Last-modified: 2016-12-22 (木) 12:32:41 (243d)

【イプシロンロケット】(いぷしろんろけっと)

Epsilon.
日本の宇宙開発組織「JAXA(宇宙航空研究開発機構)」が開発した固体燃料式大型宇宙ロケット。
JAXAの前身のひとつである「ISAS(文部省宇宙科学研究所)」が1970年代に開発した「ミューロケット」(2006年運用終了)の後継として開発された。

本機はミューシリーズの最終型「M-V」をベースに、JAXAが現在運用中の液体燃料ロケットH-IIの技術も取り入れ、打ち上げに必要なコストをM-Vの約70%に削減*1
また、人工知能による自己点検機能の実装*2や省人化された地上管制システム*3、組立の簡素化により、打ち上げ準備に必要な期間もM-Vの42日間から7日間へ短縮するなど、内外からの人工衛星打ち上げ需要に即応できるシステムを目指している。

本機の第1号機(試験機)は2013年9月14日、打ち上げに成功した*4

性能諸元

E-X(試験機)
種別衛星打ち上げ用ロケット
開発者JAXAIHIエアロスペース
全長24.4m
代表径2.6m
全備重量91t
ペイロード基本形態:1,200kg/LEO(250km×500km)
オプション形態:700kg/LEO(500km 円軌道)
オプション形態:450kg/SSO(500km 円軌道)
段数第1段第2段第3段オプションフェアリング
(投棄分)
使用モータSRB-A3M-34cKM-V2b小型液体ステージ
(PBS)
-
各段質量75.0t
(フェアリング非投棄分含む)
12.3t2.9t(基本)
3.3t(オプション)
0.3t
(3段に含む)
0.8t
(投棄分)
推進薬質量66.3t10.8t2.5t0.1t-
真空中推力2,271kN371.5kN99.8kN-
比推力284s(真空中)300s(真空中)301s(真空中)215.0s(連続)-
全燃焼秒時116s105s90s-
マスレシオ0.9110.9270.92--


強化型イプシロン(2号機〜)
全長26m
代表径2.6m
全備質量基本形態:95.1t
オプション形態:95.4t
ペイロード基本形態:1,500kg/LEO(250km×500km)
基本形態(夏季):365kg/長楕円(200km×30,700km)
基本形態(冬季):365kg/長楕円(200km×33,100km)
オプション形態:590kg/SSO(500km円軌道)
段数第1段第2段第3段オプションフェアリング
(投棄分)
使用モータSRB-A3M-35KM-V2c小型液体ステージ
(PBS)
-
各段質量74.5t17.2t2.9t(基本)
3.2t(オプション)
TBA0.8t
推進薬質量66t15t2.5tTBA-
真空中推力2,350kN445kN99.6kN-
比推力284s(真空中)295s(真空中)299s(真空中)TBAs(連続)-
全燃焼秒時108s129s88s-
マスレシオTBATBATBA-


打ち上げ実績

号機打ち上げ年月日成否機体構成搭載衛星備考
試験機
(1号機)
2013/09/14成功SRB-A
M-34c
KM-V2b
PBS
制振機構有
「ひさき(SPRINT-A)」惑星分光観測衛星
(惑星宇宙望遠鏡)
2号機2016/12/20SRB-A
M-35
KM-V2c
「あらせ(ERG)」ジオスペース探査衛星



*1 M-Vが約75億円だったところ、1号機(試験機)では53億円。最終的には30億円以下での打ち上げを目指しているという。
*2 これにより、発射直前にトラブルを検知して自動で停止することもできる。
*3 究極的には「市販のノート型パソコン2台で管制できる」ともいう。
*4 当初は同年8月に打ち上げの予定だったが、2度にわたりトラブルが発生したため延期されていた。

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