Last-modified: 2022-07-09 (土) 22:20:22 (449d)
【マーク1】 †
第一次世界大戦で登場した、世界で最初の戦車。
第一次世界大戦において、イギリス・ドイツ両軍は不毛な塹壕戦に陥り、戦線が膠着。
これを打破するため、イギリス軍は機関銃を装甲で防いで強引に塹壕を突破する突撃兵器「陸上戦艦」を着想。
「リトル・ウイリー」とその派生型「ビッグ・ウイリー」と呼ばれる2両の試作車が作られた後、1916年3月にマーク1戦車として制式採用された。
不必要なほど巨大で剥き出しの履帯*1など、後世の設計思想で否定された特色が多く、現代の戦車とは風貌が異なる。
車体側面に1門ずつ、計2門の砲架を備え、これに6ポンド砲を搭載したオス型と、機関銃3挺(計6挺)を装備したメス型が作られた。
完成後、ソンム会戦で始めて実戦投入された。
巨大な兵器はドイツ軍を驚かせたものの、投入数が少なく、故障も多発したため決定的な戦果とはならなかった。
また、機動力が不十分なため野砲に狙い撃たれて次々と撃破され、イギリス軍に大損害を与える結果となった。
しかし、兵器としての基本的な設計コンセプトは実戦証明され、改良型が次々と開発されることとなった。
なお、戦車を表す「タンク(水槽)」という呼称は、本車の開発計画をスパイから隠すために「飲料水を運ぶ車」と詐称していた事に由来するという*2。
スペックデータ †
乗員 | 8名 (操縦手2名(操縦手1名、ブレーキ手1名(車長が兼任))、ギアーズマン(変速手)2名、 砲手/機関銃手4名) |
全長 | 9.94m |
全高 | 2.44m |
全幅 | 4.33m(メス型) |
重量 | 28.4t(オス型) 27.4t(メス型) |
エンジン | デイムラー ナイト スリーブバルブ式16,000cc水冷直列6気筒ガソリンエンジン (出力105hp) |
行動距離 | 23.6マイル |
出力重量比 | 約3.8hp/t |
装甲 | 6〜12mm |
武装 | |
オス型 | オチキス QF 40口径6ポンド(57mm)砲×2門 オチキスM1909 7.7mm空冷式軽機関銃×3挺 |
メス型 | ヴィッカース.303(7.7mm)水冷式重機関銃×4挺 オチキスM1909 7.7mm空冷式軽機関銃×1挺 |