Last-modified: 2021-10-17 (日) 07:06:29 (3d)

【コンベア990】(こんべあきゅうきゅうぜろ)

Convair 990 "Coronado(コロナード)".

1950〜1960年代、アメリカのジェネラル・ダイナミクス社コンベア部門*1が開発・生産した中型ジェット旅客機
前作・モデル880の改良型として開発されたが、後述する理由により、同社最後の旅客機となった。

前作のコンベア880は「世界最速の旅客機」という触れ込みで発売されたが、実際の機体は期待通りの性能が出せず、エンジンの整備性の低さ*2や高騒音と黒煙、操縦の難しさや競合機に比べて少ないペイロード*3など、様々な欠陥を抱えていた。
そこで、ローンチカスタマーとなったアメリカン航空の要求に基づき、コンベア880が進空する前の1958年7月に開発が始まったのが本機である。

本機はコンベア880と基本設計を共通にしつつ、主翼を中心とした空力特性の改善、客席とペイロードの増大*4、アフトファン方式のCJ805-23Bターボファンエンジンへの換装、アビオニクスの信頼性向上などの改善が施された。
また、最大速力をマッハ0.91まで引き上げるため、エリアルールに基づく「スピードカプセル」と呼ばれる紡錘形の筒が主翼後縁からせり出すように付加された。

しかし、実際の製品ではそのスピードカプセルが予想以上の抗力を生んでしまい、また、エンジン由来の振動も予想以上に大きくなった。
また、エリアルール亜音速域では効果が薄く、またしても性能が保証値を下回ってしまった。
こうした理由から販売は伸び悩み、1962年にわずか39機で生産ラインが閉じられてしまった。

しかし、コンベア880が直面した信頼性の問題は解消されており「30年耐久」をうたった製造品質も良好だったため、1980年代中盤まで使われ続けた。
NASAでも大型チェイス機・高速実験機として1995年まで使用された。

なお、日本での運用はなかった。
また、細長い胴体構造から貨物機への改修もほとんどされなかった。

現在、運用されている機体はないが、アメリカ*5及びスイス*6で各1機が静態保存されている。

スペックデータ

乗員4名(機長副操縦士航空機関士航法員)+キャビンクルー
乗客数最大149名
全長42.6m
全高12.04m
翼幅37m
翼面積209
アスペクト比6.2
空虚重量60,328kg
最大ゼロ燃料重量72,575kg
最大離陸重量114,759kg
最大着陸重量91,626kg
エンジンGE CJ805-23Bターボファン×4基(推力71.4kN)
最高速度マッハ0.871
1,000km/h(高度6,096m、全備重量(AUW)90,718kg時)
最高許容降下速度マッハ0.91
巡航速度896km/h/マッハ0.84(高度10,668m)
失速速度202km/h(全備重量(AUW)77,111kg時、ギアダウン、フラップダウン)
航続距離6,115km(47,343kgの燃料、ペイロード11,689kgと予備燃料8,165kg)
上昇限度12,000m
翼面荷重549kg/
離陸滑走距離2,987m(最大離陸重量時(SR-422B Field length))
着陸滑走距離1,646m(全備重量77,111kg時(SR-422B Field length))

バリエーション

  • CV-660:
    旧称。発売直前に「CV-990」に改名された。

  • CV-990:
    基本型。

  • CV-990A:
    主翼前縁スラットをクルーガーフラップに改め、付け根のフィンの形状を変更、エンジンマウントを改良した型。
    後に全機が改修された。


*1 旧:コンソリデーテッド・ヴァルティ。
*2 超音速軍用機用(アフターバーナーは非搭載)のエンジンを用いていたため、機構に機密事項が多かった。
*3 ファースト/エコノミーの2クラスで90席と、増大する航空需要に対応できなかった。
*4 ファースト/エコノミーの2クラスで106席を確保した。
*5 機体記号:N810NA。NASAで用いられていた機体で、モハーヴェ空港のゲートガードとして展示。
*6 元スイス航空の機体。

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