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【エセックス】 †
Essex
かつてイギリスに存在した東サクソン王国のこと。現在も地名として残るほか、アメリカにもこれにちなんだ同様の地名が多数見られる。
- Essex class ships of the line.
18世紀、イギリス海軍で運用されていた64門3等戦列艦。
「エセックス」と「アフリカ」の2隻があった。
スペックデータ 種別 3等戦列艦 全長 48m(砲列甲板)
39.5m(竜骨)全幅 13.5m 喫水 5.7m 機関 帆走(3本マストシップ) 兵装 上砲列:18ポンド(8kg)砲×26門
下砲列:24ポンド(11kg)砲×26門
後甲板:4ポンド(2kg)砲×10門
艦首楼:9ポンド(2kg)砲×2門
計64門
同型艦 艦名 主造船所 発注 進水 その後 エセックス
(Essex)ウェルズ&スタンソン
(ロザーハイス)1759.1.31 1760.8.28 1799.売却 アフリカ
(Africa)ペリー
(ブラックウォール)1761.8.1 1774.解体 - CV-9 USS Essex
アメリカ海軍がヨークタウン級の設計をベースに建造・就役させた航空母艦。
ワシントン海軍軍縮条約の失効を受け、アメリカ下院議員のカール・ビンソンが提唱した艦艇増強策の一環として建造が決まった。
基準排水量はヨークタウン級の19,800トンに比べ、本艦では27,100トンと大幅に拡大されており、艦載機の搭載・運用能力に大幅な余裕が生まれた。
艦首飛行甲板に油圧カタパルトを2基備えていたのに加え、格納庫にも予備カタパルトを1基装備していたが、後者は実用性に乏しく後に廃止された。
就役は太平洋戦争開戦から約1年後の1942年12月となっており、終戦までに同型艦を含め17隻が就役し、そのうち14隻が太平洋へ投入された。
本級のうち船体を延長したロングハル型をタイコンデロガ級として区別する場合もある。
本艦の初陣は1943年8月、同型艦のヨークタウン(CV-10)や軽空母インディペンデンス?(CVL-22)とともに実施した南鳥島攻撃である。
その後フィリピンや沖縄などを転戦し、特攻機などの直撃を幾度も受けながら生き抜いた。*1
太平洋戦争が終結し、同型艦が建造キャンセルやモスボール処理を受ける中、本艦はジェット艦上機に対応するための改修(SCB-27)*2を受け、朝鮮戦争にも参加したが、運用上の問題も多く、1955年から更なる改修工事(SCB-125)*3を受けた。
同型艦の多くも前後してこれらの改修を受けている。「オリスカニー」は太平洋戦争後に建造が中断されていたが、SCB-27のテストベッドとして建造が再開され、1950年に就役した。
しかしそれでもF-4などの新鋭機を運用することはできず、本艦は1960年に対潜空母へ艦種変更され、1969年に退役した。
同型艦も同様に艦種変更および退役が進み、最後に残った練習空母「レキシントン」も1991年に退役している。
現在、「ヨークタウン(CVS-10)」、「イントレピッド(CVS-11)」、「ホーネット(CVS-12)」および「レキシントン(AVT-16)」の4隻が保存され、特に「イントレピッド」はニューヨーク市マンハッタンで「イントレピッド海上航空宇宙博物館?」として公開され、多くの観光客を集める観光名所となっている。
性能諸元 艦種 エセックス級航空母艦 主造船所 ニューポート・ニューズ造船所
(CV-9〜CV-13・CV-14〜CV-15・CV-21・CV-32・CV-46)
ベスレヘム・スチール社(CV-16〜CV-18・CV-19・CV-47)
ニューヨーク海軍造船所(CV-20・CV-31・CV-33・CV-35)
ブルックリン海軍造船所(CV-34)
フィラデルフィア海軍造船所(CV-36〜CV-37・CV-45)
ノーフォーク海軍造船所(CV-38〜CV-40)排水量
(基準/満載)27,200t/36,380t(竣工時)
28,200t/40,600t(「SCB-27A」計画後)
30,800t/41,200t(「SCB-125」計画後)全長 270m 全幅 28.4m(水線幅)
29m(最大)喫水 7m 機関 バブコック&ウィルコックス製ボイラー×8缶
ウェスティングハウス製蒸気タービン×4基(150,000shp)
スクリュープロペラ×4軸最大速力 33ノット 航続距離 20,000海里(15ノット時) 乗員 士官、兵員 2,600名 兵装 Mk.12 38口径5インチ(12.7cm)連装砲×4基(改装時に撤去)
同単装砲×8基(改装後4基)
ボフォース 56口径40mm機関砲×4連装8基32門(改装時に撤去)
エリコンFF 78口径20mm機関砲×単装46門(改装時に撤去)搭載機 太平洋戦争時*4:
90〜102機
F6F、F4U、FG-1、SBD、SB2C、TBF
朝鮮戦争〜1950年代後半:
F8F、F9F、F2H、FJ-1、F7U、F3D、AD、A3D、AF?、AM?、AJ?、HO3S?、H-25?
