Last-modified: 2022-11-20 (日) 14:32:40 (314d)
【ドレッドノート】 †
Dreadnought(「恐れしらず」の意)
1906年にイギリス・ポーツマス工廠で建造された戦艦。
当時の海戦の常識を覆す野心的な設計思想で建造され、次世代以降の戦艦を定義づける革新的な特徴を多数持つ。
「それまでの軍艦全てを時代遅れにした」と称され、当時既存または建造中だった軍艦の大半を旧式化させた。
ちなみに、この技術的奇襲で最も多くの被害を受けたのは、既にドレッドノート以下の戦艦を多数保有していたイギリス海軍である。
顕著な特徴は以下の通り。
- 艦載砲として12インチ砲(主砲)連装砲5基(10門)の重武装。
- 砲塔5基のうち3基が船体中心線上に配置された回転砲塔。右舷・左舷両面に攻撃できるようになった。
- それまで一般的だった拿捕・白兵戦を軽視して砲撃戦に特化。
とはいえ、建造後の艦艇そのものは技術的過渡期によくある未成熟な完成度で、さしたる活躍を見せる事はなかった。
イギリス海軍は(自ら陳腐化させた)艦艇の更新を急いだため、ドレッドノート自体も急速に旧式化していった。
1920年頃には完全に陳腐化し、ワシントン海軍軍縮条約の締結を機にスクラップとして売却処分された。
艦載砲や魚雷によって敵船を沈めた記録は一度もない(唯一の戦果は艦首衝角での突撃による)。
スペックデータ †
主造船所 | ポーツマス造船所 |
起工 | 1905.10.2 |
進水 | 1906.2.10 |
就役 | 1906.12.2 |
退役 | 1920.3.31 |
備考 | 1922. スクラップとして売却 1927. インヴァネスで解体 |
排水量 (常備/満載) | 18,110t/21,845t |
全長 | 160.6m |
全幅 | 25m |
喫水 | 8m/9.4m(満載) |
主缶 | バブコック・アンド・ウィルコックス式石炭・重油混焼水管缶×18基 |
主機 | パーソンズ式直結タービン(高速・低速)×2組4軸推進 |
出力 | 23,000hp |
最大速力 | 21.0kt |
航続距離 | 6,600浬(10kt) |
乗員定数 | 800名 |
武装 | Mark10 45口径12インチ(30.5cm)連装砲×5基 QF 7ポンド 50口径3インチ(7.6cm)単装砲×27基 18インチ(45cm)単装魚雷発射管×5基 |
装甲 | 舷側:279mm(舷側) 甲板:76mm 主砲塔前盾:279mm バーベット部:279mm(最厚部) 司令塔:279mm |