Last-modified: 2022-10-14 (金) 20:59:17 (52d)

【ミサイル万能論】(みさいるばんのうろん)

米ソ冷戦初期〜中期である1950年代〜1960年代にかけて、世界的に広まった軍事思想
ミサイル技術の発達により、やがて全ての火砲は誘導兵器に置き換えられるだろう、という予測。

この時代、ほとんどの兵器設計はミサイルの運用を前提として行われ、全体的に既存の火砲は軽視される傾向にあった。
実際に、機関砲を搭載しない戦闘機艦載砲を持たない戦闘艦などが1950年代から相次いで登場している。

なお、その次世代兵器は再び戦闘機機関砲を、戦闘艦機関砲速射砲を備えている。
ミサイルドッグファイトで常用できるほど軽量ではなく、手漕ぎボート相手に撃ち込んで良いほど安価でもなかった。

後世の観点からの一般論は、運用教則が確立されていない黎明期にありがちな希望的観測であった、というものである。
実際に当時のミサイルが万能でなかった事は、後のベトナム戦争戦訓によって判明した。

根本的に、ミサイルは砲弾よりも重く、高価で、そして当時は技術上の問題から信頼性が低い兵器であった。
的確に運用されたミサイルは多大な戦果を挙げた反面、理想的な運用が出来ない状況も頻出した。

例えば、ベトナム戦争初期のアメリカの交戦規定は、敵機を視認するまでミサイル発射を禁じていた。
結果、空戦において目視外射程からのBVRAAMによる奇襲は不可能となり、ドッグファイトに巻き込まれれば機関砲を敵機に撃ち込まれて撃墜される事例が相次いだ。

しかし2000年代以降、戦訓の蓄積とコンピュータ技術の発達により、ミサイルは徐々に万能性を増しつつある。

現代の戦闘機の基本戦法は目視外射程からのミサイル攻撃であり、実際にF-35A/Bや殲撃20など基本的に機関砲を搭載しない戦闘機が再び登場した。
一方で世界的なステルス技術の発展から、不意の遭遇によって機関砲の必要性が高いドッグファイトが発生する可能性も指摘されている。


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