Last-modified: 2018-03-08 (木) 14:30:28 (102d)

【デルタ(潜水艦)】(でるた(せんすいかん))

旧ソ連海軍が装備していた弾道ミサイル搭載型原子力潜水艦戦略潜水艦)の1タイプに、NATOが与えたコードネーム。
ソヴィエト連邦・ロシア側の名称はI型がプロイェクタ667B"ムレナ*1"、II型がプロイェクタ667BD"ムレナ-M"、III型がプロイェクタ667BDR"カルマール*2"、IV型がプロイェクタ667BDRM"デルフィン*3"である。

プロイェクタ667(667号計画)型(NATOコードネーム「ヤンキー」級)の後継として開発された艦で、初期型であるI型(667B型)は1972年から1977年にかけて18隻が就役した。

II型(667BD型)はI型の改良型で、1973年から1975年にかけて4隻が就役した。
ミサイル発射管が16基になり、排水量と533mm魚雷の搭載数が増加している。

III型(667BDR型)はMIRV式のR-29R/RSM-50(SS-N-18)を搭載するタイプで、1976年から1981年にかけて14隻が就役し、北方艦隊に5隻、太平洋艦隊に9隻が配備された。
現在は北方艦隊に3隻(特務原潜に改装されたKS-129を含む)、太平洋艦隊には4隻が在籍しており、時々、宗谷海峡を浮上航行する姿が海上自衛隊哨戒機によって目撃されている。

IV型(667BDRM型)は1985年から1990年にかけて7隻が就役した。
船体は667BDR型よりも大型化されているが、その分は静粛性の向上に充てられている。
弾道ミサイルはR-29シリーズの最終型であるR-29RM/RSM-54(SS-N-23)を搭載する。

兵装には魚雷発射管6基(533mm4基、406mm2基)とR-29/RSM-40(SS-N-8)SLBM(III型はMIRV式のR-29R/RSM-50(SS-N-18)、IV型はシリーズ最終型であるR-29RM/RSM-50(SS-N-23))を装備する。

START Iの発効に伴い、初期型であるI型及びII型はすべて退役となり、III型も艦の寿命到来により退役が進んでいるため、現在はIV型が主力となっており、弾道ミサイルの発射実験のほか、人工衛星の打ち上げも行っている。

性能諸元

Project667B型(デルタI型)
種別弾道ミサイル搭載原子力潜水艦
主造船所アムール造船所*4(K-366,K-417,K-477,K-497,K-500,K-512,K-523,K-530)
セヴマシュ・プレドプリャーチェ*5
(K-171,K-279,K-385,K-447,K-450,K-457,K-460,K-465,K-472,K-475)
全長139m
全幅11.7m
喫水8.4m
排水量
(水上/水中)
7,800t/10,000t
推進方式原子力ギアードタービン
機関VM-4型加圧水型原子炉×2基
蒸気タービン×2基
スクリュープロペラ×2軸
機関出力52,000馬力
最高速力
(水上/水中)
16kt/26kt
乗員120名
兵装533mm魚雷発射管×4基(計12発搭載)
406mm魚雷発射管×2基(計8発搭載)
D-9ミサイル発射管×12基
R-29/RSM-40?NATOコード:SS-N-8「ソーフライ」)SLBMを搭載)
ソナー「ケルチ」艦首ソナー
航法・通信「モルニヤ-1」通信装置
「トボール」航法装置
「ツィクロン-B」航法装置


Project667BD型(デルタII型)
種別弾道ミサイル搭載原子力潜水艦
主造船所セヴマシュ・プレドプリャーチェ
全長155m
全幅11.7m
喫水8.6m
排水量
(水上/水中)
9,350t/10,500t
推進方式原子力ギアードタービン
機関VM加圧水型原子炉×2基
蒸気タービン×2基
スクリュープロペラ×2軸
機関出力55,000馬力
最高速力
(水上/水中)
14kt/25kt
乗員126名
兵装533mm魚雷発射管×4基(計18発搭載)
406mm魚雷発射管×2基(計8発搭載)
D-9ミサイル発射管×16基
R-29/RSM-40?NATOコード:SS-N-8「ソーフライ」)SLBMを搭載)
ソナー「ルビコン」艦首ソナー
航法・通信「モルニヤ」通信装置
「シーンテズ」アンテナ
「トボール」航法装置


