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【ソードフィッシュ】 †
Swordfish（英語でメカジキの意）
- Fairey Swordfish.
1934年に初飛行し、1935年に採用された英海軍の艦上雷撃機。
鋼管の骨組みに布張りの三座複葉機で、複葉機時代の最後を飾った傑作機である。
採用当時の技術水準でもすでに旧式の設計で、カタログスペックは現役当時の雷撃機に比して明らかに低い*1。
前線では「手下げ袋（string bag）」と揶揄されたが、反面で良好な運動性や操縦性*2・簡易な整備性などの利点も多くあった。
布張りの構造は穴が開いても機体の強度低下を招かない事から空中分解しづらく、生存性も極めて高い。
ドイツの戦艦「ビスマルク?」との戦闘において、高射砲で175箇所も被弾した状態のまま無事に帰還した例もある。
第二次世界大戦の開戦時点では第一線で使用されていた。
1940年11月のイタリア海軍の要港・タラント港への空襲（英作戦名：ジャッジメント作戦）や1941年5月のドイツ戦艦「ビスマルク」追撃戦で活躍した。
上記の戦闘においては空母「アークロイヤル?」搭載機が「ビスマルク」に対して雷撃を敢行し、操舵装置に損傷を与えて「ビスマルク」撃沈に一役かった。
後継としてバラクーダ?やアベンジャーが配備されると、夜間攻撃や対潜哨戒任務に転用された。
旧式で簡易な設計なためレーダー・ロケット弾などの新兵器にも柔軟に対応し、第二次世界大戦が終わるまで海上で活躍し続けた*3。
関連：MACシップ
スペックデータ 種別 雷撃機 製造 フェアリー社
ブラックバーン社（1940前半〜）総生産機数 2,396機 タイプ ソードフィッシュMk.�� ソードフィッシュMk.�� 乗員 2〜3名（パイロット、オブザーバー、無線通信士兼後部銃手） 全長 10.87m 11.22m 全高 3.76m 3.8m 翼幅 5.26m（主翼折り畳み時） 13.9m 翼面積 56.4�� 56.39�� 翼型 RAF 28 空虚重量 1,903kg 2,130kg 総重量 3,438kg - 最大離陸重量 - 3,406kg 発動機 ブリストル ペガサス空冷星形9気筒×1基 ペガサス��M3
（出力690hp（510kW））ペガサス Mk.�将将�
（出力750hp（560kW））プロペラ 3枚翅固定ピッチプロペラ 最高速度 230km/h
（魚雷3,438kg、高度1,524m）222km/h 巡航速度 - 167〜207km/h 失速速度 - 107km/h 実用上昇限度 5,000m
（重量3,438kg時）3,260m 航続距離 840km
（通常燃料、魚雷搭載時）1,658km（フェリー時）/880km 武装 ヴィッカース7.7mm重機関銃×1挺（前方固定）
ルイス軽機関銃またはヴィッカース-K機関銃×1挺（後方旋回）爆装 760kg航空魚雷×1発または爆弾（250lb.・500lb.）×2発、700kg機雷、Mk.��爆雷
RP-3 60ポンドロケット弾×8発
【バリエーション】
- PV：
フェアリー社がギリシャ海軍向けに自主開発した試作機。
アームストロング・シドレー「パンサー」エンジンを搭載。
- TSR.1：
PVのエンジンをブリストル「ペガサス��M」（出力635hp）に換装した原型機。
- TSR.2：
TSR.1の改良型原型機。
エンジンはペガサス��M3（出力775hp）を搭載する。
- Mk.�機�
水上機への転換が可能な量産型。
- Mk.�供�
金属製の防護板を採用し、3インチロケット弾の搭載も可能。
ペガサス�将将哨┘鵐献鵑鯏觝棔�1943年より製造。
- Mk.�掘�
ASVレーダーを搭載。
ロケット弾も搭載可能。
- Mk.�検�
Mk.�兇泙燭�Mk.�靴�操縦席を密閉型にしたもの。
- PV：
- USS Swordfish（SS-193）.
米海軍「サーゴ」級潜水艦の1隻。
1937年10月27日にメアーアイランド海軍工廠にて起工し、1939年4月1日に進水、同年7月22日に竣工した。
太平洋戦争開戦後は東南アジア方面、南太平洋にて哨戒・通商破壊任務に従事した。
その後、1945年1月3日に沖縄近海への移動命令の受領通信後、消息不明となり、1945年2月15日に戦没認定された。
- USS Swordfish（SSN-579）.
米海軍「スケート」級原子力潜水艦の1隻。
1956年にポーツマス海軍造船所で起工し、1957年進水、1958年就役。
1989年に退役した*4。
- HMS Swordfish（61S）.
英海軍のS級潜水艦の1隻。
1930年12月1日にチャタム工廠にて起工し、1931年11月10日に進水、1932年11月28日に竣工した。
第二次大戦開戦時には本国近海の哨戒任務に従事していたが、1940年11月7日に哨戒任務のためポーツマスを出港後、消息不明となった。
当時は独駆逐艦の攻撃により沈没と考えられていたが、戦後、海底で真っ二つになった船体が発見され、機雷によって沈没したことが判明した。
*1 本機と同じころ、日本でも同じようなスタイルの九六式艦上攻撃機がデビューしていたが、間もなく登場した低翼・単葉の九七式艦上攻撃機に代替されて少数の生産に終わっている。
*2 タイガー・モス?練習機よりもさらに操縦が容易だったと言われている。
*3 とはいえ、これは大規模な海上航空戦がほとんど発生しなかった欧州（大西洋）戦線の事情に負う所も大きい。
特に1941年以降は艦隊戦と呼べるような大規模戦闘はなく、もっぱら小規模な通商破壊戦に終始していた。
*4 その後、「原子力艦再利用プログラム」によってピュージェット・サウンド海軍造船所で1995年までに解体されている。
