Last-modified: 2018-02-01 (木) 20:58:07 (111d)

【ミラージュ5】(みらーじゅご)

Dassult Mirage .
フランスのダッソー社が、1960年代に同社製のミラージュ3Eをベースに開発した戦闘攻撃機
ミラージュ3との違いとしては、火器管制レーダーなどの電子機器を軽量・簡易なものに変更したため全天候能力を持たない事や燃料容量やパイロンの増加などといった点が挙げられる。

同機は元々、イスラエル向けに開発された機体だったが、第三次中東戦争を契機とした国策方針の転換*1から輸出が取りやめられ、フランス空軍で運用される事となった。*2

本機は、ローンチカスタマーとなったフランス空軍など多くの国では既に退役しているが、現在でも南米諸国やアフリカ諸国を中心に、近代化改修を受けながら第一線で運用されている。
特にパキスタンは、世界各地で退役した機体を大量に入手しており、ミラージュIIIを含めて150機以上を保有している。

派生型として、エンジンをアター09K-50に換装したミラージュ50があったが、こちらはすべて退役している。

スペックデータ

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長15.55m
全高4.50m
全幅8.22m
翼面積35.0
空虚重量7,150kg
離陸重量
(通常/最大)
9,900kg/13,700kg
最大兵装搭載量4,000kg
エンジンSNECMA アター9Cターボジェット×1基
推力41.97kN/60.80kN(A/B使用時)
速度
(最大/巡航)
マッハ2.2/516kt
海面上昇率11,160m/min
実用上昇限度18,000m
戦闘行動半径675nm(Hi-Lo-Hi)
固定武装DEFA552 30mm機関砲×2門
兵装
AAMマトラR.550「マジック」 or AIM-9「サイドワインダー」×2発
ASMAM39「エグゾセ」
爆弾類225kg爆弾
400kg爆弾
「ベルーガ」クラスター爆弾
ロケット弾マトラJL-100ロケットパック/ドロップタンク
(SNEB 68mmロケット弾ポッド×19基または66ガロン(250リットル)増槽
その他偵察ポッド


バリエーション

ミラージュ5シリーズ

  • ミラージュ5:
    原型機。

  • ミラージュ5A:
    標準型。

    • ミラージュ5AD:
      UAE向け輸出型。

    • ミラージュ5EAD:
      UAE向け戦闘爆撃機型。

    • ミラージュ5BA:
      ベルギー向け単座型。
      アメリカ製のアビオニクスを搭載する。

    • ミラージュ5COA:
      コロンビア向け輸出型。

      • ミラージュ5COAM/CODM:
        コロンビアの近代化改修型。
        クフィルとほぼ同仕様に改修されている。

    • ミラージュ5D:
      リビア向け輸出型。

      • ミラージュ5DE:
        5Dのレーダー搭載モデル。

    • ミラージュ5F:
      フランス空軍向けの単座攻撃機型。
      もとは対イスラエル輸出用。

    • ミラージュ5G:
      ガボン向け輸出型。

      • ミラージュ5G-2:
        5Gのアップグレード型。

    • ミラージュ5J:
      イスラエル向け輸出型。
      フランス政府による禁輸処置によりミラージュ5Fとしてフランス空軍に採用された。

    • ミラージュ5M:
      ザイール(コンゴ民主共和国)向け輸出型。

    • ミラージュ5MA/MDエルカン:
      ベルギーでMirSIP規格に改修され、チリへ輸出されたミラージュ5BA/BD等の一連の機体。

    • ミラージュ5P:
      ペルー空軍向け輸出型。

    • ミラージュ5P マラー:
      ペルーから輸入されたミラージュ5Pをアルゼンチンが改修した型。

      • ミラージュ5P3:
        ペルー向けアップグレード型。

      • ミラージュ5P4:
        ペルー向けアップグレード型。

    • ミラージュ5PA:
      パキスタン向け単座型。

      • ミラージュ5PA2:
        パキスタン空軍向け。管制レーダーを「シラノ4」に換装している。

      • ミラージュ5PA3:
        パキスタン空軍向け対艦攻撃機型。
        「アゲヴ」レーダーへの換装によりエグゾセ対艦ミサイルを運用可能。

      • ミラージュ5F ROSE II/III:
        パキスタンがフランス空軍から取得したミラージュ5Fを近代化改修した型。
        ROSEは『Retrofit Of Strike Element』の略。

    • ミラージュ5SDE:
      エジプト向け単座攻撃機型。性能はミラージュ3E相当。

      • ミラージュ5E2:
        エジプト向けのアップグレード型。

    • ミラージュ5V:
      ベネズエラ向け単座攻撃型。

  • ミラージュ5D:
    機銃を撤去した複座練習機型。

    • ミラージュ5BD:
      ベルギー向け練習機型。

    • ミラージュ5COD:
      コロンビア向け練習機型。

    • ミラージュ5DAD:
      UAE向け練習機型。

    • ミラージュ5DD:
      リビア向け練習機型。

    • ミラージュ5DG:
      ガボン向け練習機型。

    • ミラージュ5DM:
      ザイール(コンゴ民主共和国)向け練習機型。

    • ミラージュ5DP:
      ペルー向け練習機型。

      • ミラージュ5DP3:
        DP型のアップグレード型。

    • ミラージュ5DPA2:
      パキスタン向け練習機型。

    • ミラージュ5SDD:
      エジプト向け練習機型。

  • ミラージュ5E:
    電子機器をミラージュ3Eと同じタイプにした全天候型。

  • ミラージュ5R:
    偵察機型。
    機首に偵察用カメラを搭載。機銃は残されている。

    • ミラージュ5BR:
      ミラージュ5BAの偵察型。

    • ミラージュ5COR:
      コロンビア向け輸出型。

    • ミラージュ5DR:
      リビア向け輸出型。

    • ミラージュ5RAD:
      UAE向け輸出型。

    • ミラージュ5SDR:
      エジプト向け輸出型。

  • ミラン:
    スイスに提案された性能向上型。機首に折り畳み式のカナード翼を装備する。
    不採用となったが、後にミラージュ50の開発に繋がった。

ミラージュ50シリーズ

  • ミラージュ50:
    ミラージュ5Fをベースにエンジンなどを強化した性能向上型。
    シラノIVレーダーを搭載。

    • ミラージュ50C:
      チリ空軍向けの新造機。アケブレーダーを搭載。

    • ミラージュ50FC:
      旧フランス空軍のミラージュ5Fを改修した、初めてミラージュ50の名が付けられたタイプ。
      チリへ輸出された。

    • ミラージュ50DC:
      チリ空軍向け複座練習機型。

  • ミラージュ50CN/DN パンテーラ:
    チリ空軍がミラージュ50FC/C/DCをクフィルの技術で改良したもの。

  • ミラージュ50EV/DV:
    ベネスエラ向けミラージュ5DVの近代化改修型。
    シラノIV-M3レーダーと空中給油プローブ、カナード翼を装備。
    エグゾセ対艦ミサイルの運用能力を持つ。


*1 この戦争を契機として、フランスはイスラエルへの武器禁輸措置を発動した。
*2 後にイスラエルは、産業スパイが得た本機の設計データを基にリバースエンジニアリングした「ネシェル」を生産した。
  同機はクフィルの登場後、中古機がアルゼンチンに輸出され、1982年のフォークランド紛争にも参加した。


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