Last-modified: 2017-02-25 (土) 12:46:30 (93d)

【タイコンデロガ】(たいこんでろが)

Ticonderoga
アメリカ合衆国ニューヨーク州の地名。
アメリカ独立戦争時代、この地にあった要塞での戦いにちなみ、アメリカ海軍艦艇の名前に複数回使われている。

  1. CV-14 USS Ticonderoga
    エセックス級航空母艦の6番艦。
    太平洋戦争中の空母建造ラッシュのなかで建造され、1944年に就役した。
    オリジナルの「エセックス」に比べると艦首飛行甲板前端に機銃座を増設したため船体が長く、本艦と同様のものを「タイコンデロガ級航空母艦」と称する場合もある。
    ただし本艦の就役は遅れ、タイコンデロガ級の中で一番最初に就役したのは「ハンコック(CV-19)」となった。

    戦後は一時退役していたが、斜め飛行甲板の追加など、ジェット機運用のための近代化改修を行い、1957年に復帰した。
    1964年のトンキン湾事件において「報復」と自称する攻撃をおこない、ベトナム戦争拡大のきっかけとなったことでも知られる。
    1965年には水爆を積んだ艦載機A-4「スカイホーク」攻撃機)が海中へ転落する事故(ブロークンアロー)が発生している*1
    1969年に対潜空母(CVS-14)へ艦種変更され、1973年に退役した。

  2. CG47 USS Ticonderoga
    タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の1番艦にして、世界初のイージス艦*2
    RIM-66を同時に16〜24(諸説あり)の空中目標へ誘導することができるといわれる。
    スプルーアンス級駆逐艦の船体設計にイージスシステムを搭載する形で建造されたため、船体に比べて艦橋などの上部構造物が大型化している。
    スプルーアンス級から派生したため、発注時点ではミサイル駆逐艦に分類されていたが、駆逐艦としては排水量が大きく、また従来のミサイル巡洋艦を凌駕する性能を持っていたことから、起工時にミサイル巡洋艦へ改められた。

    ベースライン0及び1と呼ばれる初期の5隻にはイージス艦の特徴と思われている垂直発射システム(VLS)ではなく、スプルーアンス級と同じくMk26「GMLS」連装ミサイル発射機を装備しており、VLSを装備するのは6番艦「バンカーヒル」以降となっている。
    同型艦は27隻にも及んだが、1隻あたりの価格が10億ドルにも達し、今後新造される予定はなく順次退役。
    予定通りであれば、2034年には全艦が姿を消すことになる。

    1番艦「タイコンデロガ」の2017年予定を始め、暫くの間運用される予定であったが、タイコンデロガが2004年9月30日に退役したのを皮切りに、既にベースライン0・1の5艦が退役している。
    垂直発射システムを装備するベースライン2以降の22隻には、今後ミサイル防衛機能が付与され、RIM-161(SM-3)が配備される予定である。
    RIM-161開発のため「レイク・エリー」や「シャイロー」に同ミサイルの発射能力が付与されている。

    今後、タイコンデロガ級の任務はミサイル防衛に重きが置かれるようになり、アメリカ海軍における艦隊防空任務の中心は、廉価版イージス艦であるアーレイ・バーク級駆逐艦へ移される予定である。

    なお、余談ながら本艦型は1999年以後、アメリカ海軍が保有する唯一の「巡洋艦」となっている*3
    航空母艦の艦長はエビエーター出身者が就くことになっているため、水上艦勤務の大佐にとって本級の艦長職は目標になっている*4
    chancellorsville.jpg
    CG-62 USS Chancellorsville

    スペックデータ
    艦級タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(イージス艦
    全長172.8m
    全幅16.8m
    吃水9.5m
    排水量
    基準/満載*5
    7,652t-/9,407-9,590t
    機関COGAG方式
    GE LM2500ガスタービン×4基
    スクリュープロペラ×2軸
    機関出力80,000hp
    速力30kt+
    航続距離6,000海里(20kt)/3,300海里(30kt)
    乗員358名/312名(CG-21)
    兵装Mk.45 54口径5インチ単装速射砲×2基
    ベースライン0/1:Mk.26 mod5"GMLS*6" 連装ミサイル発射機×2基
    SM-2アスロックを装備(弾庫容量44発))
    ベースライン2以降:Mk.41 mod0 VLS×2基61セル
    SM-2SM-3ESSMVLAトマホークを装備)
    Mk.141 4連装SSM発射筒×2基(ハープーンを装備)
    Mk.32 3連装324mm短魚雷発射管×2組
    Mk.15 20mmCIWS×2門
    Mk.38?"MGS" 25mm単装機銃×2門(CG-52〜)
    M2 12.7mm単装機銃×4基
    艦載機SH-2F/SH-60B LAMPS対潜ヘリコプター×2機
    C4IシステムUSQ-119 GCCS*7-M
    NTDS*8 mod.4/5 (リンク 4A/11/14/16
    Mk.7 AWS*9
    (Mk.99 ミサイルFCS×4基(SM-2用))
    AN/SQQ-89 ASWCS*10
    (Mk.116 水中FCS(VLA、短魚雷用))
    Mk.37 TWS*11
    (SWG-3A TWCS(BGM-109用))
    Mk.86 mod.9 砲FCS×1基(5インチ砲用)
    SWG-1 HSCLCS(RGM-84用)
    レーダーAN/SPY-1A/B 多機能レーダー×4面1基
    AN/SPS-49 対空捜索レーダー×1基
    ※後日改修により撤去
    AN/SPS-55 対水上レーダー×1基
    AN/SPG-62 ミサイル射撃指揮レーダー×4基(Mk.99のサブシステム)
    AN/SPQ-9B 低空警戒/砲射撃指揮レーダー×1基(Mk.86のサブシステム)
    ソナーSQS-53B/C/D 艦首ソナー×1基
    SQR-19 曳航ソナー×1基
    電子戦
    ・対抗装備
    AN/SLQ-32(v)3 電子戦装置
    AN/SLQ-25「ニクシー」対魚雷装置
    Mk.36 SRBOC チャフフレア展開装置

