Last-modified: 2017-04-09 (日) 20:14:05 (16d)

【ジョージ・ワシントン】(じょーじ・わしんとん)

George Washington(1732年生〜1799年没)
アメリカの軍人・政治家。
当初、英国の植民地であったアメリカ東部13州の独立運動で指導的な役割を果たし、1776年に13州が英国から独立した折には、連邦政府の初代大統領職を務めた。
その功績をたたえ、後述の通りアメリカ海軍の艦船名として何度か使用されている。

  1. USS George Washington(SSBN-598)
    1959年に就役したアメリカ海軍弾道ミサイル原潜(艦隊弾道ミサイル潜水艦(FBM*1))。
    同型艦に「パトリック・ヘンリー」「セオドア・ルーズベルト」「ロバート・E・リー」「エイブラハム・リンカーン」の4隻があった。

    世界初の戦略潜水艦でもあった*2本艦及びその姉妹艦は、後継のイーサン・アレン級、ラファイエット級とともに「自由のための41隻(41 for Freedom)」と呼ばれた弾道ミサイル潜水艦隊の主力を構成し、冷戦下の水中核戦力におけるアメリカの優位の維持に寄与した。

    船体はスキップジャック級?攻撃原潜のものを流用しており、既に建造の進んでいた船体を切断して、船体の航法指揮区画と動力区画との間にミサイル区画を新たに挿入する方法で建造された。
    そのため、建造当初は「スコーピオン(USS Scorpion,SSN-589)」という艦名が与えられていたが、戦略潜水艦への改造・種別変更にともなってこの艦名に改められている*3

    なお、本艦及びパトリック・ヘンリー、ロバート・E・リーの3隻は、第二次戦略兵器制限条約(SALT 供砲糧効により攻撃原潜へと種別変更されている。

    本艦は1981年、九州西方の東シナ海で浮上した際、付近を航行していた日本の貨物船「日昇丸」と衝突して沈没させてしまう事故を起こしている。
    このとき、(戦略哨戒任務についていることを秘匿するためか)本艦の乗員は日昇丸の乗員を救助せず現場を去った(なおかつ、アメリカ軍・政府が不誠実な対応を行った)ため、一時期日米関係を緊張させる事件ともなった*4*5

    スペックデータ
    排水量
    (水上/水中)
    5,959t/6,709t
    全長116.3m
    全幅10.1m
    喫水8.1m
    予備浮力12.6%
    推進方式原子力ギアードタービン(出力15,000shp)
    主機関WEC S5W加圧水型原子炉×1基
    GE蒸気タービン×2基
    スクリュープロペラ×1軸
    蓄電池ガピーI型電池×126個 1群
    最大速力
    (水上/水中)
    16kt/22kt
    潜行深度213m
    乗員112名(士官12名、先任兵曹(CPO)12名、下士官・兵88名)
    武装UGM-27「ポラリス」?SLBM発射筒×16門
    (UGM-27A「ポラリスA1」(初期型)、UGM-27C「ポラリスA3」を搭載。)
    Mk.59 水圧式533mm魚雷発射管×6門(魚雷12発)
    射撃指揮装置Mk.80ミサイル用射撃指揮装置
    Mk.84ミサイル用射撃指揮装置(改装後)
    Mk.112水中射撃指揮装置(改装後はMk.112 Mod2)
    ソナーBQS-4、BQR-2B
    電子戦装備SS-2A、WLR-1

    同型艦
    艦番号艦名主造船所起工進水就役退役
    SSN-589
    →SSBN-598
    →SSN-598
    スコーピオン
    (USS Scorpion)

    ジョージ・ワシントン
    (USS George Washington)
    エレクトリック・ボート1958.11.11959.6.91959.12.301985.1.24
    SSBN-599
    →SSN-599
    パトリック・ヘンリー
    (USS Patrick Henry)
    1958.5.271959.9.221960.4.111984.5.25
    SSBN-600セオドア・ルーズベルト
    (USS Theodore Roosevelt)
    メア・アイランド
    海軍造船所
    1958.5.201959.10.31961.2.131982.12.1
    SSBN-601
    →SSN-601
    ロバート・E・リー
    (USS Robert E. Lee)
    ニューポート・ニューズ1958.8.251959.12.181960.9.161983.12.1
    SSBN-602エイブラハム・リンカーン
    (USS Abraham Lincoln)
    ポーツマス
    海軍造船所
    1958.11.11960.5.141961.3.111981.2.28

  2. USS George Washington(CVN-73)
    ニミッツ級原子力空母の6番艦。1992年就役。
    アメリカ艦隊総軍に属し、バージニア州ノーフォークを母港にしている。
    太平洋艦隊に属していた2009年〜2015年まで、前任のキティホーク(CV-63)に代わって日本の横須賀を母港としていた*6

    艦の詳細なスペックはニミッツ(航空母艦)の項を参照されたい。

  3. USS George Washington
    1798年にアメリカ海軍が購入したスループ船。

  4. SS George Washington
    アメリカの外航客船。
    第一次世界大戦及び第二次世界大戦の際には軍に徴用され、輸送艦として用いられた。


*1 Fleet Balistic Missile Submarine.
*2 潜水艦を戦略拠点の攻撃に用いる」というコンセプト自体は、旧日本海軍の伊四〇〇型が源流であった。
*3 なお、この艦名と艦番号は同時期に建造されていた別の艦に与えられたが、後にその艦が不幸な事故を起こしてしまう。
*4 この事故で日昇丸の船長他2名が死亡、13名が付近を航行していた海上自衛隊やまぐも型?護衛艦「あおくも」に救助されている。
*5 このケースは、その20年後の2001年に起きた「えひめ丸事件」との類似性が指摘されている。
*6 横須賀には後任として「ロナルド・レーガン(CVN-76)」が配備されている。

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