Last-modified: 2020-04-28 (火) 15:15:43 (145d)

【バッジシステム】(ばっじしすてむ)

Base Air Defense Ground Environment(BADGE 自動警戒管制組織).

1960年代に航空自衛隊が採用し、2000年代末まで運用していた防空管制システム。
アメリカ海軍の「海軍戦術情報システム(NTDS)」の改良型「TAWCS」をベースに、ヒューズ社により開発されたもので、アメリカ空軍SAGEに続く、世界で2番目のオンライン防空警戒管制システムでもあった。

SAGEと同様、地上のレーダーサイト早期警戒機*1未確認機を捕らえた後、これらから送信されてきた情報を基に、自動的に目標の高度・速度・予想針路などを大型コンピュータで算出、迎撃が可能な要撃機基地やSAMサイトに対してスクランブルなどの対領空侵犯措置を指示するシステムであった。
システムの中核は東京都・府中基地の「航空総隊作戦指揮所」に置かれており、各航空方面隊に置かれた「防空管制所」「防空指令所」を通じて各部隊とオンライン接続されていた。
また、アメリカ軍のシステムとも連接されており、これにより、NTDSや琉球*2・韓国の防空システムとも連接されていた。

1980年代に大幅な機能向上の改良が行われて「BADGE改」となったが、2009年に後継の「JADGE(ジャッジ)(Japan Aerospace Defense Ground Environment)システム」に換装されて役目を終えている。

主要構成機材・機能

  • RTS-レーダー追尾装置:
    防空監視所(SS)に設置され、捜索・測高レーダーからの情報を集中処理する。
    算出された目標情報は、地対地データリンクを介して防空指令所(DC)・防空管制所(CC)に伝送される。

  • H-330B要撃計算機:
    DCに設置される大型の汎用コンピュータで、要撃諸元の計算伝送、フライトプランの挿入による自動的な各種情報の処理を行う。

  • H-3118情報処理計算機:
    CCに設置された。
    H-330B要撃計算機とは異なり、基本的には目標情報・兵器待機状況等の表示に特化しており、連接されるコンソールも指揮用のもののみである。

  • HC-270地対地データリンク
    SS・DC・CC間を結ぶ高速データ伝送装置。

  • 地対空データリンク:
    要撃管制に必要な誘導諸元を自動的にパイロットに指示するための地上装置。
    UHF帯の時分割データリンク(Time Division Data Link, TDDL)を利用している。
    要撃機ではF-104Jより対応し、機上端末としてF-4EJではARR-670が搭載された。

BADGE改

改修点は以下の通り。

  • 総合的C4Iシステムへの発展
    • 指揮統制機能(CCIS):作戦計画の作成や作戦現況表示などの処理を自動化。
    • 通信回線統制機能(LCCM):通信網のモニターや代替通信ルートの設定の円滑化。

  • 全般的な性能向上
    • 戦術情報処理装置の処理能力向上。
    • マン・マシン・インターフェースの改良。
    • 地上固定回線の光ファイバー化。

  • 構成の拡張・効率化
    • 防空司令所(DC)と防空管制所(CC)を防空指揮所(DC)として統合し、作戦指揮と防空管制を一本化。
    • 航空幕僚監部作戦室(ASOOC)、航空団戦闘指揮所(WOC)、高射群戦闘指揮所(GOC)のシステム加入。
    • 南西航空警戒管制隊の本格的システム加入。那覇に4ヶ所目の防空指揮所(DC)が設置された。
    • 航空方面隊のどのDCを介してでも直接に要撃管制が行えるようになった。

  • 新型機への対応
    • E-2C早期警戒機と防空指揮所(DC)とのデータリンク連接。BADGEで本来使われるTDDLではなくリンク11によるものである。
    • F-15戦闘機への対応。F-15J側にJ/ASW-10機上データリンク装置が搭載されている。


*1 稼働開始当初、空自には未導入。1976年のベレンコ中尉亡命事件を契機にE-2、1990年代にE-767AWACSが導入された。
*2 稼働開始当初はアメリカの施政権下にあった。1972年の日本への返還に伴って統合。

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