Last-modified: 2021-01-23 (土) 13:00:39 (868d)
【ミステル】 †
Mistel.
第二次世界大戦後期、ドイツ空軍が開発した無人爆撃機(特攻機)。
「ミステル」とは「宿り木」を意味する。
機体は既存の双発爆撃機(ユンカース Ju88)と単発戦闘機(Bf109またはFw190)をベースに改造したもので、機首に1.7トンの大型爆弾を埋め込んだ爆撃機の機体上部に戦闘機を接続した形態をしていた。
パイロットは戦闘機側に乗り込み、戦闘機・爆撃機双方の操縦系統を一人で操って目標まで飛行する。
そして目標に接近後、爆撃機を分離。爆撃機は一種の滑空爆弾となり、自動操縦で目標へ突入してこれを破壊する*1。
一方、パイロットの乗る戦闘機は、分離した爆撃機が目標へ突入するのを見届ければ帰還・再出撃が可能であった。
終戦までに250機以上のJu88が改造され、1944年から実戦に投入されたが、その頃には既に連合国軍航空部隊が圧倒的な航空優勢を手にしており、運動性の悪い同機は発見されれば格好の餌になった。
また更に、「滑空爆弾」となった爆撃機の搭載爆弾も攻撃力はそれほど大きくなく、成果のほどは期待はずれだった。
厚さ7mmの装甲板を貫通できる成形炸薬弾が搭載され、特に艦船への攻撃に有効であると考えられていたが、高価な大型爆撃機を潰して得られる戦果が「当たりどころがよければ戦車1台」というのは、コスト・パフォーマンスの面できわめて効率の悪いものであった。
バリエーション †
※左側が空中発射される無人機(子機)、右側が有人機(親機)。
- ミステル1:
ユンカース Ju88A-4? / メッサーシュミット Bf109A-4。
- ミステルS1:
ミステル1の練習機型。
Ju88A-4も通常の有人型が使用されている。
- ミステル2:
ユンカース Ju88G-1 / フォッケウルフ? Fw190A-8/F-8「ヴュルガー」。
- ミステルS2:
ミステル2の練習機型。
Ju88G-1も通常の有人型が使用されている。
- ミステル3A:
ユンカース Ju88A-4 / フォッケウルフ Fw190A-8。
- ミステルS3A:
ミステル3Aの練習機型。
- ミステル3B:
ユンカース Ju88H-4 / フォッケウルフ Fw190A-8。
- ミステル3C:
ユンカース Ju88G-10 / フォッケウルフ Fw190F-8。
- ミステル4:
ユンカース Ju287? / メッサーシュミット Me262「シュヴァルベ」。
- ミステル5:
アラド? E.377 / ハインケル? He162?。
- ペーパープランのみの組み合わせ
- 有人機同士の組み合わせ
- アラド E.381 / アラド Ar234C:
有人の小型航空機 アラド E.381を親機のAr234Cから発射するプロジェクト(寄生戦闘機)。
- リピッシュ DM1 / ジーベル Si204:
リピッシュ P.13a(ラムジェット搭載デルタ翼迎撃機)開発用のグライダー実験機DM1を親機のジーベル Si204に搭載したもの。
- DFS 228 / ドルニエ? Do217?:
DFS 228の実験用グライダー機をDo217に搭載したもの。
- DFS 346 / ドルニエ Do217
- メッサーシュミット Me328? / ドルニエ Do217:
Me328の実験用グライダー機をDo217に搭載したもの。
- アラド E.381 / アラド Ar234C: