Last-modified: 2022-06-28 (火) 16:37:04 (100d)

【クフィル】(くふぃる)

IAI "Kfir" (כפיר, ヘブライ語で「若獅子」の意)

イスラエルのIAIが製造していた戦闘攻撃機
前世代のネシェルをベースに、主機ジェネラルエレクトリック社製のJ79に換装したモデル。

ネシェルはフランス製戦闘機ミラージュ5デッドコピーで、主機もフランス製のSNECMAアター09C-5を採用。
エンジン関係の部品類の多くをフランスからの輸入に頼っていた。
しかし、第三次中東戦争に際してフランス政府が対イスラエル武器禁輸措置を発動。
この制裁によってSNECMAアター09C-5の整備部品が禁輸されたため、国内生産に移行するための改修が必要となった。

エンジンの変更に伴って胴体の再設計が必要になり、後部胴体を太くしてエアインテークを拡大、重心を合わせるために尾部が0.6m短くなっている。
垂直尾翼基部にはアフターバーナー冷却用の、後部胴体にはタービン冷却用のサブインテークが追加された。

アメリカ企業ジェネラルエレクトリックエンジンライセンス生産しているため、アメリカ政府から輸出制限を通達されている。
このため、イスラエル軍以外の採用実績はエクアドルやスリランカ、コロンビアと極少数にとどまっている。

主な採用国

スペックデータ(クフィルC.2)

乗員1名(単座型)/2名(複座型)
全長15.65m
全高4.55m
翼幅8.22m
主翼面積34.8
空虚重量7,285kg
総重量11,603kg
最大離陸重量16,200kg
エンジンGE/IAIJ79-IAI-J1Eターボジェット×1基
推力52.9kN(ドライ推力
79.62kN(A/B推力)
最高速度マッハ2(2,440km/h、高度11,000m)
戦闘行動半径768km(対地攻撃ミッション時、Hi-lo-Hi、227kg爆弾×7発、
AAM×2発、1,300Lドロップタンク×2基)
実用上昇限度17,680m
上昇率233m/s(45,900ft/min)
固定武装DEFA552 30mm機関砲×2門(弾数140発)
搭載兵装
AAMサイドワインダーorシャフリルorパイソン?×2発
AGMマーベリック×2発
ARMシュライク×2発
ロケット弾マトラ JL-100ドロップタンク/ロケットパック
(SENB 68mmロケット弾×19発+66 USガロン(250リットル)増槽
爆弾類9か所のハードポイントに5,775kgまで搭載可能
Mk.80シリーズ無誘導爆弾
ペイブウェイシリーズ
「グリフィン」レーザー誘導爆弾
Smart-MK-Bomb GPS/INS誘導爆弾
GBU-13レーザー誘導爆弾
TAL-1/TAL-2クラスター爆弾
BLU-107「デュランダル」滑走路破壊用特殊爆弾
その他偵察ポッド増槽


バリエーション

  • ラーム/バラク:
    プロトタイプ。

  • クフィルC.1:
    初期型。クフィル1とも呼ばれた。
    ネシェルエンジンをJ79-J1E(J79-GE-17のライセンス生産品)に変更したもので、カナード翼は装備していない。

    目標捜索レーダーをあえて搭載せず、測距用の空戦レーダーのみを装備していた。

    中東戦争以来のイスラエル国境は「滑走路上から敵機が目に見える」と揶揄される独特の戦闘環境で知られる。
    この環境と、そもそも攻撃機として調達された事もあり、航空レーダーの利点よりも稼働率の向上が優先されたという。

  • F-21A「ライオン」:
    クフィルC.1をアメリカ海軍/海兵隊向けのアドバーサリー機として採用した際の名称。
    エアインテークにカナード翼を装備している。
    F-16N導入までのつなぎとして25機がリースされた。

  • クフィルC.2:
    主生産型。
    C.1に後退翼形のカナードドッグツースコニカルキャンバーなどを追加し、空力特性を大幅に改良したもの。
    搭載能力強化のために主翼外側にパイロンが2つ追加されている。
    エクアドルやスリランカにも輸出された。

    • クフィルTC.2:
      C.2の複座練習型
      機首が延長され、前方視界を確保するため垂れ下がった形状になっている。

    • クフィルRC.2:
      C.2の偵察機型。Kfir Tzniutとも。
      機首が延長され偵察用カメラ機材を搭載している。

    • クフィルC.7:
      C.2の改良型で、エンジンに数分間だけ出力を5%増加させられる「コンバット・プラス」改修を施したもの。
      また、コックピットHOTAS概念を導入し、エルタ EL/M-2021B目標捜索レーダーを装備、ハードポイントも2ヶ所増設されている。
      イスラエルとコロンビアの機体はこの仕様に改修されたほか、スリランカも追加発注により数機を配備。

      • クフィルTC.7:
        C.7の複座練習型。

  • クフィルC.9:
    アルゼンチン向けに提案されたエンジンアター9K50に換装した型。
    計画はキャンセルされたが、後にアトラスチーター?として発展した。

  • クフィルC.10:
    アップグレード型。クフィル2000とも呼ばれる。
    外見上は南アフリカのチーターC?によく似た形状をしている。
    レーダーをEL/M-2032へ換装し、アクティブレーダー誘導ミサイルの運用が可能になった他、HMD?と127×177mmMFD2基を装備しグラスコックピット化された。

    • クフィルTC.10:
      C.10の複座練習型。

    • クフィルCE:
      エクアドルのクフィルC.2をC.10仕様に改修した機体の名称。

    • クフィルCOA:
      コロンビアのクフィルC.2をC.10仕様に改修した機体の名称。

    • クフィルC.12:
      レーダーをEL/M-2032に換装せず対地攻撃に最適化されたもの。
      コロンビアのC.2の一部がこの仕様になっている。

    • クフィル Block.60:
      C.10のアップグレード型。AESAレーダーを搭載。

    • クフィルNG(Next-Generation):
      2019年のパリ航空ショーで発表されたコロンビア、エクアドル、スリランカ向けアップグレード型。


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