Last-modified: 2018-07-30 (月) 19:28:59 (83d)

【アーレイ・バーク(駆逐艦)】(あーれい・ばーく(くちくかん))

DDG-51 USS Arleigh Burke.

アメリカ海軍が保有・運用するミサイル駆逐艦イージス艦)。
艦名は第二次世界大戦で活躍したアーレイ・バーク提督(1901年生〜1996年没)にちなむ。

1980年代、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の後継として開発された。
1番艦「アーレイ・バーク」は1991年7月4日(合衆国独立記念日)に就役し、その後70隻以上の同型艦を建造されている。
現代に至るまでアメリカ海軍の主力防空艦として建造が続いている。

ズムウォルト級を後継として一線を退く予定だったが、ズムウォルト級の建造は初期発注分の3隻のみで打ち切られた。
このため更新は頓挫し、必要な戦力を充足するためにアーレイ・バークの増産が行われる事となった。

タイコンデロガ級の調達価格が10億ドル以上に高騰したのを受け、コストダウンを目的として開発された。
航続距離を犠牲にし、単艦あたりの迎撃能力も高くはないが、引き替えに量産性を高めた設計である。
これは空母打撃群の防空艦として、大規模な艦隊の一部として行動する事を念頭に置いている。

この企図は設計当初には成功を収めている。
しかし、後年には物価上昇と近代化改修により、本級の調達価格もまた10億ドル以上に高騰している。

設計当初からイージス艦としてイージスシステムを搭載する前提で効率化が履かされた。
AN/SPY-1Dフェイズドアレイレーダーを艦橋の四隅に配するため、その障害とならない艦形が整えられている。
また、斜めの壁面を持つ上部構造物、三角柱型のマスト、艦腹部の被覆甲板など、レーダー反射面積を低減する工夫も施されている。
迎撃能力の詳細は定かでないが、同時に12〜24機の空中目標へRIM-66艦対空ミサイルを誘導できるといわれる。

世代別の特徴

アーレイ・バーク級は二度に渡って再設計が行われており、建造の世代(フライト)ごとに特性が異なる。

フライト1
初期型。満載排水量8,315トン。
フライト2
航続距離・索敵能力を強化。満載排水量8,400トン。
フライト2A*1
ヘリコプター格納庫を備え、SH-60B2機を運用可能。満載排水量9,200トン。
この改修で当初の設計企図は破綻し、前世代のタイコンデロガ級に匹敵するほど重く高価な艦となった。
コスト・重量が過大になったためハープーン艦対艦ミサイルが標準装備から外され、CIWSも削減されている。
一説には対地支援ミサイル防衛海賊対処などを想定して多用途化が図られているという。
フライト3(未成)
失敗に終わったズムウォルト級の代替として必要となった次世代モデル。設計要目は未だ策定中。

要目

タイプフライトIフライトIIフライトIIA
主造船所バス鉄工所、インガルズ造船所
満載排水量8,315t8,400t9,200t
全長153.9m156.4m
水線長142m143.6m
全幅20m
水線幅18m
喫水9.3m
機関COGAG方式
GE LM2500ガスタービン×4基
マスカー装置付き可変ピッチプロペラ(5翅)×2軸
機関出力108,000hp(75MW)
最大速力30+ノット
航続距離4,400海里(20ノット巡航時)
乗員士官23名+兵員300名士官32名+曹士348名
(うち航空要員:士官4名+曹士14名)
兵装Mk.45 54口径→62口径5インチ速射砲×1門
(DDG-51〜80ではmod.2、81以降はmod.4)
Mk.15 20mmCIWS×2門
(DDG-85以降は後部1門のみ)
Mk.38 25mmチェーンガン×2門
12.7mm機関銃×4挺
Mk.41 Mod2 VLS×90セル(29+61)Mk.41 Mod7/15 VLS×96セル(32+64)
RIM-66RIM-161RIM-162RUM-139BGM-109を装備
RGM-84SSM用4連装キャニスター×2組-
Mk.32 3連装短魚雷発射管×2組
艦載機LAMPS支援設備(ヘリコプター甲板)のみ
ヘリコプター1機着艦可能
SH-60B/MH-60R
LAMPSヘリコプター×2機
C4IシステムAN/USQ-119E(V) GCCS-M*2
NTDS mod4.5(リンク4A/11/14/16
※DDG-58以降はNTDS mod.5を適用
イージスシステム(AWS)
AN/SQQ-89?統合対潜戦システム
Mk.37 トマホーク武器システム(TWS)
Mk.34 砲武器システム(GWS)
FCSMk.99 Mod3 MFCS×3基(SM-2用)
SWG-3A TWCS(BGM-109用)
SWG-1 HSCLCS(RGM-84用)
Mk.160 砲FCS(Mk.45 5インチ砲用)
Mk.116 Mod7 水中FCS(VLA・短魚雷用)
レーダーAN/SPY-1D 多機能レーダー×4面1基
(DDG-88以降ではAN/SPY-1D(V)を装備)
SPS-67(V)3 対水上捜索用レーダー×1基
AN/SPG-62 SAM射撃指揮用レーダー×3基
(Mk.99 ミサイルFCSのサブシステム)
ソナーAN/SQS-53C→AN/SQS-53C(V)1 艦首ソナー
AN/SQR-19B 曳航式ソナー-
電子戦
・対抗装備
AN/SLQ-32(V)2 →AN/SLQ-32(V)5 ESM装置AN/SLQ-32(V)3 ESM/ECM装置
AN/SLQ-25「ニクシー」対魚雷装置
AN/SLQ-49囮装置
Mk.36 mod12 SRBOC チャフフレア展開装置


