Last-modified: 2018-02-01 (木) 17:56:04 (16d)

【ミラージュ3】(みらーじゅすりー)

Dassult Mirage III.

ダッソー社が1950年代に開発し、フランス空軍に納入されたジェット戦闘機
ヨーロッパ諸国が開発した機体として、初のマッハ2級戦闘機である。
1952年から開発が開始され、1956年に初飛行した。

無尾翼デルタ翼形式を採用し、補助動力としてロケットブースターを機体下部に装備できる事が特徴である。

主な戦歴では、第三次中東戦争イスラエル空軍が使用したほか、印パ戦争、フォークランド紛争、南アフリカの対外戦争(アンゴラ侵攻、独立前のナミビアにおける対ゲリラ戦)等に投入されている。

派生機も開発され、攻撃機戦略爆撃機)型のミラージュ4ミラージュF1につながるSTOL試験機ミラージュ3F2等の他、ネシェルクフィルチーター?・パンテーラ等、他国で生産された派生機・コピー機も存在する。

開発国のフランス本国では既に退役しているが、アルゼンチンやパキスタンでは第一線機として運用されている。
特にパキスタンは各地で退役した機体を大量に入手しており、ミラージュ5を含めて150機以上を保有している。

スペックデータ

乗員1名
全長15.03m
全高4.50m
全幅8.22m
主翼面積35.0
空虚重量7,050kg
離陸重量
(通常/最大)
9,600kg/13,700kg
最大兵装搭載量4,000kg
エンジンSNECMA アター09C-IIIターボジェット×1基
補助動力SEPR844 液体燃料ロケットブースター×1基を装着可能
推力41.97kN(ドライ推力)/60.8kN(A/B使用時)(アター09C)
14.71kN(SEPR844使用時)
最高速度マッハ2.15
最大速度
(水平/巡航)
1,268kt/516kt
海面上昇率5,000m/min+
実用上昇限度11,000m
荷重制限+4.83G
航続距離2,152nm(フェリー)
戦闘行動半径647nm(Hi-Hi-Hi)
固定武装DEFA552 30mmリヴォルヴァーカノン×2基
兵装
AAMマトラ?R-530×1発+マトラマジック×2発
or
AIM-9「サイドワインダー」×2発
ARMマトラAS37
ロケット弾マトラJL-100 ドロップタンク/ロケットパック×2基
(SNEB 68mmロケット弾×19発、66USガロン(250リットル)増槽
爆弾類/その他通常爆弾、AN52核爆弾
その他偵察ポッド、増槽
アビオニクスシラノ-I 火器管制レーダー


バリエーション

ここではミラージュ3のバリエーションのみを表記する。
ミラージュ4ミラージュ5のバリエーションは該当項目を参照。

  • M.D.550 ミステール・デルタ:
    デルタ翼迎撃戦闘機のプロトタイプ。
    エンジンはMD.30(アームストロング・シドレー バイパー)ターボジェット(推力7.35kN)を双発で搭載。

  • ミラージュ1:
    M.D.550の小改正モデル。
    エンジンはMD.30Rターボジェット(推力9.61kN)を双発で搭載し、補助ロケットとしてSEPR 66ロケットブースター(推力15kN)を装備可能。

    • ミラージュ2:
      ミラージュ1の拡大モデル。
      エンジンはチュルボメカ「ガビゾ」ターボジェットを双発で装備。

  • ミラージュ3-001:
    試作型。
    エンジンはアター101G1(推力44.12kN)を装備。
    後にアター101G-2(43.15kN)に換装され、SEPR66 補助ロケットモーターが装備された。

  • ミラージュ3A:
    初期生産型。
    エンジンはアター09Bを装備。

  • ミラージュ3B:
    レーダーを省いた複座練習機型。

    • ミラージュ3B-1:
      試験機型。

    • ミラージュ3B-2(RV):
      機首にダミーの空中給油プローブを装備した空中給油訓練型。

    • ミラージュ3BE:
      フランス空軍向け複座練習機型。
      ミラージュ3Eベース。

    • ミラージュ3BJ:
      イスラエル空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3BL:
      レバノン空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3BS:
      スイス空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3BZ:
      南アフリカ空軍向け複座練習機型。

  • ミラージュ3C:
    戦闘機型の本格生産型。

    • ミラージュ3CJ:
      イスラエル空軍向け輸出型。
      電子機器が簡素化され、補助ロケットブースターを装備していない。

    • ミラージュ3CS:
      スイス空軍向け輸出型。

    • ミラージュ3CZ:
      南アフリカ向け輸出型。

    • ミラージュ3C-2:
      ミラージュ3Eのエンジンをアター09K-6に換装した型。

  • ミラージュ3D:
    E型の複座練習機型。
    オーストラリアではライセンス生産された。

    • ミラージュ3DA:
      アルゼンチン空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3DBR:
      ブラジル空軍向け複座練習機型。F-103Dとも呼ばれた。

    • ミラージュ3DE:
      スペイン空軍向け複座練習機型。CE.11とも呼ばれた。

    • ミラージュ3DP:
      パキスタン空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3DS:
      スイス空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3DV:
      ベネズエラ空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3DZ:
      南アフリカ空軍向け複座練習機型。

