Last-modified: 2017-04-02 (日) 09:40:43 (258d)

【ベル47】(べるよんじゅうなな)

Bell 47.

アメリカのベル・ヘリコプター社が、1940〜1970年代に開発・生産したレシプロヘリコプター
民間用ヘリコプターの初期のベストセラー機として知られた。

1945年12月8日に原型機が初飛行。1947年から生産が開始され、イタリアや日本(詳細は後述)、英国でもライセンス生産され、1976年の生産終了*1までに約5,600機が生産された。
また、アメリカ軍にも「R-13『スー』*2」として採用され、同盟各国の軍隊にも配備された。

初期量産型の47D(H-13B)はサイドバイサイドの複座で、初めてバブルキャノピーを採用した機体でもあったが、エンジンの出力不足で、人員2人を運ぶのがやっとだった。
しかし、改良型の47D-1(H-13D)ではキャビンを改良して3人乗りとし、ランディングスキッドと腹びれをつけた他、重量軽減のためにテイルブームを骨組みだけの形状とし、初期のヘリコプターのイメージを確立した。

その後、47G-2(H-13H)ではエンジン出力を強化し、それまで木製だったローターを金属製に改良。
47G-3B型では更にエンジン出力を強化し、人員の他に荷物も運べるようになり、航続距離も伸びた。
後期型の47H、47Jでは通常のキャノピーにモノコック構造のテイルブームとなった。

日本での生産と運用

日本での本機は、1953年、保安庁警備隊(後の海上自衛隊)に初めて採用され、その後保安隊(後の陸上自衛隊)にも採用された。
陸上自衛隊では47D-1を「H-13E*3」として6機採用し、次いで川崎重工業によりライセンス生産されたH-13H*4を75機、さらに川崎が独自改良したH-13KHを1966年までに19機採用し、練習・連絡・観測ヘリコプター「ひばり」として1982年まで使用した。

川崎では47Gの他、ローターを全金属製にし、エンジン出力を250馬力に上げた47G-2Aや47G-3Bを4人乗りに改修した「KH-4」も開発・生産した。
KH-4は1962年に初飛行し、翌年に警視庁が採用して以降、陸上自衛隊や新聞社、運行事業会社に採用された他、ビルマ空軍(現在のミャンマー空軍)など海外にも輸出され、1975年までに203機が生産された。

また、川崎ではKH-4をベースにリジット・ローター実験機「KHR-1」を開発し、研究・試験に用いた。
この成果を基に7人乗りの「KH-7」として生産する計画を進めていたが、第四次中東戦争にともなうオイルショックにより中断してしまった*5

現在、本機は日本ヘリコプター輸送(後の全日本空輸)で用いられていた47D-1(機体記号:JA7008)がANAグループ安全教育センターで展示保存されている*6他、警視庁広報センター*7かかみがはら航空宇宙科学博物館*8など、各地で展示保存されている。
また、学校の教材として用いられている機体もある。

スペックデータ(ベル47G-3B)

乗員1または2名
容量乗客1名または2名
全長9.63m
主ローター直径11.32m
全高2.83m
円盤面積100.8
空虚重量858kg
有用荷重482kg
最大離陸重量1,340kg
エンジンライカミングTVO-435-F1A 6気筒水平対向ピストンエンジン×1基
出力280hp(210kW)
速度
(最大/巡航)
169 km/h / 135km/h
航続距離214nmi(395km)
上昇率4.37m/s


バリエーション(カッコ内は生産・改修機数)

  • モデル47:
    社内呼称。

  • YR-13(15機):
    米陸軍での実用審査機体。
    エンジン過給器付きのフランクリンO-335-1(空冷水平対向6気筒、出力157hp)を搭載。

  • YR-13A(3機):
    米陸軍の極地用実用審査機体。

  • H-13B「スー」(65機):
    米陸軍の初期調達モデル。性能はYR-13に準ずる。

  • H-13C(15機):
    B型に機体外担架収容装置を搭載したモデル。

  • H-13D:
    フランクリンO-335-5エンジン搭載モデル。装備はH-13Cに準ずる。

  • H-13E/OH-13E:
    D型に似るが操縦席を3座にしたモデル。

  • XH-13F/ベル201:
    コンチネンタルXT51-T-3ターボシャフトを搭載した実験機。

  • H-13G/OH-13G:
    E型に水平安定板を追加し、コックピット後方の燃料タンクを左右1個ずつとしたモデル。

  • H-13H/OH-13H/UH-13H:
    ライカミングVO-435エンジン搭載モデル。

  • H-13J/UH-13J:
    G型の米空軍大統領専用機の呼称。

  • H-13K:
    G型に大直径ローターとフランクリン6VS-335エンジン(出力225hp)を搭載した試作機。

  • OH-13S:
    OH-13Hの後継モデル。操縦席は3座。

  • TH-13T:
    複座の計器操縦訓練機。

  • Model 207:
    米陸軍の武装偵察実験機。
    機外に遠隔操作の7.62mm機関銃×2挺を搭載。

  • HLT-1(10機):
    米海軍の実用審査機体。性能は陸軍のYR-13と同等。

  • HLT-2(12機):
    米海軍の初期調達モデル。

  • HLT-3(9機):
    米海軍採用モデル。性能はYR-13Aに準ずる。

  • HLT-4/TH-13L:
    HLT-3の小改良モデル。

  • HLT-5:
    陸軍のH-13Dに準ずるモデル。

  • HLT-6/TH-13M:
    陸軍のH-13Gに準ずるモデル。

  • HLT-7/TH-13N:
    陸軍のTH-13Tに準ずるモデル。

  • HUL-1/UH-13P:
    砕氷艦などに搭載する極地用モデル。


*1 ベル社本体では1973年に生産を終了している。
*2 後に「H-13」→「OH/UH-13」と改称。
*3 同名だが、アメリカ軍のものとは異なる型。
*4 ただし、オリジナルと違ってローターは木製だった。
*5 計画自体はその後、ドイツのMBB社との共同開発機「BK117」に発展した。
*6 以前は東京の交通博物館で展示されていた。
*7 47G-2型。機体記号:JA7047。
*8 KH-4型。機体記号:JA7110。

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