Project667BDR型(デルタIII型)
種別弾道ミサイル搭載原子力潜水艦
主造船所セヴマシュ・プレドプリャーチェ
全長155m
全幅11.7m
喫水8.7m
排水量
(水上/水中)
8,940t/10,600t
推進方式原子力ギアードタービン
機関VM-4SG型加圧水型原子炉×2基
蒸気タービン×2基
スクリュープロペラ×2軸
機関出力60,000馬力
最高速力
(水上/水中)
14kt/25kt
乗員130名
兵装533mm魚雷発射管×4基(計18発搭載)
406mm魚雷発射管×2基(計8発搭載)
D-9ミサイル発射管×16基
R-29R/RSM-50?(NATOコード:SS-N-18「スティングレイ」)を搭載)
ソナー「ルビコン」艦首ソナー
レーダー「アルバトロス」航法レーダー
航法・通信「ツナミ」通信装置
「モルニヤ」通信装置
「トボール」航法装置


Project667BDRM型(デルタIV型)
種別弾道ミサイル搭載原子力潜水艦
主造船所セヴマシュ・プレドプリャーチェ
全長167m
全幅11.2m
吃水8.8m
排水量
(水上/水中)
10,210t/12,100t
推進方式原子力ギアードタービン
機関VM-4SG型加圧水型原子炉×2基
蒸気タービン×2基
スクリュープロペラ×2軸
機関出力60,000馬力
最高速力
(水上/水中)
14kt/24kt
乗員130名
兵装533mm魚雷発射管×4基(対潜ミサイル?兼用)
406mm魚雷発射管×2基(計8発搭載)
D-9RMミサイル発射管×16基
(R-29RM/RSM-54「シネーワ<<Синева>>(NATOコード:SS-N-23?「スキッフ」)」を搭載)
ソナー「スカート-2」艦首ソナー
航法・通信「ツナミ」通信装置
「モルニヤ」通信装置
「トボール-M」航法装置


同型艦

667B型(デルタI型)
艦番号艦名建造所就役除籍
K-171--1975.-
K-279セヴマシュ1972.12.221992.
K-366アムール1974.-
K-385-1973.
K-417アムール1974.
K-447キスロヴォツクセヴマシュ1973.
K-450--1973.
K-457セヴマシュ1974.
K-4601975.
K-4651974.
K-4721975.
K-4751975.
K-477アムール1975.
K-4971975.
K-5001975.
K-5121976.
K-5231977.
K-5301977.


667BD型(デルタII型)
艦番号起工進水就役除籍所属
K-921973.4.1975.1.1975.9.30-北洋艦隊
K-1821973.1975.1975.12.17
K-1931974.1975.1975.12.30
K-4211974.1975.1975.12.30


667BDR型(デルタIII型)
艦番号艦名起工進水就役除籍所属
K-44リャザン-1981.-太平洋
K-129*6オレンブルク1981.北洋艦隊*7
K-180--1980.太平洋艦隊
K-211ペトロパヴロフスク・
カムチャツキー
-1980.太平洋艦隊
第25潜水艦師団
K-223ポドルスク-1980.太平洋艦隊
第25潜水艦師団
K-424-1975.1975.12.301976.6.9北洋艦隊
K-433スヴャトイ・ゲオルギー・
ポベドノーセッツ
-1981.太平洋艦隊
第25潜水艦師団
K-441-1975.1976.1976.12北洋艦隊
K-449-1977.北洋艦隊
K-4551978.北洋艦隊
K-4871975.太平洋艦隊
K-4901978.北洋艦隊
K-496ボリソグレブスク1979.2009.8.14太平洋艦隊
K-506ゼレノグラード1979.-太平洋艦隊
第25潜水艦師団


667BDRM型(デルタIV型)
艦番号艦名起工進水就役除籍所属
K-18カレリア1988.91989.111991.9-北洋艦隊
K-51ヴェルホトゥーリエ1981.2.231985.1.1985.12.29
K-64

BS-64*8
ポドモスコヴィエ1982.12.181984.3.31987.2.24
K-84エカテリンブルク1984.11.1985.12.1986.2.
K-114トゥーラ1986.12.1987.9.1989.1.
K-117ブリャンスク1987.9.1988.9.1990.3.
K-407ノヴォモスコフスク1989.11.1991.11992.2.



*1 Мурена:ロシア語でウツボの意。
*2 Кальмар:ロシア語でヤリイカの意。
*3 Дельфин:ロシア語でイルカの意。
*4 レニンスキー・コムソモール記念工廠、コムソモリスク・ナ・アムーレ市・第199海軍工廠。
*5 北方機械建造会社、セヴェロドヴィンスク市・第402海軍工廠。
*6 特務原潜に改装後はKS-129に変更。
*7 1996.特務原潜に改造。
*8 特務原潜として2016年12月末に再就役(BS-411(ヤンキー・ストレッチ級(09780型)原子力潜水艦(ミゼット・サブ母艦))の後継)

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