1950年代末〜ベトナム戦争:
F11F、F3H?、F4D、F8U、A4D、WF、A-7
対潜空母改装型:
S2F/S-2、HSS-1/SH-34、HSS-2/SH-3、HUK/UH-2、HUS/UH-34装備 エレベーター×3基(インボード式(中央)×2基・デッキサイド式(舷側)×1基)
H-2型/H-4型油圧カタパルト×2基火器管制装置 Mk.37 砲射撃指揮装置×3基(後に2基)(5インチ砲用)
Mk.51 射撃指揮装置(40mm機銃用)レーダー SK(CXFA)?対空捜索レーダー(Pバンド)
SG?対水上捜索/航空機誘導レーダー(Sバンド)
SM測高レーダー(航空管制用)
SC-2?対空捜索レーダー(予備)
SXレーダー(大戦末期)
その他、直上の目標に対処するため、航空機搭載用のAN/APS-6や陸軍のSCR-720*5
を搭載した艦もある。
同型艦 エセックス級 艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役 除籍 CV-9
↓
CVA-9
↓
CVS-9エセックス
(USS Essex)1941.4.28 1942.7.31 1942.12.31
1951.1.151947.1.9
1969.6.301973.6.1 CV-10
↓
CVA-10
↓
CVS-10ヨークタウン
(USS Yorktown)1941.12.1 1943.1.21 1943.4.15 1970.6.27 1973.6.1*6 CV-11
↓
CVA-11
↓
CVS-11イントレピッド
(USS Intrepid)1941.12.1 1943.4.26 1943.8.16 1974.3.15 1982.2.23*7 CV-12
↓
CVA-12
↓
CVS-12ホーネット
(USS Hornet)1942.8.3 1943.8.30 1943.11.29 1970.6.26 1989.7.25*8 CV-13*9 フランクリン
(USS Franklin)1942.12.7 1943.10.14 1944.1.31 1947.2.17 1964.10.1*10 CV-16
↓
CVA-16
↓
CVS-16
↓
CVT-16
↓
AVT-16レキシントン
(USS Lexington)1941.7.15 1942.9.23 1943.2.17 1991.11.8*11 CV-17*12 バンカー・ヒル
(USS Bunker hill)1941.9.15 1942.12.7 1943.5.24 1947.1.9 1966.11.1*13 CV-18
↓
CVA-18
↓
CVS-18ワスプ
(USS Wasp)1942.3.18 1943.8.17 1943.11.24
1951.9.281947.2.17
1972.7.11972.7.1 CV-20
↓
CVA-20
↓
CVS-20ベニントン
(USS Bennington)1942.12.15 1944.2.28 1944.8.6
1952.11.131946.11.8
1970.1.151989.9.20 CV-31
↓
CVA-31ボノム・リシャール
(USS Bon Homme
Richard)1943.2.1 1944.4.29 1944.11.26 1971.7.2 1989.9.20 CV-34
↓
CVA-34オリスカニー
(USS Oriskany)1944.5.1 1945.10.13 1950.9.25
1959.3.71957.1.2
1975.9.301989.7.25*14 ロングハル型
(タイコンデロガ級)艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役 除籍 CV-14
↓
CVA-14
↓
CVS-14タイコンデロガ
(USS Ticonderoga)1943.2.1 1944.2.7 1944.5.8 1973.9.1 1973.11.16 CV-15
↓
CVA-15
↓
CVS-15ランドルフ
(USS Randolph)1943.5.10 1944.6.28 1944.10.9
1953.7.11948.2.25
1969.2.131973.6.1 CV-19
↓
CVA-19
↓
CV-19ハンコック
(USS Hancock)1943.1.26 1944.1.24 1944.4.15
1954.2.15
1956.11.151947.5.9
1956.4.13
1976.1.301976.1.31 CV-21
↓
CVA-21
↓
CVS-21
↓
LPH-4ボクサー
(USS Boxer)1943.9.13 1944.12.14 1945.4.16 1969.12.1 CV-32
↓
CVA-32
↓
CVS-32
↓
AVT-10レイテ
(USS Leyte)1944.2.21 1945.8.23 1946.4.11 1959.5.15 1969.6.1 CV-33
↓
CVA-33
↓
CVS-33キアサージ
(USS Kearsarge)1944.3.1 1945.5.5 1946.3.2 1970.2.13 1973.5.1 CV-35 レプライザル
(USS Reprisal)1944.7.1 1946. 1945.8.12 建造中止
1949.11.解体CV-36
↓
CVA-36
↓
CVS-36アンティータム
(USS Antietam)1943.3.15 1944.8.20 1945.1.28 1963.5.8 1973.5.1 CV-37
↓
CVA-37
↓
CVS-37
↓
LPH-5プリンストン
(USS Princeton)1943.9.14 1945.7.8 1945.11.18 1970.1.30 CV-38
↓
CVA-38
↓
CVS-38シャングリラ
(USS Shangri-La)1943.1.15 1944.2.24 1944.9.15 1971.7.30 1982.7.15 CV-39
↓
CVA-39
↓
CVS-39レイク・シャンプレイン
(USS Lake
Chanplain)1943.3.15 1944.11.2 1945.6.3 1966.5.2 1969.12.1 CV-40
↓
CVA-40
↓
CVS-40
↓
AVT-12タラワ
(USS Tarawa)1944.3.1 1945.5.12 1945.12.8 1960.5.13 1967.6.1 CV-45
↓
CVA-45
↓
CVS-45
↓
LPH-8ヴァリー・フォージ
(USS Valley Forge)1943.9.14 1945.7.8 1946.11.3 1970.1.15 CV-46 イオージマ
(USS Iwo Jima)1945.1.29 1945.8.12 建造中止 CV-47
↓
CVA-47
↓
CVS-47
↓
AVT-11フィリピン・シー
(USS Philippine
sea)1944.8.19 1945.9.5 1946.5.11 1958.12.28 1969.12.1 - LDH-2 USS Essex
ワスプ級強襲揚陸艦の2番艦。
現在は太平洋艦隊に属し、サンディエゴを母港としている。
*1 本級は第二次世界大戦に多数が投入されたにもかかわらず戦没艦はなく、すべて生還している。
*2 ジェットブラストディフレクターの追加など。基準30,900トン、満載39,800トン。
*3 艦首をエンクローズ化し、蒸気カタパルトや斜め飛行甲板などを追加。基準33,000トン、満載44,700トン。
*4 露天駐機を含む。
*5 ノースロップP-61?夜間戦闘機に搭載されるマイクロ波レーダーである。
*6 1975.10.13 博物館として公開。
*7 1982.8. 博物館として公開。
*8 1998.10.17 博物館として公開。
*9 登録上のみCVA→CVS→AVT。
*10 戦傷のため、モスボール処理されたまま退役。
*11 1992.6.15 博物館として公開。
*12 登録上のみCVA→CVS→AVT。
*13 戦傷のためモスボール処理されたまま退役。
*14 退役後も保管されていたが、2006年に海底魚礁としてカリブ海に沈められた。