Last-modified: 2017-03-05 (日) 17:28:46 (19d)

【キングエア】(きんぐえあ)

Beechcraft King Air.

アメリカのビーチクラフト社*1が1960年代から生産・販売しているターボプロップビジネス機
航空業界再編により権利の継承が行われており、現在の権利元はレイセオン社。
現在生産・販売されているビジネス機では、数少ないターボプロップ採用の機体である*2

民間用だけでなく、練習機連絡機輸送機などとしていくつかの軍にも採用されている。

スペックデータ

タイプモデルB100モデルB200モデル350
乗員2名(機長副機長
ペイロード乗客13名(最大)乗客14名(最大)乗客16名(最大)
全長12.17m13.34m14.22m
全高4.70m4.57m4.37m
全幅14.00m16.61m17.65m
ウイングレット含む)
翼面積-28.1528.80
空虚重量3,212kg3,675kg4,132kg
最大離陸重量5,352kg5,670kg6,804kg
エンジンターボプロップ×2基
ギャレット TPE-331-6-251BP&W・K PT6A-42P&W・K PT6A-60A
出力715shp(533kW)850shp(634kW)1,050shp(783kW)
速度
(最大/巡航)
- / 495km/h
(高度12,000ft)
545km/h / 536km/h
(ともに高度25,000ft)
584km/h(高高度)/ 558km/h(高度24,000ft)
実用上昇限度8,575m10,670m+
航続距離2,456km3,656km3,672km
(乗員4名、最大航続仕様時)


主なバリエーション

  • モデル90シリーズ(標準尾翼型)
    • モデル65-90:
      初期型。エンジンはプラット&ホイットニー・カナダ PT6A-2(500shp)を搭載。

    • モデル65-A90:
      与圧能力を向上させた型。エンジンはPT6A-20(550shp)を搭載。

    • モデルB90:
      離陸重量を増加させ、主翼スパンを延長した型。

    • モデルC90:
      モデル100の構造を採用した型。エンジンはPT6A-20A(550shp)を搭載。

    • モデルE90:
      モデルC90の高出力型。エンジンはPT6A-28(680shp)を搭載。

    • モデルC90-1:
      モデルC90の改良型。
      与圧能力を向上させ、キャビン後方荷物室と機首アビオニクス機器ベイを拡大した。

    • モデルC90A:
      モデルC90-1の改良型。エンジンはPT6A-21(550shp)を搭載。
      エンジン吸気口はモデル300において開発されたピトーインテークを採用し、排気管も従来の円断面から楕円断面とし、空気抵抗の低減とともに排気効率も向上させた。
      また、与圧能力を向上させ、主脚の引き込み機構を油圧式に変更し信頼性向上とメンテナンス容易化を図っている。

    • モデルC90B:
      モデルC90Aの改良型。
      艤装のエアフレームへの取り付け方法変更*3によってキャビン内のノイズレベルを低減させている。
      また、キャビン静粛性向上の為の4翅プロペラや新型プロペラ同調装置を採用し、コックピットにはEFISが導入された。

  • モデルC90SE*4
    モデルC90Bと平行して販売された廉価版。
    EFISではない標準的なアナログ計器、3翅プロペラ、簡素な内装トリムなどを導入した。

  • モデルC90GT:
    モデルC90Bの改良型。エンジンはPT6A-135A(750shp(FlatRated? 550shp))を搭載。
    エンジン出力の向上により、燃料消費を抑えながらもモデルB200並みの巡航速度を実現している。

  • モデルC90GTi:
    モデルC90GTのアビオニクス改良型で、操縦計器にロックウェル・コリンズ社製の統合型アビオニクス・パッケージのプロライン21を装備したモデル。
    従来のモデルC90に比べフライトマネジメント機能は格段に向上した。

  • モデルC90GTx:
    モデルC90GTiの翼端を延長してウィングレットを装備し、最大ペイロードを増大させたモデル。

  • 軍用型
    • VC-6:
      アメリカ空軍がリンドン・ジョンソン大統領専用機として採用した型。

    • T-44A「ペガサス」:
      アメリカ海軍の多発機練習機型。

    • U-21「ユート」:
      アメリカ陸軍での多用途機型。

    • LC-90:
      海上自衛隊の連絡輸送機型。C90Aベース。

    • TC-90:
      海上自衛隊練習機型。 ベースとなったのは初号機〜11号機がC90、12号機〜18号機がC90-1、19号機〜34号機がC90A、35号機以降がC90GTとなっている。

