Last-modified: 2021-07-11 (日) 10:08:18 (73d)

【イプシロンロケット】(いぷしろんろけっと)

Epsilon.

日本の宇宙開発組織「JAXA(宇宙航空研究開発機構)」が開発した固体燃料式大型宇宙ロケット。
JAXAの前身のひとつである「ISAS(文部省宇宙科学研究所)」が1970年代に開発した「ミューロケット」(2006年運用終了)の後継として開発された。

本機はミューシリーズの最終型「M-后廚鬟戞璽垢法JAXAが現在運用中の液体燃料ロケットH-の技術も取り入れ、打ち上げに必要なコストをM-垢量70%に削減*1
また、人工知能による自己点検機能の実装*2や省人化された地上管制システム*3、組立の簡素化により、打ち上げ準備に必要な期間もM-垢42日間から7日間へ短縮するなど、内外からの人工衛星打ち上げ需要に即応できるシステムを目指している。
打上げは内之浦宇宙空間観測所の「Mセンター(ミューセンター)」から行わわれる。

本機の第1号機(試験機)は2013年9月14日、打ち上げに成功した*4

性能諸元

E-X(試験機)
種別衛星打ち上げ用ロケット
開発者JAXAIHIエアロスペース
全長24.4m
代表径2.6m
全備重量91t
ペイ
ロード
基本形態:1,200kg/LEO(250km×500km)
オプション形態:700kg/LEO(500km 円軌道)
オプション形態:450kg/SSO(500km 円軌道)
段数第1段第2段第3段オプションフェア
リング
(投棄分)
使用
モータ
SRB-A3M-34cKM-V2b小型液体
ステージ
(PBS)
-
各段質量75.0t
(フェアリング非投棄分
含む)
12.3t2.9t
(基本)
3.3t
(オプション)
0.3t
(3段に含む)
0.8t
(投棄分)
推進薬
質量
66.3t10.8t2.5t0.1t-
真空中
推力
2,271kN371.5kN99.8kN-
比推力284s
(真空中)
300s
(真空中)
301s
(真空中)
215.0s
(連続)
-
全燃焼
秒時
116s105s90s-
マス
レシオ
0.9110.9270.92--


強化型イプシロン(2号機〜)
全長26m
代表径2.6m
全備質量基本形態:95.1t
オプション形態:95.4t
ペイロード基本形態:1,500kg/LEO(250km×500km)
基本形態(夏季):365kg/長楕円(200km×30,700km)
基本形態(冬季):365kg/長楕円(200km×33,100km)
オプション形態:590kg/SSO(500km円軌道)
段数第1段第2段第3段オプションフェアリング
(投棄分)
使用モータSRB-A3M-35KM-V2c小型液体ステージ
(PBS)
-
各段質量74.5t17.2t2.9t(基本)
3.2t(オプション)
TBA0.8t
推進薬質量66t15t2.5tTBA-
真空中推力2,350kN445kN99.6kN-
比推力284s
(真空中)
295s
(真空中)
299s
(真空中)
TBAs
(連続)
-
全燃焼秒時108s129s88s-
マスレシオTBA-


打ち上げ実績

号機打ち上げ年月日成否機体構成搭載衛星備考
試験機
(1号機)
2013/09/14成功SRB-A
M-34c
KM-V2b
PBS
制振機構有
惑星分光観測衛星
(惑星宇宙望遠鏡)
「ひさき(SPRINT-A)」
2号機2016/12/20SRB-A
M-35
KM-V2c
ジオスペース探査衛星
「あらせ(ERG)」
強化型基本形態の初飛行
3号機2018/01/18SRB-A
M-35
KM-V2c
PBS
高性能小型レーダー衛星
「ASNARO-2」
強化型オプション形態の
初飛行
4号機2019/01/18SRB-A
M-35
KM-V2c
PBS
革新的衛星技術実証1号機
(RAPIS-1*5
超小型衛星3基
(Micro Dragon
(慶応義塾大学))
(RISESAT(東北大学))
(ALE-1(株式会社ALE))
CubeSat3基
OrigamiSat?-1
(東京工業大学))
(Aoba VELOX-
(九州工業大学))
(NEXUS(日本大学))
複数衛星搭載構造および
キューブサット放出装置
を搭載。


打ち上げ予定

  • 2021年度
    • 深宇宙探査技術実証機(DESTINY+*6
    • 革新的衛星技術実証2号機

  • 2022年度
    • 革新的衛星技術実証3号機
    • 赤外線位置天文観測衛星「Nano-JASMINE」

  • 2023年度
    • LOTUSAT1(ベトナムへ供与する地球観測衛星。「ASNARO*7-2」の同型機)

  • 2024年度
    • 高感度太陽紫外線分光観測衛星「Solar-C_EUVST」
    • 革新的衛星技術実証4号機


*1 M-垢約75億円だったところ、1号機(試験機)では53億円。最終的には30億円以下での打ち上げを目指しているという。
*2 これにより、発射直前にトラブルを検知して自動で停止することもできる。
*3 究極的には「市販のノート型パソコン2台で管制できる」ともいう。
*4 当初は同年8月に打ち上げの予定だったが、2度にわたりトラブルが発生したため延期されていた。
*5 RAPid Innovative payload demonstration Satellite 1の略。
*6 Demonstration and Experiment of Space Technology for INterplanetary voYage, Phaethon fLyby and dUst Scienceの略。
*7 Advanced Satellite with New system Architecture for Observation(先進的宇宙システム)の略。

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