Last-modified: 2022-05-12 (木) 20:09:30 (392d)
【ジェラルド・R・フォード】 †
USS Gerald R. Ford(CVN-78)
アメリカ海軍が開発・建造した原子力空母。
艦名は第38代合衆国大統領(1974年8月就任〜1977年1月退任)Gerald Rudolph Ford氏(1913年生〜2006年没)に由来する。
船体設計は、現在就役中のニミッツ級航空母艦を基礎としているが、本艦型では、新たに50年間燃料棒の交換が不要な新型原子炉が搭載され*1、発電量はニミッツ級の6.4万kwよりも3倍多い19.2万kwとなる。
また、ステルス性を重視した船体となり、飛行甲板もニミッツ級よりも広くなるため、搭載できる艦載機も多くなる。
カタパルトも、従来の蒸気カタパルトからリニアモーターで動く電磁カタパルトが搭載されるほか、操作人員の省力化が図られるなど、数多くの特徴が存在する。
本艦の建造は2009年に開始され、2017年7月22日に就役した*2。
この他、後記の通り同型艦3隻の建造が決定しており、最終的には10隻程度の建造が計画されている。
性能諸元 †
艦級 | ジェラルド・R・フォード級原子力空母 |
主造船所 | ニューポート・ニューズ造船所(ヴァージニア州)*3 |
排水量 (満載) | 101,600t |
全長 | 333m |
全高 | 76m |
最大幅 | 78m/77m(航空甲板) |
水線幅 | 41m |
喫水 | 12m |
機関 | ベクテル(Bechtel)A1B型加圧水型原子炉×2基 蒸気タービン×4基 |
推進器 | 5枚羽プロペラギヤ減速推進器×4軸 |
機関出力 | N/A |
発電能力 | 192,000kW |
速度 | 30kt+ |
乗員 | 4,660人(総乗員) 2,180人(操艦人員) 2,480人程度(航空要員) |
武装 | RIM-116「RAM」近SAM 21連装発射機×2基 RIM-162「ESSM」短SAM 8連装発射機×2基 ファランクス20mmCIWS×3基 M2 12.7mm重機関銃×4挺 |
艦載機 | 固定翼機/回転翼機 75機 (F/A-18E/F、F-35C、E-2C/D、EA-18G、C-2、SH-60、MH-60R/S、X-47?) |
発艦装備 | 先進型兵器エレベーター(Advanced Weapons Elevators,AWE)×3基 電磁式航空機発射システム(Electromagnetic Aircraft Launch System,EMALS)×3基 新型着艦制動装置(Advanced Arresting Gear,AAG) |
レーダー | AN/SPY-3? Xバンドアクティブフェイズドアレイレーダー×3面1基 (海上捜索およびESSM誘導用) AN/SPY-4 Sバンドアクティブフェイズドアレイレーダー×3面1基 (広域捜索用) AN/SPY-6(V)3 EASR(Enterprise Air Surveillance Radar)(2番艦(予定)) |
同型艦 †
艦番号 | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 母港 |
CVN-78 | ジェラルド・R・フォード (USS Gerald R. Ford) | 2009.11.13 | 2013.11.9 | 2017.7.22 | ノーフォーク海軍基地 バージニア州ノーフォーク |
CVN-79 | ジョン・F・ケネディ (USS John F. Kennedy) | 2015.8.22 | 2019.10.29 | 2024年予定 | - |
CVN-80 | エンタープライズ (USS Enterprise) | 2020年予定 | 2025年予定 | 2027年予定 | |
CVN-81 | ドリス・ミラー*4 (USS Doris Miller) | 2023年予定 | 2028年予定 | 2030年予定 | |
CVN-82 | - | 2027年予定 | 2032年予定 | 2034年予定 |
*1 現在のニミッツ級では25年に1度燃料棒の交換が必要であるが、本艦型では事実上、就役から退役まで燃料棒を交換しなくてもよいことになる。
*2 当初は2015年に竣工・就役の予定だった。
*3 現ノースロップ・グラマン・ニューポート・ニューズ。
*4 航空母艦に下士官の名前が使用されるのは今回が初である。