    • UC-90「くにかぜII」:
      TC-90から1機が改造された国土地理院の地図作成用航空写真撮影機*5。すでに退役。

  • Fシリーズ(T字尾翼型)
    • モデルF90:
      モデル200において開発されたT字尾翼と小径ダブル主脚を採用した高性能版モデル90。
      エンジンはPT6A-135(750shp)を搭載。

    • モデルG90:
      モデルF90にギャレット・エアリサーチ社製TPE-331エンジンを搭載した型。
      販売に至らず。

    • モデルF90-1:
      モデルF90の改良型。
      ピトーインテークを採用し、燃料搭載量を増加させた。

  • モデル100:
    モデル90の再設計型。
    キャビンを延長し2座席増席した他、垂直尾翼水平尾翼が大型化され、水平尾翼に後退角がついた。
    エンジンはPT6A-28に換装している。

    • モデルA100:
      改良型。
      搭載燃料の増加、離陸重量の増加、プロペラの4翅・小径化など。

    • モデルB200:
      キングエアシリーズでは唯一、ギャレット・エアリサーチ社製エンジンを搭載したモデル。
      TPE-331-6-251B/252(Flat Rated 715shp)を搭載する。

  • モデル200:
    モデル100をベースに巡航性能や積載性能を向上させた型。
    エンジンはPT6A-41(850shp)を搭載している。

    • モデル200T:
      沿岸警備などの用途向けに開発された型。
      翼端燃料タンク(50ガロン)を装備して航続距離を伸ばし、捜索用の大型窓や胴体下部の追加レーダーバルジなどを装備する。

    • モデル200C:
      貨物輸送用途での利便性を高める為に幅広のカーゴドアを装備したモデル。

    • モデルB200/B200C:
      与圧能力を向上させ、コクピット内のペデスタルがダブル幅となり多様な装備に対応可能になった。
      エンジンはPT6A-42(850shp)を搭載。
      ガスジェネレータ・ホットセクションが改良されてタービン温度の余裕が増えた分、上昇性能・高空性能は向上している。
      モデルB200Cは幅広カーゴドア装備モデル。

    • モデルB200T/B200CT:
      モデルB200の派生型で、翼端燃料タンクを搭載可能にした型。
      モデルB200CTは幅広カーゴドア装備モデル。

    • モデル1300コミューター:
      モデルB200をコミューター機に改装した型。
      乗客を13名まで乗せることができ、胴体下部に取り外し可能な貨物ポッドを装備できる。
      機体面では低速/高迎え角飛行時の安定性向上のため胴体下部に2枚のストレーキが追加された。

    • モデルB200SE:
      モデルB200の派生型。
      コリンズ社製のEFISと自動操縦装置を装備している。

    • モデルB200GT:
      高空における速度性能、上昇性能を向上させた型。
      エンジンはPT6A-42(モデルB200用)のギアボックスに高出力なPT6A-60(モデル350用 1,050shp)のコアセクションを組み合わせたPT6A-52(850shp)を搭載。

    • モデル250:
      新型プロペラへの換装やウィングレットの追加を行い、最大巡航速度や航続距離、離着陸性能を向上させたモデル。

    • C-12「ヒューロン」
      アメリカ軍向け人員輸送機型。詳しくは項を参照。

  • モデル300:
    機体寸法はモデル200そのままに搭載エンジンを換装、積載量は最大離陸重量14,000ポンドまで増加させた型。
    それに対応して機体構造も強化されている。
    エンジンはPT6A-60A(1,050shp)を搭載。

    • モデル350(モデルB300):
      モデル300の胴体を延長して2座席を追加し居住性を改善、積載量を増加、主翼スパンを延長してウィングレットを装備し飛行特性と航続性能を改善した型。

    • モデル350ER*6
      海上における警備・監視・レスキューでの使用を想定したモデル。
      燃料搭載量を増加する為、モデル350をベースに通常はロッカールームとして利用されているエンジンナセル後方のスペースを燃料タンクとし、これに伴い着陸脚などの強度を向上させて最大機体重量16,500lbで運用可能にした。

    • モデル350i:
      モデル350の機体・エンジンはそのままにキャビン装備を充実したモデル。

    • LR-2
      陸上自衛隊連絡偵察機型。詳しくは項を参照。

*1 現ホーカー・ビーチクラフト社。
*2 他にはイタリア・ピアッジョ社のP.180がある程度。
*3 バイブレーションアブソーバー(Tuned Dynamic Vibration Absorber)と称する金具を介してフローティングマウントする。
*4 Special Editionの略。
*5 運用は海上自衛隊に委託されていた。
*6 Extended Range(航続距離延長)の意。

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