Last-modified: 2021-08-08 (日) 23:09:06 (44d)

【ドーファン2】(どーふぁんどぅー)

Aerospatiale(Airbus Helicopters) SA365 "Dauphin2".

フランスのアエロスパシアル社(現エアバス・ヘリコプターズ)が開発した双発の民間向けヘリコプター

前身のドーファンは飛行性能こそ高かったものの、キャビンの広さが中途半端であったため、セールスが芳しくなかった。
そのため、本機はドーファンを双発化した上で胴体を延長し、搭載能力を向上した。
搭載力に余裕が生まれたことで需要が拡大し、ビジネスや救命分野の市場を開拓した。
特に担架を複数搭載することができ、またフェネストロンの安全性が認められたことから、警察・防災機関などへの導入実績が多い。

日本では、各自治体の消防や警察などにおける導入例が目立つ*1

現在でも発展型が製造され続け、同社を代表する機種のひとつになっている。
派生型として、軍用多目的ヘリコプターパンター(パンサー)が存在する。

また、サウジアラビアと中国では本機自体を対潜ヘリコプターとして用いている。
前者はサウジアラビアからアエロスパシアルが開発依頼を受けたもので設計的に最適化されているが、後者は民間型に対潜装備を後付けしたもので能力が限られている。

http://www4.plala.or.jp/klesa108/temp/ootori2.jpg
千葉市消防局所属のAS365N3 おおとり2

スペックデータ

タイプAS365N2AS365N3
乗員パイロット1〜2名
乗客数12〜13名11〜12名
全長13.68m13.73m
全高3.97m4.06m
主回転翼直径11.94m
主回転翼面積-111.98
空虚重量4,460kg2,389kg
最大離陸重量4,250kg4,300kg
発動機ターボシャフト×2基
チュルボメカ・アリエル1C2チュルボメカ・アリエル2C
離陸出力838hp(625kW))
最高速度287km/h306km/h
巡航速度254km/h-
航続距離860km827km(フェリー時)
上昇限度-5,865m
上昇率-8.9m/s


EC155B1
乗員パイロット1〜2名
搭載能力乗客13名またはペイロード2,301kg
全長14.3m
全高4.35m
主回転翼直径12.6m
主回転翼面積124.7
空虚重量2,618kg
総重量4,950kg
最大離陸重量4,920kg
発動機チュルボメカ・アリエル2C2 ターボシャフト×2基
離陸出力935hp(697kW))
超過禁止速度324km/h
航続距離857km/985km(フェリー時)
上昇限度4,572m
上昇率8.9m/s


MH-65C「ドルフィン」
乗員パイロット2名+クルー2名
全長11.6m
全高4m
主回転翼直径11.9m
主回転翼面積38.54
空虚重量3,128kg
最大離陸重量4,300kg
発動機チュルボメカ・アリエル2C2-CG ターボシャフト×2基
(出力853hp(636kW))
最高速度330km/h
巡航速度240km/h
航続距離658km
上昇限度5,486m
武装M240 7.62mm機関銃×1挺
バレットM107 50口径12.7mm精密ライフル×1挺


バリエーション

民間型

  • AS365C:
    初期型。旧ドーファンの面影を残す。

  • AS365N:
    胴体を流線型に再設計し、ランディングギア前輪式の引き込み脚に変更して、空力的に洗練された型。

  • AS365N1:
    エンジンフェネストロン、操縦系統などを強化した型。

  • AS365N2:
    複合材による軽量化とエンジンのさらなる強化で飛行特性を向上した改良型。
    エンジンはチュルボメカ アリエル1C2(549kw)を搭載。

  • AS365N3:
    エンジン制御のデジタル化(FADEC)により性能向上した型。
    エンジンはチュルボメカ アリエル2C(635kw)を搭載。

  • EC155:
    AS365を改装した原型機。

    • EC155B:
      メインローターを5枚ブレードにし、フェネストロンをオフセット配置にして騒音を低減した型。旧称AS365N4。
      エンジンはチュルボメカ アリエル2C1を搭載。
      エアバス・ヘリコプターズへの改編に伴い、商品名が「H155B」と改められている。

    • EC155B1:
      EC155Bのエンジン強化型。チュルボメカ アリエル2C2を搭載。

    • AS565UC:
      軍用モデル。提案のみ。

    • LCH/LAH:
      韓国航空宇宙産業(KAI)と共同開発した汎用/軽攻撃ヘリコプター。
      EC155をベースにしている。

    • ユーロコプターX3:
      EC155に牽引式プロペラを備えた小翼を取り付けた複合ヘリコプター実験機。

哈爾浜航空機製造公司(HAMC)でのライセンス生産

  • 直昇9(Z-9)
    AS365N1のライセンス生産型。詳しくは項を参照。

捜索救難

  • AS366G:
    アメリカ沿岸警備隊向け*2捜索救難機。
    アメリカでの呼称はHH-65「ドルフィン」。エンジンはライカミング社製LTS101-750A-1(650hp)2基を搭載。
    • AS366G1:
      SA366Gの発展型。
      ナイトビジョンの追加装備やアビオニクスの刷新などが行われている。
      アメリカでの呼称はHH-65B。

  • HH-65A:
    SA366G1のアメリカ沿岸警備隊向け。
    捜索レーダーや航法装置などの捜索救難装備を搭載し、エンジンをアメリカのライカミング・エンジンズ社製LTS101-750B(734shp)に変更した。

    • HH-65B:
      ナイトビジョンの追加装備やアビオニクスの刷新を行った型。

    • HH-65C:
      エンジンをチュルボメカ・アリエル2C2(965shp)に再換装して飛行能力を回復させた型。社内呼称不明。

      • MH-65C:
        HH-65Cに武装強化などを行なった型。社内呼称不明。

      • MH-65D:
        航法システムを国防総省仕様に変更した型。

      • MH-65E:
        アビオニクスなどを更新した近代化仕様。

対潜ヘリコプター


*1 ただし救命用としては優秀なものの、消火用としては搭載可能な水タンクの容量が不足しているとの指摘もある。
*2 バイ・アメリカン法に対応するためエンジンをライカミングLT101に換装しており、性能はオリジナルに劣る。

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