同型艦

フライトI
艦番号艦名起工進水就役母港
DDG-51アーレイバーク
(USS Arleigh Burke)
1988.12.61989.9.161991.7.4ノーフォーク
海軍基地
DDG-52バリー
(USS Barry)
1990.2.261991.5.101992.12.12横須賀
海軍施設
DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズ
(USS John Paul Jones)
1990.8.81991.10.261993.12.18真珠湾
DDG-54カーティス・ウィルバー
(USS Curtis Willbur)
1991.3.121992.5.161994.3.19横須賀
海軍施設
DDG-55スタウト
(USS Stout)
1991.8.81992.10.161994.8.13ノーフォーク
海軍基地
DDG-56ジョン・S・マケイン
(USS John S. McCain?
1991.9.31992.9.261994.7.2横須賀
海軍施設
DDG-57ミッチャー
(USS Mitscher)
1992.2.121993.5.71994.12.10ノーフォーク
海軍基地
DDG-58ラブーン
(USS Laboon)
1992.3.231993.2.201995.3.18
DDG-59ラッセル
(USS Russell)
1992.7.241993.10.201995.5.20サンディエゴ
海軍基地
DDG-60ポール・ハミルトン
(USS Paul Hamilton)
1992.8.241993.7.241995.5.27
DDG-61ラメージ
(USS Ramage)
1993.1.41994.2.11995.7.22ノーフォーク
海軍基地
DDG-62フィッツジェラルド
(USS Fitzgerald)
1993.2.91994.1.291995.10.14横須賀
海軍施設
DDG-63ステザム
(USS Stethem)
1993.5.111994.6.171995.10.21
DDG-64カーニー
(USS Carney)
1993.8.31994.7.231996.4.13ロタ海軍基地
DDG-65ベンフォールド
(USS Benfold)
1993.9.271994.11.91996.3.30横須賀
海軍施設
DDG-66ゴンザレス
(USS Gonzale)
1994.2.31995.2.181996.10.12ノーフォーク
海軍基地
DDG-67コール
(USS Cole)
1994.2.281995.2.101996.6.8
DDG-68ザ・サリヴァンズ
(USS The Sullivans)
1994.7.271995.8.121997.4.19メイポート
海軍補給基地
DDG-69ミリアス
(USS Milius)
1994.8.81995.8.11996.11.23サンディエゴ
海軍基地
DDG-70ホッパー
(USS Hopper)
1995.2.231996.1.61997.9.6真珠湾
DDG-71ロス
(USS Ross)
1995.4.101996.3.221997.6.28ロタ海軍基地
フライトII
DDG-72マハン
(USS Mahan)
1995.8.171996.6.291998.2.14ノーフォーク
海軍基地
DDG-73ディケーター
(USS Decatur)
1996.1.111996.11.81998.8.29サンディエゴ
海軍基地
DDG-74マクファール
(USS McFaul?
1996.1.261997.1.181998.4.25ノーフォーク
海軍基地
DDG-75ドナルド・クック
(USS Donald Cook)
1996.7.91997.5.31998.12.4ロタ海軍基地
DDG-76ヒギンズ
(USS Higgins)
1996.11.141997.10.41999.4.24サンディエゴ
海軍基地
DDG-77オカーン
(USS O'Kane)
1997.5.81998.3.281999.10.23真珠湾
DDG-78ポーター
(USS Porter)
1996.12.21997.11.201999.3.20ロタ海軍基地
フライトIIA
DDG-79オスカー・オースチン
(USS Oscar Austin)
1997.10.91998.11.72000.8.19ノーフォーク
海軍基地
DDG-80ルーズベルト
(USS Roosevelt)
1997.12.151999.1.102000.10.14メイポート
海軍補給基地
DDG-81ウィンストン・S・チャーチル
(USS Winston S. Churchill)
1998.5.71999.4.172001.3.10ノーフォーク
海軍基地
DDG-82ラッセン
(USS Lassen)
1998.8.241999.10.162001.4.21メイポート
海軍補給基地
DDG-83ハワード
(USS Howard)
1998.12.91999.11.202001.10.20サンディエゴ
海軍基地
DDG-84バルクリー
(USS Burkeley)
1999.5.102000.6.212001.12.8ノーフォーク
海軍基地
DDG-85マクキャンベル
(USS McCampbell?
1999.7.152000.7.22002.8.17横須賀
海軍施設
DDG-86シャウプ
(USS Shoup)
1999.12.132000.11.222002.6.22エバレット
海軍基地
DDG-87メイソン
(USS Mason)
2000.1.202001.6.232003.4.12ノーフォーク
海軍基地
DDG-88プレブル
(USS Preble)
2000.6.222001.6.12002.11.9真珠湾
DDG-89マスティン
(USS Mustin)
2001.1.152001.12.122003.7.26横須賀
