Last-modified: 2017-03-21 (火) 19:09:01 (246d)

【クフィル】(くふぃる)

IAI Kfir (ヘブライ語で「若獅子」の意)

イスラエルのIAIが製造していた戦闘攻撃機
ただし制空戦闘への投入は想定されておらず、戦闘機の撃墜記録は通算0.5機のみに止まっている*1

ミラージュ5デッドコピーにあたるネシェルをベースに、主機J79に換装したモデル。

改修以前のネシェルはフランス製のSNECMAアター09C-5を主機として採用されていた。
しかし、フランス政府は第三次中東戦争に際して対イスラエル武器禁輸措置を発動。
アターエンジンの部品も禁輸対象となったため整備部品の枯渇が危惧され、エンジン換装に伴う改修が必要になった。

エンジンの変更に伴って胴体の再設計が必要になり、アフターバーナー冷却用のサブインテークが追加された。
また、初期には目標捜索レーダーをあえて搭載せず、測距用の空戦レーダーのみを装備していた事でも知られる。

中東戦争以来のイスラエル国境は「滑走路上から敵機が目に見える」と揶揄される独特の戦闘環境で知られる。
この環境と、そもそも攻撃機として調達された事もあり、航空レーダーの利点よりも稼働率の向上が優先されたという。

アメリカ企業のエンジンライセンス生産しているため、権利元であるアメリカ政府から輸出制限の対象とされている。
このため、イスラエル軍以外の採用実績はエクアドルやスリランカ、コロンビアと極少数にとどまっている。

主な採用国

スペックデータ

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長15.65m
全高4.55m
全幅8.22m
主翼面積34.8
空虚重量7,285kg
運用時重量10,415kg
最大離陸重量16,500kg
最大兵装搭載量6,085kg
エンジンGE/IAIJ79-IAI-J1Eターボジェット×1基
推力52.89kN/83.4kN(A/B使用時)
最大速度マッハ2.3
海面上昇率14,000m/min
実用上昇限度17,700m/22,860m(ズーム上昇)
フェリー航続距離1,744nm
荷重制限+7.5G
戦闘行動半径419nm(Hi-Hi-Hi、迎撃ミッション時)/640nm(Hi-Lo-Hi、対地攻撃ミッション時)
固定武装DEFA552 30mm機関砲×2門
搭載兵装
AAMサイドワインダーシャフリルパイソン?
AGMマーベリック
ARMシュライク
爆弾/ロケット弾/増槽類Mk.82無誘導爆弾
GBU-13レーザー誘導爆弾
TAL-1/2クラスター爆弾
BLU-107「デュランダル」滑走路破壊用特殊爆弾
HOBOS
ロケット弾ポッド
増槽


バリエーション

  • クフィルC.1:
    初期型。クフィル1とも呼ばれた。
    ネシェルエンジンをJ79-J1E(J79-GE-17のライセンス生産品)に変更したもので、カナード翼は装備していない。

  • クフィルC.2:
    生産型。
    C.1に後退翼形のカナードドッグツースコニカルキャンバーなどを追加し、空力特性を大幅に改良したもの。
    搭載能力強化のために主翼外側にパイロンが2つ追加されている。
    エクアドールやスリランカにも輸出された。

    • クフィルTC.2:
      C.2の複座練習型。
      機首が延長され、前方視界を確保するため垂れ下がった形状になっている。

    • クフィルRC.2:
      C.2の偵察機型。
      機首が延長され偵察用カメラ機材を搭載している。

    • クフィルC.7:
      C.2の改良型で、エンジンに数分間だけ出力を5%増加させられる「コンバット・プラス」改修を施したもの。
      また、コックピットHOTAS概念を導入し、目標捜索レーダーを装備、ハードポイントも2ヶ所増設されている。
      イスラエルとコロンビアの機体はこの仕様に改修されたほか、スリランカも追加発注により数機を配備。

      • クフィルTC.7:
        C.7の複座練習型。

  • クフィルC.10:
    アップグレード型。クフィル2000とも呼ばれる。
    外見上は南アフリカのチーターC?によく似た形状をしている。
    レーダーをEL/M-2032へ換装し、アクティブレーダー誘導ミサイルの運用が可能になった他、グラスコックピット化された。
    エクアドルのクフィルC.2が1999年よりC.10仕様に改修・配備されている。

    • クフィルTC.10:
      C.10の複座練習型。

    • クフィルCE:
      エクアドルのクフィルC.2をC.10仕様に改修した機体の名称。

    • クフィルC.12:
      レーダーを換装せず対地攻撃に最適化されたもの。
      コロンビアのC.2の一部がこの仕様になっている。


*1 1979年6月27日、シリアにてF-15とクフィルで構成された編隊MiG-21・1機と交戦し、これを撃墜。2機による共同撃墜として処理されている。

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