ・ダータ」を使用している。

  • ミラージュF1B:
    C型の複座練習機型。
    機関砲を撤去し後席を増設、全長が30cm延長されたが胴体前部の燃料タンク容量が減らされている。
    訓練用にダミーの空中給油プローブを追加装備可能。

    • ミラージュF1BD:
      リビア向けミラージュF1Dの輸出型。

    • ミラージュF1BE:
      スペイン向け輸出型。スペイン空軍ではCE.14Aと呼称。

    • ミラージュF1BJ:
      ヨルダン向け輸出型。

    • ミラージュF1BK:
      クウェート向け輸出型。

  • ミラージュF1BK-2:
    クウェート向け多用途型。
    性能はミラージュF1D1に準ずる。

    • ミラージュF1BQ:
      イラク向け複座練習機型。
      一部の機体はダミーの空中給油プローブを装備している。

  • ミラージュF1C:
    基本型で全天候迎撃戦闘機型。
    トムソンCFS社製「シラノ検廛皀離僖襯好譟璽澄爾鯏觝棔

    • ミラージュF1CE:
      スペイン向け輸出型。スペイン空軍ではC.14Aと呼称。
      空対空ミサイルはマジック2の代わりにAIM-9J「サイドワインダー」を使用している。

    • ミラージュF1CG:
      ギリシャ軍に輸出された型。性能はC型とほぼ同じ。

    • ミラージュF1CH:
      モロッコ向け輸出型。

    • ミラージュF1CJ:
      ヨルダン向け輸出型。性能はC型とほぼ同じ。

    • ミラージュF1CK:
      クウェート向け輸出型。
      後にCK-2基準にアップグレードされた。

    • ミラージュF1CK-2:
      クウェート向け多用途型。性能はミラージュF1Eに準ずる。

    • ミラージュF1CZ:
      南アフリカ向け輸出型。
      レーダーが追加装備された。

    • ミラージュF1C-200:
      機首風防右前部に空中給油プローブを追加装備した型。
      配管を通すため機首が7cm延長されている。

    • ミラージュF1CT:
      余剰化したC型/C-200型の全天候戦闘爆撃機への改修型。
      コックピット周辺が完全に一新され、射出座席をゼロ・ゼロ射出能力を持つマーチンベイカー社製Mk.10に換装。
      ミラージュF1CRと同型の航法・攻撃システムやレーダーを搭載し、新型のレーダー警戒受信機チャフ/フレア・ディスペンサー、秘話通信装置、レーザー測距装置を追加。
      主翼構造を強化して外側にハードポイントが増設された。

    • ミラージュF1CR-200:
      戦術偵察機型。ミラージュF1C-200ベース。
      レーダーをグラウンドマッピング/コンターマッピングモジュールを追加装備した「シラノM-R」に換装し、高精度の航法・攻撃・偵察システム(SNAR*1)を搭載。
      機首下面に偵察用カメラ窓が設置され、赤外線スキャナーの搭載スペースを確保するために左舷側の機関砲が撤去された。

  • ミラージュF1D:
    E型の複座練習機型。
    F1Eをベースにしている点以外はF1Bと同様。

    • ミラージュF1JE:
      エクアドル向け輸出型。

    • ミラージュF1DDA:
      カタール向け輸出型。

  • ミラージュF1E:
    輸出用戦闘攻撃機型。
    レーダーを空対地能力も持つ「シラノM」に換装し、ヘッドアップディスプレイチャフフレアディスペンサーを搭載している。

    • ミラージュF1JA:
      エグアドル向け輸出型。
      イスラエル製の通常爆弾を搭載する事が出来る。

  • ミラージュF1JE:
    JA型の複座型。
  • ミラージュF1EE:
    スペイン向け輸出型。

  • ミラージュF1EH:
    モロッコ向け輸出型。

  • ミラージュF1EJ:
    ヨルダン向け輸出型。
    対地攻撃能力が向上している。

  • ミラージュF1EQ:
    イラク向け輸出型。

    • ミラージュF1EQ-2:
      イラク向け制空戦闘型。

    • ミラージュF1EQ-4:
      イラク向けマルチロール/対地攻撃/偵察機型。

    • ミラージュF1EQ-5:
      イラク向け対艦攻撃型。「アゲヴ」レーダーを搭載。

    • ミラージュF1EQ-6:
      イラク向け対艦攻撃型。

  • ミラージュF1ED:
    AD型の改良型。
    レーダーを搭載し対空・対地攻撃能力が向上した。

  • ミラージュF1EDA:
    カタール向け輸出型。偵察ポッドを搭載する事が出来る。
    EDA・DDA両型は、1990年代に全機スペイン軍に売却されている。

  • ミラージュF1 M53:
    NATO向けの推力強化・戦闘攻撃機型のプラン。E型ベース。
    エンジンをSNECMA? M53?ターボファンに換装する予定だった。
    NATOにおけるF-104Gの後継戦闘機候補として開発されたが、F-16に敗れた。

  • ミラージュF1M:
    スペイン空軍のミラージュF1CE/BEの近代化改修型。
    レーダーを「シラノ-M」規格に改修し、洋上捜索モードと空対地測距モードを追加した他、コックピットがHUD対応型になり、HOTAS概念も導入された。

  • スーパーミラージュF1:
    南アフリカ空軍のF1AZの改修型。エンジンをクリーモフRD-33?に換装している。
    同空軍は試作のみで終了したが、ミラージュF1の近代化改修案として国際市場でのセールスは続けられている。


*1 Système de Navigation et d’Attaque et de Reconnaissance.

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