海軍施設
DDG-90チェイフィー
(USS Chafee)
2001.4.122002.11.22003.10.18真珠湾
DDG-91ピンクニー
(USS Pinckney)
2001.7.162002.6.262004.5.29サンディエゴ
海軍基地
DDG-92マンセン
(USS Momsen)
2001.11.162003.7.192004.8.28エバレット
海軍基地
DDG-93チャン=フー
(USS Chung-Hoon)
2002.1.142002.12.152004.9.18真珠湾
DDG-94ニッツェ
(USS Nitze)
2002.9.202004.4.32005.3.5ノーフォーク
海軍基地
DDG-95ジェームス・E・ウィリアムズ
(USS James E. Williams)
2002.7.152003.6.252004.12.11
DDG-96ベインブリッジ
(USS Bainbridge)
2003.5.72004.11.132005.11.12
DDG-97ハルゼー
(USS Halsey)
2002.1.132004.1.92005.7.30真珠湾
DDG-98フォレスト・シャーマン
(USS Forrest Sherman)
2003.8.72004.10.22006.1.28ノーフォーク
海軍基地
DDG-99ファラガット
(USS Farragut)
2004.1.92005.7.232006.6.10メイポート
海軍補給基地
DDG-100キッド
(USS Kidd)
2004.4.292005.1.222007.6.9エバレット
海軍基地
DDG-101グリッドレイ
(USS Gridley)
2004.7.302006.2.112007.2.10
DDG-102サンプソン
(USS Sampson)
2005.3.202006.9.162007.11.3
DDG-103トラクスタン
(USS Truxtun)
2005.4.112007.6.22009.4.25ノーフォーク
海軍基地
DDG-104スターレット
(USS Sterett)
2005.11.162007.5.192008.8.9サンディエゴ
海軍基地
DDG-105デューイ
(USS Dewey)
2006.10.42008.1.262010.3.6
DDG-106ストックデール
(USS Stockdale)
2006.8.82008.2.242009.4.18
DDG-107グレーヴリー
(USS Gravely)
2007.11.262009.3.302010.11.20ノーフォーク
海軍基地
DDG-108ウェイン・E・マイヤー
(USS Wayne E. Meyer)
2007.5.182008.10.182009.10.10サンディエゴ
海軍基地
DDG-109ジェイソン・ダンハム
(USS Jason Dunham)
2008.4.112009.8.12010.11.13ノーフォーク
海軍基地
DDG-110ウィリアム・P・ローレンス
(USS William P. Lawrence)
2008.9.162010.12.152011.5.19サンディエゴ
海軍基地
DDG-111スプルーアンス
(USS Spruance)
2009.5.142010.6.52011.9.1
DDG-112マイケル・マーフィ
(USS Michael Murphy)
2010.6.122011.5.82012.10.6真珠湾
DDG-113ジョン・フィン
(USS John Finn)
2013.11.52015.3.282017.15サンディエゴ
海軍基地
DDG-114ラルフ・ジョンソン
(USS Ralph Johnson)
2014.9.122015.12.122018.3.24
(予定)
DDG-115ラファエル・ペラルタ
(USS Rafael Peralta)
2014.10.302015.11.12017.7.29サンディエゴ
海軍基地
DDG-116トーマス・ハドナー
(USS Thomas Hudner)
2015.11.162017.4.232018.予定
DDG-117ポール・イグナティウス
(USS Paul Ignatius)
2015.10.202016.11.12
DDG-118ダニエル・イノウエ
(USS Daniel Inouye)
2018.5.14-2020.予定
DDG-119デルバート・D・ブラック
(USS Delbert D. Black)
2016.6.12017.9.82019.予定
DDG-120カール・M・レビン
(USS Carl M. Levin)
-
DDG-121フランク・E・ピーターセン
・ジュニア
(USS Frank E. Petersen Jr.)
2017.2.212020.予定
DDG-122ジョン・バジロン
(USS John Basilone)
-2022.予定
DDG-123レナ・H・サトクリフ・ハイビー
(USS Lenah H. Sutcliffe Higbee)
2017.11.24-
フライトIII
DDG-124ハーヴェイ・C・バーナム
・ジュニア
(USS Harvey C. Barnum Jr.)
--
DDG-125ジャック・H・ルーカス
(USS Jack H. Lucas)
DDG-126ルイス・H・ウィルソン
・ジュニア
(USS Louis H. Wilson, Jr.)
-2023.予定
フライトIIAリスタート
DDG-127ギャラガー
(USS Gallagher)
-



*1 本来"フライト3"と称するべき大改修だが、改修規模を些少に見せかけるための官僚的詐術としてフライト2Aと称されたのだと噂される。
*2 Global Command and Control System - Maritime.

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