Last-modified: 2022-06-03 (金) 07:07:55 (22d)

【ニムロッド(哨戒機)】(にむろっど(しょうかいき))

Hawker Siddeley/BAe Nimrod.

かつて、英国空軍が運用していた哨戒機/電子戦機
従来使用していたアブロ「シャクルトン?」の後継として、世界初のジェット旅客機コメット」をベースに開発された。

1950年代、NATO共同哨戒機プロジェクトから離脱した英国が、NATO各国が採用した「アトランティック?」の採用を防ぐため、ペーパープランだった「HS.800*1」のシステムをコメットの機体に搭載する形で「HS.801」として採用された。
エンジンは、原型の「エイヴォンターボジェットからロールス・ロイス?スペイターボファンに換装されている。
電子装置については経費削減のためにシャクルトン?に搭載されていた物を流用している。

本機は1966年に生産が開始され、64機が生産。21世紀に入るまで対潜哨戒やELINTに従事した。
その後、21世紀に入ってエンジンの更新・グラスコックピット*2など近代化改装した「MRA.4」が計画されたが、原設計が1940年代と古い機体であり、改装するための金の壁に直面して計画は中止。
結局、本機は2011年に全機が退役した。

その後、英国空軍は哨戒機の独自調達を断念し、アメリカ製のP-8「ポセイドン」及びRQ-4無人偵察機の採用を決めた*3

スペックデータ

MR.1
乗員12名
全長38.63m
全高9.08m
翼幅35m
空虚重量39,009kg
最大離陸重量87,090kg
エンジンロールス・ロイススペイMk.250ターボファン×4基(推力5,510kg)
最大巡航速度880km/h
フェリー航続距離9,270km
武装
AAM(自衛用)サイドワインダー
ASMハープーン
対潜兵器スティングレイ?短魚雷爆雷機雷


MR.2
乗員13名
ペイロード6,123kg
全長38.63m
全高9.4m
翼幅35m
翼面積18.307
空虚重量39,009kg
最大離陸重量87,090kg
燃料容量38,936kg
エンジンロールス・ロイス スペイターボファン×4基(出力54.1kN(12,160lbf))
最高速度930km/h
巡航速度789km/h
航続距離8,336〜9,262km
上昇限度13,411m
兵装
ハードポイント主翼下パイロンステーション2箇所と機体内ボムベイに最大9,100kgまでの兵装を搭載可能
AAMAIM-9「サイドワインダー」×2発(フォークランド紛争時に搭載)
ASMノール? AS.12
マトラ? マーテル?
AGM-65「マーベリック」
AGM-84「ハープーン」
爆雷B57核爆雷(1992年まで)、WE.177A核爆雷(出力10kt)
対潜魚雷・その他Mk.46?短魚雷
スティングレイ短魚雷
機雷
ソノブイ


R.1
乗員29名
全長35.97m
全高9.07m
翼幅35m
翼型root:NACA 63A116 mod
tip:NACA 63A112 mod
エンジンロールス・ロイス スペイターボファン×4基(推力54.1kN(12,160lbf))
速度
(最高/巡航
930km/h / 789km/h
航続距離8,336〜9,262km
上昇限度13,000m
アビオニクスEKCO E.290レーダー
Delco AN/ASN-119"Carousel"慣性航法装置
SRIM 6113"Starwindow"SIGINTスイート


AEW.3
乗員12名
全長41.974m
全高10.67m
翼幅35.08m
翼面積197
空虚重量39,009kg
最大離陸重量85,185kg
エンジンロールス・ロイス RB.168-200ターボファン×4基(推力54kN(12,140lbf))
最高速度563km/h
上昇限度11,000m
アビオニクスGECマルコーニ Argus-2000ミッションシステム
・Thorn EMI「スカイマスター」Fバンドパルスドップラーレーダー
・ロラール ARI-18240/1ESMシステム
・Cossor Jubilee "Guardsman"IFF応答装置
・フェランティ FIN1012慣性航法装置


MRA.4
乗員10名
全長38.63m
全高9.45m
翼幅39m
翼面積235.8
空虚重量51,710kg
最大離陸重量105,376kg
エンジンロールス・ロイス BR710?ターボファン×4基(推力69kN(15,500lbf))
最高速度マッハ0.77(919km/h)
航続距離1,119km
上昇限度11,000m
武装
ハードポイント主翼下パイロンステーション4箇所と機体内ボムベイに最大10,000kgまでの兵装を搭載可能
AAMAIM-9「サイドワインダー」×2発
ASM/AGMAGM-65「マーベリック」
AGM-84「ハープーン」
ストームシャドウ
対潜兵器Mk.46短魚雷、スティングレイ短魚雷、機雷爆雷ソノブイ
アビオニクスタレス「サーチウォーター2000」マルチモード捜索レーダー
CDC/Ultra UYS503/AQS970音響処理装置
ノースロップ・グラマン「ナイトハンター」電気光学式捜索・探知システム
エルタ EL/L-8300UK ESMシステム

バリエーション

  • MR.1:
    初期生産型。コメットMk.4をベースにしている。

  • R.1:
    SIGINT機型。
    尾部のMADブームは省略されている。

  • MR.2:
    MR.1の電子装備を更新した型。
    フォークランド紛争時に、空中給油装置とサイドワインダーAAMが装備できるように改修された。

  • AEW.3:
    早期警戒管制機(AEW&C)型。
    機首と尾部に大型レーダーを搭載し、前後のレーダーが連動して周囲の警戒を行う仕組みであった。
    11機が試験的に改装されたが、アメリカのE-3「セントリー」AWACSの導入を決定したため採用に至らず。
    改装された機体は他の機体への部品取りに回された。

  • MRA.4:
    MR.2の改装生産型。
    胴体の設計を一新して、主翼を拡大し、エアバスA340グラスコックピットを導入した。
    エンジンはロールス・ロイス BR700?を搭載。
    改装コストの問題などから計画中止になり、改装中及び改装済みの機体もスクラップにされた。


*1 こちらは三発ジェット旅客機「トライデント?」をベースにしていた。
*2 エアバスA340の物を搭載した。
*3 このコンペティションには日本から川崎P-1も参加したが、ユーザーサポート(修理・整備・交換部品調達)の利便性(P-8は10,000機以上が生産されている小型旅客機・ボーイングB737をベースにしている)の観点からか、敗れている。

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