Last-modified: 2018-12-11 (火) 08:10:36 (3d)

【ふじ】(ふじ)

静岡県と山梨県の県境に位置する日本最大の休火山「富士山」(原義)。
後述のとおり、旧海軍及び海上自衛隊の艦艇名として用いられた。

前ド級戦艦「富士」

1890年代、日本海軍が英国のテームズ鉄工所に発注・建造した前ド級戦艦。姉妹艦に「八島」がある。
日本海軍がはじめて保有した近代戦艦であり、1904〜1905年の日露戦争では姉妹艦「八島」を失うも、連合艦隊の主力艦の一艦として活躍した。

本艦が発注されたころ、帝国議会では反政府勢力が主流を占めており、政府の出した建造予算案はことごとく否決されていた。
そこで、政府の要請を受けた明治天皇が自らの私費の一部を建造予算として下賜したことで議会の空気は一変、本艦が発注されることになったという逸話がある。

その後、大正時代に入ると新型戦艦の竣工で旧式化して海防艦となり、二線級に退いたが、ワシントン海軍軍縮条約の発効に伴って兵装・装甲を撤去し、練習艦となった。
さらにその後、昭和に入ると海軍航海学校の保管艦として上部構造物に居住区施設や講堂を増設して「浮き校舎」となり*1太平洋戦争の終戦直前まで生き延びていたが、終戦直前の横須賀空襲で大破着底し、戦後に解体された。

スペックデータ
常備排水量12,533t
12,320t(八島)
全長122.6m
垂線間長114m
全幅22.3m
吃水8.1m
機関石炭専焼円缶×10基/14基(八島)
直立型三段膨張式三気筒レシプロ機関×2基
推進器×2軸
最大出力13,500hp
14,000hp(八島)
最大速力18.3ノット
18.7ノット(八島)
燃料石炭:700t(常備)/1,200t(満載)/1,110t(八島、満載)
航続距離4,000海里/10ノット(常備)
7,000海里/10ノット(満載)
兵装アームストロング 40口径30.5cm連装砲×2基
アームストロング 40口径15.2cm単装速射砲×10基
オチキス 43口径4.7cm単装機砲×20基
オチキス 33口径4.7cm単装機砲×4基
45.7cm水上魚雷発射管×1門
45.7cm水中魚雷発射管×4門
装甲ハーベイ鋼
舷側:356〜406〜457mm(水線部主装甲)
甲板:63.5mm(主甲板)
主砲塔:356mm(前盾)、229mm(側盾)
主砲バーベット部:356mm(甲板上部)、229mm(甲板下部)
副砲ケースメイト部:51〜152mm
司令塔:356mm(側盾、最厚部)、76mm(天蓋)


同型艦
艦名主造船所起工進水就役除籍備考
富士テームズ鉄工所1894.8.11896.3.311897.8.171945.11.301948.5.1〜8.15
浦賀船渠で解体
八島アームストロング社
エルジック造船所
1894.12.281896.2.281897.9.91905.6.151904.5.15
老鉄山南東沖で沈没
(触雷による)

海上自衛隊砕氷艦「ふじ」

JS Fuji(AGB-5001).

1960年代、日本の文部省が南極観測活動に用いるため建造し、防衛庁海上自衛隊)に運用を委託した砕氷艦。同型艦はない。
海上保安庁が運用していた巡視船「宗谷」に次ぐ二代目の南極観測船であり、自衛艦として初めてヘリコプターを搭載した艦船でもあった。

1965年の昭和基地再開〜1984年まで、横須賀基地を母港として南極観測活動の支援(物資・観測隊員の輸送)にあたっていたが、1984年に後継の「しらせ(初代)」に任務を譲って除籍。
現在は愛知県・名古屋港のガーデンふ頭に繋留保存され、記念艦として一般公開されている。

スペックデータ
主造船所日本鋼管鶴見造船所
母港横須賀
起工1964.8.28
進水1965.3.18
就役1965.7.15
退役1984.4.11
その後記念艦として公開
排水量
基準/満載
5,250t/9,120t
全長100m
最大幅22m
深さ11.8m
吃水8.3m
機関ディーゼルエレクトリック方式
ディーゼルエンジン×4基
推進器スクリュープロペラ×2軸
機関出力12,000hp
速力17.2kt
燃料重油:2,180t
航続距離15,000海里(15kt巡航時)
乗員200名(他に観測隊員35名)
搭載能力500t
搭載機S-61A-1ヘリコプター×2機(偵察及び輸送用)
ベル47G2Aヘリコプター×1機(氷状観測用)
レーダー65式(OPS-4D)レーダー×1基
68式(OPS-16)レーダー×1基
ソナーSQS-11Aソナー×1基
OQN-4測深儀×1基
荷役設備電動クレーン×4基(10t×1、8t×1、6t×2)
エレベーター×1基
コンベレーター×2基
フォークリフト×2基
砕氷能力連続80cmで3kt、チャージングで最大6m



*1 この頃には既にエンジンも撤去され、自力航行は不可能になっていた。

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