Last-modified: 2020-05-16 (土) 06:33:17 (168d)

【ガルフストリームG550】(がるふすとりーむ じーごーごーぜろ)

Gulfstream G550.

アメリカのガルフストリーム社が、ガルフストリームの後継として2000年代に開発・生産した長距離ビジネス機
2001年に試作機が初飛行し、2003年から顧客への引き渡しが始まった。

本機の開発は、1999年にガルフストリームの改良型として「G-SP(Special Performance)」の名称で始まった。
前作のガルフストリームは、ニューヨーク〜東京間を無着陸で飛行できる航続距離を備えていたが、天候条件(向かい風が強かったり、気温が高かったりなど)によっては途中でのテクニカルランディングが必要であった。
そこで、ニューヨーク〜東京間の無着陸飛行を恒常的にできるように、航続距離ガルフストリームより250海里伸ばすなどの改良を施したのが本機である。

また、本機ではコックピットの更なるグラスコックピット*1*2キャビンの容積拡大*3などといった改良も加えられている。

なお、キャビンのレイアウトやオプションパッケージは複数用意されており、オーナーの意向に合わせてカスタマイズが可能であった。

本機は民間需要のみならず、軍用機としても高い評価を得ており、アメリカ空軍が「C-37B」の名称で採用している他、イスラエルのIAI社によって早期警戒機型や電子戦機型が開発されている。
また、アゼルバイジャン、クウェート、モロッコ、ナイジェリア、サウジアラビア、タンザニアといった国々でも政府専用機やVIP輸送機として用いられている。

スペックデータ

乗員数パイロット2名、フライトアテンダント0〜2名
容量乗客14〜19名、ペイロード2,812kg
キャビン寸法
(高さ×幅×長さ)
1.88m×2.24m×13.39m
キャビン容積47.26m³
貨物室容積4.81m³
キャビン高1,829m
全長29.39m
全高7.87m
翼幅28.50m
空虚重量21,909kg
総重量24,721kg
最大離陸重量41,227kg
燃料容量18,773kg
エンジンロールス・ロイス BR710C4-11ターボファン×2基
(出力68.44kN(15,385lbf))
超過禁止速度M0.885(高度12,497m)
最高速度M0.85(高度12,497m)
巡航速度M0.8(高度12,497m)
航続距離12,500km
上昇限度16,000m
滑走距離
離陸/着陸
1,801m/844m


バリエーション

  • 民間
    • G550:
      基本モデル。

    • G500:
      G550の燃料タンクを縮小して航続距離を短くしたモデル。
      軽量化のおかげで離陸に必要な滑走距離が短くなり、滑走路の短い小規模な空港でも利用可能になった。
      なお、G550で標準装備のEVSはオプションとなっている。
      G550ほどの需要は得られず、就航機数は9機のみであった。

  • 軍用
    • G550 CAEW(Conformal Airborne Early Warning):
      IAI社がG550をベースに開発したAEW&C型。
      EL/W-2085レーダーを胴体側面、機首、尾部にコンフォーマル式に設置している。
      イスラエル軍では"Eitam"(あるいは、"Nahshon-Eitam")のニックネームが付けられている。
      改良も行われており、2010年からは海洋監視能力が付加され、2017年には無人航空機を検出するセンサーが追加されている。
      イスラエルのほか、シンガポールやイタリアにも輸出されている。

    • G500 SEMA(Special Electronic Missions Aircraft):
      IAI社がG500ベースに開発した電子戦機型。
      イスラエル軍では"Shavit"(あるいは"Nahshon-Shavit")のニックネームが付けられている。

    • C-37B:
      アメリカ空軍向けVIP輸送機型。

    • EC-37B:
      EC-130H「コンパスコール」の後継として提案された電子戦機型。

    • NC-37B:
      G550 CAEWのアメリカ海軍向け派生型。NP-3Dの後継。

    • MC-55A Peregrine:
      オーストラリア空軍向け情報収集機(SIGINT/ELINT)型。


*1 HUDやEVS(エンハンスト・ヴィジョン・システム)の採用など。
*2 なお、型式限定はガルフストリームと同一とされており、ガルフストリームの操縦資格があるパイロットであれば転換訓練なしで操縦できるようになっている。
*3 16人が楽に座れ、最大8床の寝台に変えることもできる。
  なお、最大乗客数は19名とされている。


トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS