Last-modified: 2016-05-20 (金) 02:30:57 (342d)

【グリペン】(ぐりぺん)

JAS39 "Gripen*1".

スウェーデンのサーブ社が中心となって結成されたJASグループにより、ドラケン及びビゲンの後継として設計されたマルチロールファイター

スウェーデンの国防状況を考慮して造られた機体は、同世代の戦闘機と比較すると比較的保守的な設計と小型なサイズゆえに搭載能力航続距離こそ少ないが、高いSTOL能力と整備性を持ち、補強なしの高速道路からでも離着陸できるようになっている。
また、初期・運用経費などが他の戦闘機のおよそ1/2〜3/4程度に抑えられるとしている。

上記の特徴により、グリペンに興味を寄せている国は非常に多く、売り込みも活発に行われており、いくつかの国が採用を決定している。
最近ではプローブアンドドローグ空中給油装置の追加やデータリンクおよびIFFなどを換装したNATO標準仕様のJAS39C/Dが実用化されており、さらには推力を増したF414エンジンや、アビオニクスを強化した「グリペンNG」の開発も行われている。

過去にはアクティブフェイズドアレイレーダーIRST曳航式デコイコンフォーマルタンクなどを追加し、殆ど別の機と言っても過言では無い"SUPER-GRIPEN"が計画されていた。

スペックデータ

タイプJAS39AJAS39BJAS39CJAS39DJAS39EJAS39F
乗員1名2名1名2名1名2名
全長14.1m
(ピトー管除く)
14.76m14.1m14.76m15.2m-
全高4.5m
全幅8.4m8.6m
翼面積30.0
空虚重量6,622kg7,000kg6,800kg7,100kg7,100kg-
兵装搭載量5,300kg6,450kg
最大離陸重量12,500kg14,000kg16,500kg-
内部タンク
搭載燃料
3,000L
(2400kg)
2,850L
(2280kg)
-3,780kg-
滑走距離
離陸/着陸
7×400m/7×500m(制動傘無し)
Gリミット+9G、-3G
エンジンターボファン×1基
ボルボ・フリーグモーターRM12?GEF414-GE-39E?
推力54kN/80.5kN(A/B使用時)14,400lbs/22,000lbs(A/B使用時)
最高速度Mach2.0マッハ1.2で
超音速巡航可能
-
実用上昇限度15,240m
航続距離
(フェリー飛行時)
1,620nm
増槽使用時)
約3,000km
(増槽有り)
-2,500km
(増槽無し)
-
戦闘行動半径800km1,300km
(30分間の戦闘含む)
-
固定武装マウザーBK27 27mm機関砲×1門
兵装翼端にAAM2発、翼下4箇所の武装搭載点に下記兵装を搭載可能。
AAMRb74(AIM-9L)
AIM-9X
Rb98(IRIS-T)?
AIM-132「ASRAAM」
Rb99(AIM-120「AMRAAM」)
パイソン4
パイソン5
ミーティア
ダービー?
V3E「アジャイル・ダーター」
V4「R・ダーター」
AGM/ASMRb75(AGM-65「マーベリック」)
ブリムストーン?
DWS39ディスペンサー兵器
タウラス?空対地巡航ミサイル
AGM-154「JSOW」?
Rbs15F
爆弾・ロケット弾ペイブウェイシリーズ(GBU-10/-11/-12/-24)
GBU-31/-32/-38 JDAM
GBU-39 SDB
「リザードII/III」レーザー誘導爆弾
「スパイス」赤外線画像誘導(GPS誘導併用)誘導爆弾
通常爆弾
ロケット弾ポッド
偵察用装備・その他モジュラー偵察ポッドシステム「MRPS」(SPK39)
タレス・グループ ビコン18/72C戦術偵察ポッド
RECCELITE*2
AN/AAQ-28(V)?ライトニング照準ポッド
落下式燃料タンク(1,100L)
AACMIポッド*3
EHUD/FPR


主な採用国

南アフリカ共和国(チーターC/D?の代替。28機を購入。)
ハンガリー(MiG-29A/UBの代替として14機リース。)
チェコ(MiG-21MF/MFN/UMの代替で24機購入。2005年8月に機体納入完了。)
タイ王国(F-5の代替として12機購入。2011年から配備開始。)
イギリス(テスト・パイロット学校での練習機として採用。)
スイス(F-5E/Fの代替で30機前後の導入を検討中。)

バリエーション(カッコ内はスウェーデン空軍名称)

  • JAS39A(Adam):
    初期量産単座型。
    バウロス1、バウロス2/バッチ1、バウロス2/バッチ2の3種類ある。
    サーブ社内名称ではバウロス1はMk.1グリペン、バウロス2/バッチ1とバウロス2/バッチ2はMk.2グリペンと呼称されている。

  • JAS39B(Bertil):
    機銃を持たない転換訓練用複座型。SKとも呼称される。

  • JAS39C(Caesar):
    単座型にGPS端末を装備するなどA型の電子装置を改良したもの。
    また、国外運用およびNATO軍との連携を考慮し、プローブアンドドローグ方式の空中給油装置を追加装備している。

  • JAS39D(David):
    C型同等の改良を施した複座型。
    C型と比べて全長が65.5cm長く、空虚重量が約300Kg増加している。

  • グリペンDemo:
    複座型をベースに2008年4月23日にロールアウトしたグリペンNGの先行試験機。同5月27日に初飛行した。
    既存のグリペンC/DのエンジンをRM12(F404改)からF414Gに、レーダーをエリクソン社製PS-05/Aからタレスと共同開発したRBE2AESAに換装(後に、SELEXガリレオ・アヴィオニカのES-05「レイブン」に再換装)。
    さらに主脚を再設計し、格納位置を胴体部分から主翼付け根部分に移動させる事でエアフレームを流用したまま40%の燃料搭載量の大幅な増加を図った。
    また、主脚の格納方式の変更に伴い、胴体下のハードポイント数が1個から2個に増加している。

  • JAS39E/F グリペンNG(next generation):
    C/D型にさらなる近代化を施した発展型。
    エンジンをF/A-18E/Fに採用されているF414G?(推力約10t)への換装、ES-05「レイブン」AESAレーダーの搭載、IRSTの装備やコンピュータやアビオニクスの改良、衛星通信能力・改良型データリンク、改良型電子戦機器などの導入があげられる。
    スイスが採用したほか、スウェーデンでも既存機のE/F型への改修と新造機の導入を決定した。

  • シーグリペン:
    グリペンNGの艦載型。
    計画はスウェーデンと英国が共同で行い、着陸装置の強化、アレスティング・フックの取り付け、カタパルト射出用アタッチメントの取り付け、海水に対する腐食対策などが行われる。

    参照 http://sukhoi.s7.xrea.com/gripen/ http://www.gripen.com/en/index.htm

*1 スウェーデン語でグリフォン(有翼獅子。上半身が鷹、下半身が獅子の翼をもつ伝説上の生き物)の意。
*2 ライトニングベースの偵察ポッド。レーザー目標指示器を下ろし、0.7度の視野を有する赤外線画像方式のFLIRを搭載。
*3 戦闘訓練における飛行データの分析などに使われる記録装置。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS