Last-modified: 2017-02-10 (金) 16:19:39 (76d)

【アーレイ・バーク(駆逐艦)】(あーれい・ばーく(くちくかん))

DDG-51 USS Arleigh Burke.

アメリカ海軍が保有・運用するミサイル駆逐艦
艦名は第二次世界大戦で活躍したアーレイ・バーク提督(1901年生〜1996年没)にちなむ。

本艦型は1980年代、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の後継として開発されたもので、アメリカ海軍の主力防空艦として現在も同型艦の建造が続いているイージス艦である。
RIM-66を、同時に12〜24機(諸説あり)の空中目標へ誘導できるといわれる。

アメリカ海軍水上艦隊は、巨大な原子力空母を中核として多数の護衛艦艇巡洋艦駆逐艦)を擁する機動部隊で構築されるため、防空艦も多数必要とされるが、タイコンデロガ級の調達価格が10億ドルと高騰したのを受け、航続距離と迎撃能力を犠牲にしてコストダウンを図ったのが本型である。
(とはいえ後年の高機能化と物価上昇により、ふたたび調達価格が10億ドルに達したといわれている)

本型は前作のタイコンデロガ級と異なり、イージスシステムを搭載することを念頭に設計された。
まず、AN/SPY-1Dフェイズドアレイレーダーを艦橋の四隅に配し、その障害にならないように煙突などの上部構造物が配置された結果、無駄の少ない構造を実現した。
またレーダー反射面積を低減する工夫もなされた。
上部構造物の壁面を斜めにすること、垂直発射システムが当初から採用されたこと、マストの外観が三角柱型になったこと、艦腹部の甲板が覆われたことなどが挙げられる。

1番艦「アーレイ・バーク」は1991年7月4日(合衆国独立記念日)に就役し、その後60隻以上の同型艦が建造されている*1
それらは、大きく分けて以下の3種類に分類される。

初期型のフライト1は満載排水量8,315トン。
続くフライト2は、航続能力や索敵能力を強化した型で満載排水量は8,400トンになった。
さらに現在建造がすすめられているフライト2Aでは、フライト1/2で省かれていたヘリコプター格納庫を復活させてSH-60Bを2機運用する能力が実装され、満載排水量は(タイコンデロガ級巡洋艦に匹敵する)9,200トンにまで至った。
これは対潜任務のみならず、対地任務の支援やミサイル防衛海賊対処などの多様な任務への対応まで視野に入れた措置といわれる。
また、コストや重量増加の対策として、対水上艦攻撃専用のハープーンを標準装備から外したり*2CIWSを減らしたりするなどの措置をとっている。

関連:こんごう あたご

 
ddg51-burke.jpg

Photo:US Navy USS Arleigh Burke

要目

タイプフライトIフライトIIフライトIIA
満載排水量8,315t8,400t9,200t
全長153.9m156.4m
水線長142m143.6m
全幅20m
水線幅18m
喫水9.3m
機関COGAG方式
GE LM2500ガスタービン×4基
マスカー装置付き可変ピッチプロペラ(5翅)×2軸
機関出力108,000hp(75MW)
最大速力30+ノット
航続距離4,400海里(20ノット巡航時)
乗員士官23名+兵員300名士官32名+曹士348名
(うち航空要員:士官4名+曹士14名)
兵装Mk.45 54口径5インチ速射砲×1門
(DDG-51〜80ではmod.2、81以降はmod.4)
Mk.15 20mmCIWS×2門
(DDG-85以降は後部1門のみ)
Mk.38 25mmチェーンガン×2門
12.7mm機関銃×4挺
Mk.41 Mod2 VLS×90セル(29+61)Mk.41 Mod7/15 VLS×96セル(32+64)
RIM-66RIM-161RIM-162RUM-139BGM-109を装備
RGM-84SSM用4連装キャニスター×2組-
Mk.32 3連装短魚雷発射管×2組
艦載機LAMPS支援設備(ヘリコプター甲板)のみ
ヘリコプター1機着艦可能
SH-60B/MH-60R
LAMPSヘリコプター×2機
C4IシステムAN/USQ-119E(V) GCCS-M*3
NTDS mod4.5(リンク4A/11/14/16
イージスシステム(AWS)
ベースライン(B/L)5/6
AWS B/L 6/7
AN/SQQ-89?統合対潜戦システム
Mk.37 トマホーク武器システム(TWS)
Mk.34 砲武器システム(GWS)
FCSMk.99 Mod3 MFCS×3基(SM-2用)
SWG-3A TWCS(BGM-109用)
SWG-1 HSCLCS(RGM-84用)
Mk.160 砲FCS(Mk.45 5インチ砲用)
Mk.116 Mod7 水中FCS(VLA・短魚雷用)
レーダーAN/SPY-1D 多機能レーダー×4面1基
(DDG-88以降ではAN/SPY-1D(V)を装備)
SPS-67(V)3 対水上捜索用レーダー×1基
AN/SPG-62 ミサイル射撃指揮用レーダー×3基
(Mk.99 ミサイルFCSのサブシステム)
ソナーAN/SQS-53C 艦首ソナー
AN/SQR-19B 曳航式ソナー
AN/SQS-53C(V)1 艦首装備式ソナー
電子戦
・対抗装備
AN/SLQ-32(V)2 ESM装置AN/SLQ-32(V)3 ESM/ECM装置
AN/SLQ-25「ニクシー」対魚雷装置
AN/SLQ-69囮装置
Mk.36 mod12 SRBOC チャフフレア展開装置


同型艦

フライトI
艦番号艦名主造船所起工進水就役母港
DDG-51アーレイバーク
(USS Arleigh Burke)
バス1988.12.61989.9.161991.7.4ノーフォーク海軍基地
DDG-52バリー
(USS Barry)
インガルズ1990.2.261991.5.101992.12.12ノーフォーク海軍基地

横須賀海軍施設*4
DDG-53ジョン・ポール・ジョーンズ
(USS John Paul Jones)
バス1990.8.81991.10.261993.12.18サンディエゴ海軍基地?
DDG-54カーティス・ウィルバー
(USS Curtis Willbur)
1991.3.121992.5.161994.3.19横須賀海軍施設
DDG-55スタウト
(USS Stout)
インガルズ1991.8.81992.10.161994.8.13ノーフォーク海軍基地
DDG-56ジョン・S・マケイン
(USS John S. McCain?
バス1991.9.31992.9.261994.7.2横須賀海軍施設
DDG-57ミッチャー
(USS Mitscher)
インガルズ1992.2.121993.5.71994.12.10ノーフォーク海軍基地
DDG-58ラブーン
(USS Laboon)
バス1992.3.231993.2.201995.3.18
DDG-59ラッセル
(USS Russell)
インガルズ1992.7.241993.10.201995.5.20サンディエゴ海軍基地
DDG-60ポール・ハミルトン
(USS Paul Hamilton)
バス1992.8.241993.7.241995.5.27真珠湾
DDG-61ラメージ
(USS Ramage)
インガルズ1993.1.41994.2.11995.7.22ノーフォーク海軍基地
DDG-62フィッツジェラルド
(USS Fitzgerald)
バス1993.2.91994.1.291995.10.14横須賀海軍施設
DDG-63ステザム
(USS Stethem)
インガルズ1993.5.111994.6.171995.10.21
DDG-64カーニー
(USS Carney)
バス1993.8.31994.7.231996.4.13メイポート
海軍補給基地
DDG-65ベンフォールド
(USS Benfold)
インガルズ1993.9.271994.11.91996.3.30サンディエゴ海軍基地

横須賀海軍施設*5
DDG-66ゴンザレス
(USS Gonzale)
バス1994.2.31995.2.181996.10.12ノーフォーク海軍基地
DDG-67コール
(USS Cole)
インガルズ1994.2.281995.2.101996.6.8
DDG-68ザ・サリヴァンズ
(USS The Sullivans)
バス1994.7.271995.8.121997.4.19メイポート
海軍補給基地
DDG-69ミリアス
(USS Milius)
インガルズ1994.8.81995.8.11996.11.23サンディエゴ海軍基地
DDG-70ホッパー
(USS Hopper)
バス1995.2.231996.1.61997.9.6真珠湾
DDG-71ロス
(USS Ross)
インガルズ1995.4.101996.3.221997.6.28ノーフォーク海軍基地
フライトII
艦番号艦名主造船所起工進水就役母港
DDG-72マハン
(USS Mahan)
バス1995.8.171996.6.291998.2.14ノーフォーク海軍基地
DDG-73ディケーター
(USS Decatur)
1996.1.111996.11.81998.8.29サンディエゴ海軍基地
DDG-74マクファール
(USS McFaul?
インガルズ1996.1.261997.1.181998.4.25ノーフォーク海軍基地
DDG-75ドナルド・クック
(USS Donald Cook)
バス1996.7.91997.5.31998.12.4
DDG-76ヒギンズ
(USS Higgins)
1996.11.141997.10.41999.4.24サンディエゴ海軍基地
DDG-77オカーン
(USS O'Kane)
1997.5.81998.3.281999.10.23真珠湾
DDG-78ポーター
(USS Porter)
インガルズ1996.12.21997.11.201999.3.20ノーフォーク海軍基地
フライトIIA
艦番号艦名主造船所起工進水就役母港
DDG-79オスカー・オースチン
(USS Oscar Austin)
バス1997.10.91998.11.72000.8.19ノーフォーク海軍基地
DDG-80ルーズベルト
(USS Roosevelt)
インガルズ1997.12.151999.1.102000.10.14メイポート
海軍補給基地
DDG-81ウィンストン・S・チャーチル
(USS Winston S. Churchill)
バス1998.5.71999.4.172001.3.10ノーフォーク海軍基地
DDG-82ラッセン
(USS Lassen)
インガルズ1998.8.241999.10.162001.4.21横須賀海軍施設*6

