Last-modified: 2022-11-29 (火) 17:39:53 (296d)
【ドッグファイト】 †
Dogfight.
近距離(目視内射程)での空中戦のこと。
その中でも戦闘機が旋回して敵の有効射程圏から逃げ回り、同時に自己の有効射程圏に敵機を入れようとする戦局を指すことが多い。この場合は「格闘戦」とも呼ばれる。
これは言い換えれば、先んじて発見した側が初手の攻撃で敵機を撃墜できず、相手の回避・反撃・攻撃を許してしまった状態の事である。
互いに敵機後方に回り込んで一方的に攻撃しようとする様相が闘犬に似ている事から「ドッグファイト」と呼ぶ。
機関銃が唯一の武装であった第一次世界大戦の時代から、空対空戦闘の基本として知られている。
旋回率や旋回半径、旋回を維持するために必要なエンジン出力などの機体性能と、パイロットの技術や身体能力*1が結果に大きな影響を及ぼす。
しかし、その黎明期から現代に至るまで、空中戦の戦果の主体は奇襲である。
戦闘がドッグファイトに移行すると、敵機は常時不利位置から離脱するため機動を実施、攻撃の命中率は低下する。
また、空対空ミサイルの発達した現代では、この状況に陥る可能性は低い。
どんな状況にあっても、空戦において重要なのは早期発見、そして高度、速度を活かした奇襲である。
事実、被撃墜の8割までが有効射程に入って10秒以内、敵機の存在に気付く前に発生している。
とはいえ、レーダーとミサイルが発達した現代でもECMやステルス技術によってそれらの能力が完全に発揮されるとは限らず、戦闘機パイロットの基礎技能である事に違いは無い。
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