    • ミラージュ3D2Z:
      南アフリカ空軍向け複座練習機型。
      エンジンはアター9K-50(49.2kN(ドライ推力)/70.6kN(リヒート時))に換装しており、事実上ミラージュ50と同仕様となっていた。

  • ミラージュ3E:
    戦闘攻撃機型。
    エンジンはアター09Cに換装している。

    • ミラージュ3EA:
      アルゼンチン空軍向け。

    • ミラージュ3EBR:
      ブラジル空軍向け。F-103Eとも呼ばれた。

      • ミラージュ3EBR2:
        ブラジル空軍向けの改修型。
        カナード翼を装備。EBRも同じ仕様にアップグレードされた。

    • ミラージュ3EE:
      スペイン空軍向け。C.11とも呼ばれた。

    • ミラージュ3EL:
      レバノン空軍向け。
      ドップラーレーダーとHFアンテナが省略されている。

    • ミラージュ3EP:
      パキスタン空軍向け。

    • ミラージュ3EV:
      ベネズエラ空軍向け。ドップラーレーダーが省略されている。
      後にミラージュ50EV基準にアップグレードされた。

    • ミラージュ3EZ:
      南アフリカ空軍向け多用途戦闘機型。

  • ミラージュ3O:
    A型ベースのオーストラリア向け商戦型。
    エンジンをアター09Bからエイヴォン67に変更している。
    エンジンは、パフォーマンス不足で不採用。

    • ミラージュ3O(A):
      E型ベースのオーストラリア向け戦闘攻撃機型。

    • ミラージュ3O(D):
      D型ベースのオーストラリア向け複座練習機型。

    • ミラージュ3O(F):
      E型ベースのオーストラリア向け要撃機型。
      後にO(A)へ改修。

    • ミラージュ3O ROSE機
      パキスタンがオーストラリア空軍から取得したO(F)型を近代化改修した型。
      ROSEは『Retrofit Of Strike Element』の略。

  • ミラージュ3R:
    偵察機型。
    機首に光学カメラ5台を装備している。

    • ミラージュ3RD:
      R型の全天候型。偵察ポッドを装備。

    • ミラージュ3RJ:
      イスラエル空軍向け全天候偵察機型。
      ミラージュ3CZから改装。

    • ミラージュ3RP:
      パキスタン空軍向け輸出型。

    • ミラージュ3RS:
      スイス空軍向け輸出型。

    • ミラージュ3RZ:
      南アフリカ空軍向け輸出型。

    • ミラージュ3R2Z:
      南アフリカ空軍向けの偵察機型。
      ミラージュ3D2Zと同様エンジンはアター9K-50に換装している。

  • ミラージュ3S:
    C型のスイス向け性能向上型。
    アメリカ製TARANレーダーを搭載し、機体構造やブレーキを強化している。
    エンジンや胴体はE型に準ずる。
    HM-55(AIM-26の通常弾頭型)、AIM-9B、AS30空対地ミサイルの運用能力を付与。

  • ミラージュ3T:
    アメリカ製エンジン試験機。
    初期は亜音速P&W/SNECMA TF104(推力46.7–61.8kN)を装備。
    後に超音速P&W/SNECMA TF106(推力51.96–74.53kN)に換装している。

  • ミラージュ3NG(ミラージュ3X):
    ミラージュ50の成果を反映し、フライバイワイヤーカナード翼を装備した新世代型。
    ミラージュ2000の廉価版として提案されたが、不採用。

  • ミラージュ3EX:
    ミラージュ3NGの輸出型。
    改造キットとして採用され、ブラジルとベネズエラが改修に使用した。

  • バルザックV:
    VTOL試験機。
    エンジンはリフト用にロールス・ロイス RB.108を8基、推進用としてブリストル・シドレーオーフュース1基を装備している。

  • ミラージュ3V:
    バルザックVを大型化し、ミラージュ3Tのエンジンを搭載したVTOL試験機。
    エンジンはリフト用にロールス・ロイス RB.162を8基、推進用としてスネクマTF106*1を1基装備している。

  • ミラージュ3F2:
    デルタ翼から、後退翼に変更した複座STOL試験機。
    ミラージュF1の原型となった。

  • ミラージュ3F3:
    単座STOL試験機。
    可変翼ミラージュG?への計画変更により、キャンセル。

  • ミラージュ3K:
    イギリス向け輸出型。
    エンジンはロールス・ロイス スペイを搭載。計画のみ。

  • ミラージュ3M:
    海軍型。計画のみ。

  • ミラージュ3W:
    アメリカ向け軽戦闘機型。計画のみ。

  • ミラージュ4
    ミラージュ3を大型化した核兵器爆撃機型。詳しくは項を参照。

  • クフィル
    イスラエルによる性能向上型。詳しくは項を参照。

  • チーター?
    クフィルの技術を使用した南アフリカ向け性能向上型。詳しくは項を参照。


*1 P&WTF30(JTF10)を改良しライセンス生産したもの。

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