【スペースデブリ】 †
Space Deblis.(宇宙ゴミ)
地球の周回軌道を回っている人工衛星のうち、何らかの意味ある活動を行っていない物体。
宇宙開発に伴って必然的に発生するもので、その進展に伴って年々数が増えている。
一例として、以下のようなものが該当する。
- 故障したか運用寿命が尽きて、地上との交信が途絶えた人工衛星
- 人工衛星や宇宙船・宇宙探査機を打ち上げる際に分離されたロケットの部品や燃え残った推進剤
- デブリ同士、あるいは人工衛星とデブリとの衝突によって砕けた破片
- 宇宙船・人工衛星・宇宙ステーションから誤って宇宙に放出された廃棄物
- 船外作業中に遺失した装備・工具・部品類
- 宇宙飛行士の小便(アポロ計画ごろまで小便を真空中に投棄していた)
- UFO
デブリの対地速度はしばしば秒速1,000mを越えるため、微細なデブリでも強大な破壊力を持っている。
衝突すれば直径数ミリでも人工衛星の機能に障害を及ぼし、1cm以上であれば一撃で宇宙船を破壊し得る。
また、デブリは個々に周回軌道が異なり、衝突やニアミスでの相互干渉も起こるため、回収・制御・回避のいずれも非常に難しい。
デブリになり得る廃棄物は、地球に落ちる軌道に乗せて大気圏に再突入させて処分するのが一般的。
大抵の物体は熱の壁で跡形なく燃尽するが、エンジンなどは燃え残って地表に激突する可能性が残る。
このため、可能であれば海上へ落ちるよう計算して投棄される。
統計によると、毎年100個以上1,000個以下のデブリが地上に衝突しているという。
静止衛星は再突入が困難なため、静止軌道よりも数百km高い「墓場軌道」に乗せることで廃棄する。
ただし、墓場軌道への移動には通常稼働3ヶ月分の燃料と正確な姿勢制御が必要で、成功率は40%に満たない。
スペースデブリ問題は各国の宇宙開発にとって重大な支障であり、対策が急がれている。
比較的大きなデブリ(約10cm以上)に関しては世界共通のデータベースが構築され、常時監視が続けられている。
また、人工衛星とデブリとのニアミスなどの異常事態では関係諸機関に警報が出されている。
とはいえ、監視されていない軌道不明の危険なデブリも無数に存在するのが実情である。
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