Last-modified: 2020-02-18 (火) 19:41:51 (289d)

【クイーンエア】(くいーんえあ)

Beechcraft Queen Air.

アメリカのビーチクラフト社が1950〜1970年代に開発・生産していた双発レシプロビジネス機
前作「ツイン・ボナンザ?」をベースに胴体断面の直径を大きくし、エンジン出力を強化した機体である。
また、完全な計器飛行用機器を標準装備するだけでなく、オプションで自動操縦装置や気象レーダーも搭載でき、当時の旅客機に匹敵する能力を有していた。

元はアメリカ陸軍が「L-23『セミノール』」の名前で運用していたツイン・ボナンザの後継として、1958年に開発が開始され、試作機が初飛行
翌年には陸軍に制式採用され「L-23F*1」という制式名が与えられた。
1960年には民間向けモデルの「モデル65」が生産開始され、以後「モデル70」「モデル80」「モデル88」と改良されながら1978年までに510機が生産された。

なお、本機を基にターボプロップ化したものが、現在も生産され続けている「キングエア」である。

日本でのクイーンエア

日本では国土地理院・海上自衛隊及び航空自衛隊が本機を運用していた。

1960年、国土地理院が写真測量用としてモデル65を1機購入。
間もなくこの機体は海上自衛隊に運航を委託することになり「B-65P『くにかぜ』」という形式名・愛称で呼ばれることになった。
海自はその後、多発機パイロット候補生の計器飛行訓練用機としてモデル65を19機、モデルA65を9機導入、「B-65『うみばと』」として1980年代まで用いていた。

なお、モデルA65のうち5機は航空自衛隊から管理を委託されていた機体であり、1980年に航空自衛隊に返却され、連絡輸送機としてU-4に交代する1999年まで用いられていた。

スペックデータ

乗員1〜2名
乗客数4〜9名
全長10.82m
全高4.331m
翼幅15.32m
翼面積27.3
翼型root:NACA 23020、tip:NACA 23012
空虚重量2,394kg
最大離陸重量3,992kg
燃料容量通常時:810リットル(214 USgal)
オプションの補助タンク付き:1,000リットル(264 USgal)
エンジンライカミング IGSO-540 A1D空冷水平対向6気筒(スーパーチャージャー付き)×1基
(出力380hp(280kW))
プロペラハーツェル3枚翅定速プロペラ
最高速度398km/h(高度3,500m時)
巡航速度294km/h(高度4,600m、出力45%(経済巡航))
失速速度131km/h(ギアフラップダウン、IAS
航続距離2,439km(高度4,600m、出力45%)
上昇限度8,200m
上昇率6.48m/s
離陸滑走距離
(15m)
779m
着陸滑走距離
(15m)
784m


派生型

  • モデル65:
    初期型。
    日本の海上自衛隊にも19機(B-65「うみばと」)、国土地理院に1機(B-65P「くにかぜ」・運航は海上自衛隊に委託)を導入。

  • モデルA65:
    後退角付き垂直尾翼を装備し、燃料搭載量を増加した型。
    日本の海上自衛隊にも9機導入(うち5機は航空自衛隊から委託)。

  • モデル80:
    大出力型。
    「A80」「B80」のバリエーションがあり、A80では翼幅が伸び、より大きな重量での運行が可能になった。

  • モデル70:
    モデルA65にモデルA80の主翼を組み合わせた機体。

  • モデル88:
    モデルB80に丸型の客室窓を組み合わせた与圧型。

  • L-23F「セミノール」:
    アメリカ陸軍に採用された軍用型。後に「U-8F」に改称。

    • U-8G:
      エンジンを換装し、収容能力を高めた型。

  • U-21「ユート」:
    エンジンをターボプロップに変更した軍用型。


*1 後に「U-8F」と改称。

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