Last-modified: 2023-10-07 (土) 10:25:17 (59d)
【ビジネスクラス】 †
Business Class.
旅客機の客席グレードのひとつで、エコノミークラスの上位、ファーストクラスの下位に属するもの。
航空券や時刻表では「C」という略符号*1で表される。
その名の通り、企業の管理職などがビジネスのために移動する際に利用する事が多い。
しかし、近年では旅行代理店などが追加料金プランとしてビジネスクラスの席を用意する事もある。
また、マイレージサービスでも「エコノミークラスの料金でビジネスクラスを利用できる」特典を設ける事がある。
予約の受付過剰が発生した場合、エコノミークラスの空席がなければビジネスクラスを割り当てる事もある。
航空券は座席指定制(または定員制の自由席)であり*2、出発時間を指定されるため、急病・急用・遅延などの理由による予約取り消しがしばしば発生する。
航空会社はそうしたキャンセルの発生を見越して予約を受け付けるため、状況によっては座席が不足する事がある。
顧客の支払い額に応じたサービスを保証する必要性から、予約過剰に備えた空席は上級グレードで確保されるのが原則。
なお、そうした代替座席は単に座席が違うだけで、サービスの質は原則として顧客が支払った料金に準ずる。
顧客の大半が個人であるため団体割引がほとんど為されず、航空会社の利益率が高い。
このため航空便の主力商品であり、各社とも3〜5年に一度は座席やサービスメニューの見直しを行っている。
なかには、差別化が困難なほどサービスの質を高めてファーストクラスを廃止した航空会社もある。
また、エコノミークラスとの格差が広くなりすぎたため中間グレード(「プレミアムエコノミー」など)を新たに設定した航空会社も出てきている。
主なサービス内容 †
- 広幅(JR特急列車のグリーン車よりも広い)で、ベッド代わりに使えるほどリクライニングする座席
- 市内〜空港での専用送迎ハイヤー利用
- 専用チェックインカウンター、セキュリティゲートの利用
- 出発地・経由地空港での専用ラウンジ利用権
- 搭乗時の優先扱い
- 搭乗時のウエルカム・ドリンク提供
- 機内食のグレードアップ
メニューの選択数が多くなり*3、食材の質も上がる。
宗教や思想・信条、医療上の理由で食事に配慮が必要な顧客には、事前申込により特別食が提供される。 - 軽食・ケーキ・アイスクリームなどの無料提供(航空会社・路線による)
- バーコーナー提供(長距離路線の場合)
- マイレージサービスの割増マイル加算
- 機内に持ち込める手荷物の重量制限緩和・到着地での優先受取・自宅〜空港間の無料配送
- スリッパ・アイマスク・化粧道具などの専用アメニティセット提供
*1 この略符号の由来は、パンアメリカン航空が世界で最初にこのグレードの座席を導入した際に「クリッパークラス(Clipper Class)」と呼んでいたことに由来する。
*2 これはロードマスター(普通の旅客機ではフライトアテンダントがこれを兼ねている)による管理上必要なことでもある。
*3 エコノミークラスで選べるメニューは二・三種類程度だが、それよりも選択肢が多くなる。