メイポート海軍補給基地
DDG-83ハワード
(USS Howard)
バス1998.12.91999.11.202001.10.20サンディエゴ海軍基地
DDG-84バルクリー
(USS Burkeley)
インガルズ1999.5.102000.6.212001.12.8ノーフォーク海軍基地
DDG-85マクキャンベル
(USS McCampbell?
1999.7.152000.7.22002.8.17横須賀海軍施設
DDG-86シャウプ
(USS Shoup)
1999.12.132000.11.222002.6.22エバレット海軍基地
DDG-87メイソン
(USS Mason)
バス2000.1.202001.6.232003.4.12ノーフォーク海軍基地
DDG-88プレブル
(USS Preble)
インガルズ2000.6.222001.6.12002.11.9サンディエゴ海軍基地
DDG-89マスティン
(USS Mustin)
2001.1.152001.12.122003.7.26横須賀海軍施設
DDG-90チェイフィー
(USS Chafee)
バス2001.4.122002.11.22003.10.18真珠湾
DDG-91ピンクニー
(USS Pinckney)
インガルズ2001.7.162002.6.262004.5.29サンディエゴ海軍基地
DDG-92マンセン
(USS Momsen)
バス2001.11.162003.7.192004.8.28エバレット海軍基地
DDG-93チャン=フー
(USS Chung-Hoon)
インガルズ2002.1.142002.12.152004.9.18真珠湾
DDG-94ニッツェ
(USS Nitze)
バス2002.9.202004.4.32005.3.5ノーフォーク海軍基地
DDG-95ジェームス・E・ウィリアムズ
(USS James E. Williams)
インガルズ2002.7.152003.6.252004.12.11
DDG-96ベインブリッジ
(USS Bainbridge)
バス2003.5.72004.11.132005.11.12
DDG-97ハルゼー
(USS Halsey)
インガルズ2002.1.132004.1.92005.7.30サンディエゴ海軍基地
DDG-98フォレスト・シャーマン
(USS Forrest Sherman)
インガルズ2003.8.72004.10.22006.1.28ノーフォーク海軍基地
DDG-99ファラガット
(USS Farragut)
バス2004.1.92005.7.232006.6.10メイポート
海軍補給基地
DDG-100キッド
(USS Kidd)
インガルズ2004.4.292005.1.222007.6.9サンディエゴ海軍基地
DDG-101グリッドレイ
(USS Gridley)
バス2004.7.302006.2.112007.2.10サンディエゴ海軍基地
DDG-102サンプソン
(USS Sampson)
2005.3.202006.9.162007.11.3
DDG-103トラクスタン
(USS Truxtun)
インガルズ2005.4.112007.6.22009.4.25ノーフォーク海軍基地
DDG-104スターレット
(USS Sterett)
バス2005.11.162007.5.192008.8.9サンディエゴ海軍基地
DDG-105デューイ
(USS Dewey)
インガルズ2006.10.42008.1.262010.3.6
DDG-106ストックデール
(USS Stockdale)
バス2006.8.82008.2.242009.4.18
DDG-107グレーヴリー
(USS Gravely)
インガルズ2007.11.262009.3.302010.11.20ノーフォーク海軍基地
DDG-108ウェイン・E・マイヤー
(USS Wayne E. Meyer)
バス2007.5.182008.10.182009.10.10サンディエゴ海軍基地
DDG-109ジェイソン・ダンハム
(USS Jason Dunham)
2008.4.112009.8.12010.11.13ノーフォーク海軍基地
DDG-110ウィリアム・P・ローレンス
(USS William P. Lawrence)
インガルズ2008.9.162010.12.152011.5.19サンディエゴ海軍基地
DDG-111スプルーアンス
(USS Spruance)
バス2009.5.142010.6.52011.9.1
DDG-112マイケル・マーフィ
(USS Michael Murphy)
2010.6.122011.5.82012.10.6真珠湾
DDG-113ジョン・フィン
(USS John Finn)
インガルズ2013.11.52015.3.282017.(予定)-
DDG-114ラルフ・ジョンソン
(USS Ralph Johnson)
2014.9.122015.12.12-
DDG-115ラファエル・ペラルタ
(USS Rafael Peralta)
バス2014.10.302015.11.1-
DDG-116トーマス・ハドナー
(USS Thomas Hudner)
2015.11.16-
DDG-117ポール・イグナティウス
(USS Paul Ignatius)
インガルズ2015.10.202016.11.12-
DDG-118ダニエル・イノウエ
(USS Daniel Inouye)
バス2014.10.---
DDG-119デルバート・D・ブラック
(USS Delbert D. Black)
インガルズ2016.6.1-
DDG-120カール・M・レビン
(USS Carl M. Levin)
バス--
DDG-121フランク・E・ピーターセン Jr.
(USS Frank E. Petersen Jr.)
インガルズ2016.4.-
DDG-122ジョン・バジロン
(USS John Basilone)
バス--
DDG-123レナ・H・サトクリフ・ハイビー
(USS Lenah H. Sutcliffe Higbee)
インガルズ--
フライトIII
DDG-124ハーヴェイ・C・バーナム Jr.
(USS Harvey C. Barnum Jr.)
バス----
DDG-125ジャック・H・ルーカス
(USS Jack H. Lucas)
インガルズ--
DDG-126ルイス・H・ウィルソン Jr.
(USS Louis H. Wilson, Jr.)
バス--



*1 後継として「ズムウォルト」級駆逐艦が計画されたが、同級は「タイコンデロガ」級巡洋艦よりも大型の艦であり、ユニットコストの問題もあって、3隻で調達終了となる予定である。
*2 ただし、攻撃管制用のAN/SWG-1 HSCLCSは残されており、必要なら搭載は可能になっている。
*3 Global Command and Control System - Maritime.
*4 2016.3.14からラッセン(DDG-82)と交替で配備。
*5 2015.10.17から。
*6 2016.1.12任務終了。バリー(DDG-52)に交替。

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