Last-modified: 2023-01-13 (金) 15:46:55 (319d)
【トンプソン】 †
20世紀初頭、アメリカのJ・T・トンプソン氏が設計・開発した短機関銃。
製造はオートオードナンス社が担当していた。
短機関銃黎明期の著名なモデルの一つで、「トミーガン」「シカゴピアノ」「タイプライター」等、様々な愛称を持つことでも知られる。
頑丈で故障知らず、信頼性は非常に高い。
少々重いが、その重量のおかげで.45ACPの反動が抑えられ、安定感ある連射が可能になっている。
1920年代にマフィアが大々的に使用した*1ことから『マフィアのマシンガン』というイメージが強い。
もっとも、同時代の法執行機関側でも運用されており、FBI(連邦捜査局)では現在もデモンストレーション射撃に用いている。
アメリカ陸軍にも採用され、第二次世界大戦期にはレンドリースによって連合国に供給された。
スペックデータ †
種別 | 短機関銃 |
口径 | .45口径 |
全長 | 813mm |
銃身長 | 267mm |
重量 | 4,740g |
装弾数 | 20発/30発(箱型弾倉)/ 50発/100発(ドラムマガジン) |
使用弾薬 | .45ACP弾ほか |
作動方式 | ブリッシュ・ロック(M1919〜M1928A1)/シンプル・ブローバック(M1/M1A1) |
発射速度 | 1,200〜400発/分 |
銃口初速 | 280m/s(.45ACP弾) |
バリエーション †
- M1919:
初期型。
- M1921:
コルト社での初期量産型。15,000挺が製造され、中国製コピーも存在する。
- M1923:
.45ACP弾に代え、.45Remington-Thompson弾を使用する軍用試作モデル。
BARの採用により実用化されず。
- M1927:
M1921のセミオートカービンモデル。
- M1928:
連射レートを下げた軍用モデル。
第二次大戦初期にイギリス軍やフランス軍向けに納入された。
- M1928A1:
M1928の生産性を上げた米軍向けモデル。ドラムマガジンが使用可能。
- M1:
太平洋戦争の勃発で、下士官へ支給するため構造を簡略化したモデル。
ドラムマガジンは使用できなくなり、コッキングハンドルは右側面に移動した。
- M1A1:
M1の改良型。リアサイトの両側に三角形のガードが付いた。