Last-modified: 2015-12-20 (日) 15:57:20 (466d)

【ケスラーシンドローム】(けすらーしんどろーむ)

人工衛星・宇宙ロケットの運用に伴って発生が予期されている悲劇的シナリオ。
「ケスラー」の名はシミュレーションモデルの作成に関わったNASAの宇宙工学者ドナルド・J・ケスラーにちなむ。

なお、厳密な学術用語としての定義はない。
学術的には「衝突の連続発生」「暴走」「暴走増大」「自己持続的連鎖反応」などとまちまちに表現される。

スペースデブリが相互に、または人工衛星などと衝突すると、砕け散る事で軌道上のデブリの総数が増える。
この時、デブリが大気圏突入して軌道上から消える確率は、軌道上のデブリの密度に比例する。
一方、軌道上でデブリが衝突を起こす確率は、デブリの密度の2乗に比例する。

上記はあくまで概算であって実測値とは異なるが、論旨に影響はないとされる。

従って、軌道上のデブリの密度がある一定の値を上回ると、デブリの衝突・分裂が加速度的に増加し始める。
最終的には軌道上が微細ながら危険なデブリに覆い尽くされ、既存技術での宇宙開発は事実上不可能となる。

地球軌道上におけるケスラーシンドロームはすでに発生しているものと推定されている。
どの時点で深刻な危険が生じるかは定かでないが、遅くとも21世紀中には事態が顕在化するだろう。

何らかの技術的ブレイクスルーがない限り、将来的に人工衛星は運用不可能になる。
この予測に基づいてデブリを除去する技術の開発も進められているが、実用化には至っていない。


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