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【キティホーク】 †
Kittyhawk.
- アメリカ東海岸のノースカロライナ州にある地名。
ライト兄弟が動力付き飛行機「フライヤー」の初飛行を行った場所として有名。
- P-40「ウォーホーク」のイギリス空軍向け輸出型の名称。
バトル・オブ・ブリテンにも投入された。
- NASAの有人月探査宇宙船「アポロ14号」の司令船*1につけられたコールサイン。
- APV-1/AKV-1 USS Kitty Hawk
第二次世界大戦で活躍した航空機輸送艦。
アメリカ海軍が徴用した鉄道連絡船「シートレイン・ニューヨーク」を改修したものである。
- CVA-63 USS Kitty Hawk(後にCV-63)
キティホーク級航空母艦の一番艦。
フォレスタル級を改良する形で設計されており、「改フォレスタル級」とも呼ばれる。
満載排水量は8万トンに達した。
最も重要な変更点はアイランドとエレベーターの位置変更で、これにより艦載機をカタパルトへ導きやすくなり、発艦効率が格段に向上した。
ベトナム戦争では1965年から1972年にかけ、6回派兵されている*2。
なお、3番・4番艦は当初、原子力空母として計画されたが、当時の財政難から通常動力型に変更された経緯がある。
そのため建造時期が遅く、またエンタープライズ(CVN-65)の反省を踏まえていることから、それぞれ「アメリカ級」「ジョン・F・ケネディ級」と呼ばれることもある。
一時期はアメリカ海軍2番目の最古参艦として「OLD NAVY JACK」旗*3が与えられていた。
また、空母で始めてRAMを搭載した艦でもある。
2000年代に入ってから、他の同級艦やフォレスタル級などが相次いで退役となり、練習艦として残されていた「ジョン・F・ケネディ」も2007年に退役した。
以降、本艦はアメリカ海軍における唯一の通常動力による正規空母となり、長らくアメリカ海軍第7艦隊に所属し、横須賀を母港としていたが、老朽化のため2008年に退役した。
本艦の後継として、ニミッツ級原子力空母「ジョージ・ワシントン(CVN-73)」が横須賀に配備された*4。
しかし、原子力空母が日本を母港とすることに対する反対運動も根強く、配備後の現在も未だに議論の対象となっている。
性能諸元 艦名 CV-63(CVA-63)キティホーク(USS Kitty Hawk) 艦種 キティホーク級航空母艦 主造船所 ニューヨーク造船(CV-63)
ブルックリン海軍工廠(CV-64)
ニューポート・ニューズ造船所*5(CV-66、CV-67)その後 2017.10.25 スクラップとして解体 排水量
(基準/満載)61,351t/83,301t 全長 323.8m 全幅 39m 飛行甲板幅 76.8m 喫水 10.9m 主缶 フォスター・ホイーラー式水管罐×8基
バブコック&ウィルコックス式水管罐×8基(CV-67)主機 ウェスティングハウス製蒸気タービン×4基(出力280,000馬力) 推進器 スクリュープロペラ×4軸 最大速力 35ノット 乗員 5,624名 兵装 シースパロー8連装短SAM発射機×2基(CV-66、CV-67は3基)
ファランクスCIWS×2基(CV-64、CV-66は3基)
RIM-116「RAM」21連装近SAM発射機×2基(CV-63、CV-67のみ)搭載機 CTOL機72機 + ヘリコプター6機
(F-4、F-14、F/A-18A〜D、F/A-18E/F、A-1、A-4、A-5、A-6、A-7、E-2、
EA-3B、EA-6B、S-3、C-1、C-2、SH-3、SH-60等)レーダー AN/SPS-39 3次元式×1基(後にAN/SPS-48に換装)
AN/SPS-43 対空捜索用×1基(後にAN/SPS-49に換装)
AN/SPS-67 対水上捜索用×1基
AN/SPS-64 航海用×1基
AN/SPS-46 精測進入用×1基
Mk.95 射撃指揮用×1基(短SAM用)母港 アメリカ海軍横須賀基地
同型艦 艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役・除籍 CVA-63
↓
CV-63キティホーク
(USS Kitty Hawk)1956.12.27 1960.5.21 1961.4.21 2009.1.31 CVA-64
↓
CV-64コンステレーション
(USS Constellation)1957.9.14 1960.10.8 1961.10.27 2003.8.7
2003.12.2CVA-66
↓
CV-66アメリカ
(USS America)1961.1.9 1964.2.1 1965.1.23 1996.8.9 CVA-67
↓
CV-67ジョン・F・ケネディ
(USS John F. Kennedy)1964.10.22 1967.5.27 1968.9.7 2007.8.1
*1 現在はフロリダ州タイタスビルの「宇宙飛行士殿堂」に保存されている。
*2 なお、湾岸戦争には延命改修工事中だったため不参加。
*3 アメリカ海軍で最古参の艦に与えられる旗。この旗が与えられたのはコンスティチューション(木造フリゲート)に次いで2隻目である。
本艦の退役に伴い、この旗はエンタープライズに承継されたが、こちらも2012年12月に退役し、現在は1975年就役の原子力空母「ニミッツ」に承継されている。
*4 その後、同艦は2015年に原子炉の燃料棒交換を含めた大規模メンテナンスのため、艦隊総軍へ転属するとともに米本土に回航され、後継として「ロナルド・レーガン(CVN-76)」が配備された。
*5 現:ノースロップ・グラマン・ニューポート・ニューズ(NGNN)。