Last-modified: 2022-09-07 (水) 02:12:33 (597d)

【スターリングエンジン】(すたーりんぐえんじん)

レシプロエンジンの一種、あるいは油圧ポンプの亜種。
ガスを媒体として熱を往復運動に変換するエンジンである。

密封されるシリンダーにガスを充填し、これに外部から熱を加える
すると内部のガスが熱で膨張するので、その圧力を運動エネルギーとして機械的に取り出す。
保守のために冷却するとガスは収縮するので、この時の逆方向の圧力も取り出される。

一般的な内燃機関と違って爆発的な燃焼を必要とせず、トルクが極端に加減速する事も少ない。
また、外燃機関であるため熱源の種類を問わず、燃料の制約を受けずに設計できる。
熱機関としても効率が高く、出力や安定性を問わないなら人間の体温でさえ熱源に利用できる。

原理的な効率は優れていても、実際の設計では未解決の技術的課題が山積しており、産業的シェアは多くない。
何らかの理由で電池を使用しない・できない状況においては小型低出力のエンジンとして多少の需要がある。
また、現在ではもっぱら冷房・暖房機器で熱を余所に移動させるヒートポンプとして利用される。

スターリングエンジンはそもそも「ある場所で吸熱し、別の場所で放熱する」事で成り立っている。
従って、まさに吸熱・放熱そのものを目的とする冷暖房設備とは非常に相性が良い。

騒音が少ないため潜水艦の動力としても研究されていたが、リチウムイオン電池の普及により非効率化して需要を失った。


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