    同型艦
    ベースライン0
    艦番号艦名主建造所起工進水就役退役
    CG-47タイコンデロガ
    (USS Ticonderoga)
    インガルズ1980.1.211981.4.251983.1.222004.9.30
    CG-48ヨークタウン
    (USS Yorktown)
    1981.10.191983.1.171984.7.42004.12.3
    ベースライン1
    艦番号艦名主建造所起工進水就役退役
    CG-49ヴィンセンス
    (USS Vincennes)
    インガルズ1982.10.191984.1.141985.6.32005.6.29
    CG-50ヴァリー・フォージ
    (USS Varrey Forge)
    1983.4.141984.6.231986.1.182004.8.30
    CG-51トーマス・S・ゲイツ
    (USS Thomas S Gates)
    バス1984.8.311985.12.141987.8.222005.12.14
    ベースライン2
    艦番号艦名主建造所起工進水就役退役
    CG-52バンカー・ヒル
    (USS Bunker Hill)
    インガルズ1984.1.111985.3.111986.9.20
    CG-53モービル・ベイ
    (USS Mobile Bay)
    1984.6.61985.8.221987.2.21
    CG-54アンティータム
    (USS Antietam)
    1984.11.151986.2.141987.6.6
    CG-55レイテ・ガルフ
    (USS Leyte Gulf)
    1985.3.181986.6.201987.9.26
    CG-56サン・ジャシント
    (USS Sanjacint)
    1985.7.241986.11.141988.1.23
    CG-57レイク・シャンプレイン
    (USS Lake Champlain)
    1986.3.31987.4.31988.8.12
    CG-58フィリピン・シー
    (USS Philippine Sea)
    バス1986.4.81987.7.121989.3.18
    ベースライン3
    艦番号艦名主建造所起工進水就役退役
    CG-59プリンストン
    (USS Princeton)
    インガルズ1986.10.151987.10.21989.2.11
    CG-60ノーマンディー
    (USS Normandy)
    バス1987.4.71988.3.191989.12.9
    CG-61モンテレー
    (USS Monterey)
    1987.8.191988.10.231990.6.16
    CG-62チャンセラーズヒル
    (USS Chancellorsville)
    インガルズ1987.6.241988.7.151989.11.4
    CG-63カウペンス
    (USS Cowpens)
    バス1987.12.231989.3.111991.3.9
    CG-64ゲティスバーグ
    (USS Gettysburg)
    1988.8.171989.7.21991.6.2
    ベースライン4
    艦番号艦名主建造所起工進水就役退役
    CG-65チョーシン
    (USS Chosin)
    インガルズ1988.7.21989.9.11991.1.12
    CG-66ヒュー・シティ
    (USS Hue City)
    1989.2.201990.6.11991.9.14
    CG-67シャイロー
    (USS Shiloh)
    バス1989.8.11990.9.81992.7.18
    CG-68アンツィオ
    (USS Anzio)
    インガルズ1989.8.211990.11.21992.2.10
    CG-69ヴィックスバーグ
    (USS Vicksburg)
    1990.5.301991.9.71992.11.14
    CG-70レイク・エリー
    (USS Lake Erie)
    バス1990.3.61991.7.131993.7.24
    CG-71ケープ・セント・ジョージ
    (USS Cape St. George)
    インガルズ1990.11.191992.1.101993.6.13
    CG-72ヴェラ・ガルフ
    (USS Vella Gulf)
    1991.4.221992.6.131993.7.12
    CG-73ポート・ロイヤル
    (USS Port Royal)
    1991.10.181992.11.201994.7.9


*1 該当の機体は水素爆弾ごと水深5,000mあまりの深海に水没し、回収は断念されている。
*2 実戦配備された艦として。イージスシステムの開発に使われた試験艦「ノートン・サウンド」を除く。
*3 この年、「カリフォルニア」級原子力ミサイル巡洋艦が退役したことによる。
*4 現在、駆逐艦とされているズムウォルト級の艦長を大佐職にするために巡洋艦に艦種変更する可能性はある(同級は本級よりも大型(前ド級戦艦並みの排水量)で、搭載艦砲が6.1インチ(15.5僉砲任△襦法
*5 建造時期・装備によって異なる。
*6 Guided Missile Launching System.
*7 Global Command and Control System:汎地球指揮統制システム。
*8 Naval Tactical Data System:海軍戦術情報システム。
*9 Aegis Weapon System:イージス武器システム。
*10 ASW Combat System:統合対潜戦システム。
*11 Tomahawk Weapon System:トマホーク武器システム。

添付ファイル: filechancellorsville.jpg 870件 [詳細]

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