Last-modified: 2021-08-17 (火) 22:57:52 (35d)

【ビゲン】(びげん)

SAAB37"Viggen". (スウェーデン語で「雷光」の意)

スウェーデンのサーブ社が、ドラケンの後継機として開発したマルチロールファイター

中立外交を掲げる(先制攻撃ができないため国内が戦場となる)スウェーデンの政策上、抗堪性を重視する思想で設計された。
掩蔽壕への収納する事を考慮し、垂直尾翼が折りたたみ式になっている。

また、滑走路の損壊に備え、500メートルの直線道路があれば離着陸できるSTOL性能が要求された。
低速から高い揚力を生じるクロースカップルドデルタや、短距離で着陸するためのスラストリバーサーが装備されている*1
ただしこれらの機構は設計思想の観点から言えば瑕疵であり、STOL性の実現に失敗する結果を招いている。

重量増加によってランディングギアの接地圧も増加し、一般的な公道を損壊させて転倒を招くほどの圧力に達していた。

設計段階では輸出も目論まれていたが、スウェーデンの国情を念頭に置いた極端な性能の他、スウェーデン政府が非民主化諸国に対する兵器輸出を比較的厳しく制限したことや大国(特にアメリカ)からの強い外交圧力などのため商談に失敗し、スウェーデンでしか運用されなかった。
こうした経緯を経て、後継機のグリペンは軽量化・さらなる多用途化・輸出の促進などの課題を課される事となった。

スペックデータ

AJ37
乗員1名
全長16.4m(機首プローブ含む)
全高5.6m
翼幅10.6m
翼面積46.0屐兵舁磧/6.2屐カナード翼
空虚重量11,800kg
最大離陸重量20,450kg
最大兵装搭載量6,000kg
エンジンスヴェンスカ・フリグモーター*2 RM8A?低バイパス比ターボファン×1基
推力72.1kN/125.0kN(A/B使用時)
最高速度
(高空/低空)
マッハ2.0+/マッハ1.2
航続距離2,000 km
実用上昇限度18,000m
戦闘行動半径539nm(Hi-Lo-Hi)/270nm(Lo-Lo-Lo)
固定武装エリコンKCA 30mm機関砲×1門(装弾数150発)
兵装AAMRb71ARb74Rb99
ASM/AGM:Rb04E/Rb15F(RBS-15?)、Rb05A?Rb75
爆弾類:120kg爆弾、DWS39小型弾薬ディスペンサー、ロケット弾ポッドなど


JA37
乗員1名
全長16.4m
全高5.9m
翼幅10.6m
翼面積46屐兵舁磧/6.2屐淵ナード翼)
空虚重量9,500kg
総重量16,439kg
最大離陸重量19,274kg
最大兵装搭載量6,000kg
エンジンスヴェンスカ・フリグモーター RM8B 低バイパス比ターボファン×1基
推力72.1kN(ドライ)/125kN(A/B使用時)
最高速度
(高空/低空)
マッハ2.0+/マッハ1.2
フェリー航続距離1,820km(機体内燃料のみ)
実用上昇限度18,000m
上昇率203m/s
固定武装エリコンKCA 30mm機関砲×1門(装弾数120発)
兵装空対空ミサイルRb71A×2発、Rb74×6発、Rb99×4発(JA37D)
ロケット弾類:135mmロケット弾ポッド×4基
その他:U95 ECMポッド(JA37D)

バリエーション

多目的戦闘機をうたっているが、実際には任務別に異なる機体を使用する。

  • AJ37:
    基本型で攻撃機型。
    RM8AエンジンやPS37Aレーダーを搭載し、自律航法能力や地形追随飛行能力を持つ。
    1967年初飛行
    後にAJS37にアップグレードされた。

  • SK37:
    レーダーを搭載していない複座の機種転換訓練機型。
    後にSK37Eにアップグレードされた。

  • SF37:
    単座の写真偵察機型。
    機首に偵察用カメラのバッテリーを搭載し、偵察ポッドを搭載する。
    後にAJSF37にアップグレードされた。

  • SH37:
    単座の海洋監視機(哨戒機)型。PS-371Aレーダーを装備。
    機体はAJ37に準ずる。
    後にAJSH37にアップグレードされた。

  • サーブ37E「ユーロファイター」:
    NATO向け輸出型。F-104の後継として提案されたが採用されず。

  • サーブ37X:
    ノルウェー向け輸出型。提案のみ。

  • JA37:
    単座の全天候迎撃戦闘機型。
    垂直尾翼を大型化し、エンジンをボルボ?RM8AからRM8Bに強化している。
    レーダールックダウン能力を持つLMエリクソンDAXとなり、固定武装としてエリコン?KCA 30mm機関砲を備える
    1977年初飛行。

  • AJS/AJSF/AJSH37:
    AJ/SF/SH37のアップグレード型。
    アビオニクスとソフトウェアのアップグレードが施された。

  • JA37C/D:
    JA37のアビオニクスとソフトウェアをアップグレードした型。

  • JA37DI:
    JA37Dのアビオニクスとソフトウェアをアップグレードした型。

  • SK37E:
    電子戦訓練機型。


*1 なお、アフターバーナーとスラストリバーサーの両方をもつ戦闘機攻撃機は、本機とトーネードのみである。
*2 後にボルボ・フリグモーター、現ボルボ・エアロ。

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